2024/02/20

アナグマ営巣地の二次林を早朝にこっそり横切るホンドタヌキ【トレイルカメラ】

 



2023年6月中旬・午前4:25頃・日の出時刻は午前4:13。 

ニホンアナグマMeles anakuma)の営巣地(セット)を監視する自動撮影カメラに、日の出直後の早朝からホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が写っていました。 
奥の二次林を右から左へこっそり通り抜けています。 

今回タヌキは、アナグマの巣穴には近寄りませんでした。 
子育てしている期間は、相互不可侵の紳士協定を結んでいるかのようです。 
ここ最近、タヌキがこの地点に出没するのは必ず薄明薄暮または明るい昼間です。 
夜に来ないのは、夜行性アナグマとの鉢合わせを恐れているからだと思います。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


2024/02/19

夜の営巣地に近づく野生動物に吠えかかって追い払い幼獣を守るニホンアナグマ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年6月中旬

シーン1・6/11・午後19:41・(@0:00〜) 
右の巣穴Rから親子で外に出てきたニホンアナグマ♀(Meles anakuma)が幼獣を跨いで追い越す際に軽く座って尻を擦り付けました。 
臭腺や肛門腺で幼獣の背中に匂い付けしているのでしょう。(アロマーキング) 

成獣が振り返ってカメラ目線になると、左右の目の大きさが異なる(右目<左目)♀だと分かります。 
♀は幼獣の毛皮を舐めてやりますが、幼獣は空腹ではないようで♀の乳首に吸いつこうとはしません。 

♀が急に身を屈めて右の方を警戒し始めました。 
幼獣をぴょんと飛び越えて右に突進すると、やがて右の林内からガガガッ、ギャギャギャッ♪と激しく吠えて威嚇する鳴き声が聞こえてきました。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

アナグマの営巣地に近づいてきた他の野生動物を追い払ったのでしょう。 
♀がこれほど激しい剣幕で追い払ったということは、謎の侵入者は、ホンドタヌキやホンドギツネ、ホンドテン、イエネコなどの捕食者が候補として考えられます。 
(ヘルパー以外のアナグマ♂とニアミスしたのかもしれません。) 

巣外に取り残された幼獣は、激しい喧嘩(威嚇)の鳴き声を聞くと、争いの元から慌てて少し遠ざかり、地面に身を伏せました。(警戒のフリーズ行動) 
咄嗟に巣内Rに駆け戻って避難するだけの身体能力はまだ発達していないようです。 


シーン2・6/11・午後19:43・(@1:00〜) 
約45秒後に右から♀が意気揚々と営巣地(セット)に戻って来ました。 
巣口Rで母子が無事に再会すると、♀は出迎えてくれた幼獣に対他毛繕いしてやります。 
その後は残りの幼獣3頭も巣口Rに出てきました。 
幼獣への対他毛繕いの合間に、母親♀は自分の体の痒い部分を後足で掻きました。 



これまで2回ほど、夜の巣外に単独で放置された幼獣を観察してきました。 
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もしかすると、その原因は今回のように、縄張り侵入者を撃退しに行ったから母親♀が一時的に不在だったのかもしれません。
だとすれば、ネグレクト(育児放棄)どころか幼獣を守るための行動なので、納得です。 
幼ない我が子たちを守るとなったら♀は巣穴に籠城するどころか、積極的に攻撃に転じて天敵を追い払うことが分かり、驚きました。
つまり将棋の穴熊戦法は比喩として正しくない(アナグマの実態に即していない)ようです。
まるで穴に籠もった熊のようだ、という意味の戦法らしいです。
最近ではヘルパー♂の存在感が薄くて、何をしているのか疑問になってきました。


捕らえた甲虫を吸汁するオオイシアブ♂

 

2023年6月上旬・午後14:00頃・晴れ 

里山の細い山道の横に立つコナラの幹にオオイシアブ♂(Laphria mitsukurii)が下向きに止まっていました。 
よく見ると何か小さな獲物を抱え、胸背に口吻を突き刺して吸汁しているようです。 
獲物は黒い小さな甲虫ですが、私には種名どころかおおまかな分類(科)も見分けられませんでした。 
餌食となった甲虫は、虫の息で脚を動かしています。 

私がちょっと動いたら、警戒したオオイシアブ♂は少し飛んで別の木に止まり直しました。 
今度は向きを変えて後ろ姿になりました。 
その場で腹端を持ち上げたので脱糞するかと思いきや、予想は外れました。 
腹端の交尾器の形状がよく見えるようになりました。 
腹端の形状が今後の参考資料になるかもしれないので、写真を最後に載せておきます。 

飛び立った瞬間を1/10倍速のスローモーションでリプレイしてみると、クロアリ(種名不詳)のワーカー♀が近寄ってきたので、獲物を奪われないよう自発的に飛び去っていました。 
オオイシアブ♂が止まり木で腹部を持ち上げたのも、通りすがりのアリが体に登ってこないようにするためだったのかもしれません。

ムシヒキアブ科の仲間で♂が♀に共食いされないように求愛給餌する可能性がありそうとのことなので、気をつけて探すようにしています。

オオイシアブの性別の見分け方を今回の調べ物で初めて知りました。 
今回の個体は胸部に橙色の剛毛が密生していることから♂と分かります(♀では黒い)。 
過去の記事も遡って性別を追記しておきます。 

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