2025年3月中旬〜下旬
落葉二次林でホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の越冬する巣穴を自動撮影カメラで見張っています。
ここは以前、ニホンアナグマが掘った営巣地(セット)でした。
シーン1:3/15・午前5:42・気温-1℃(@0:00〜)日の出時刻は午前5:48。
日の出直前に右から来た先行個体のタヌキが、通りすがりに巣口Rをちらっと見下ろしてから、右から生えた落葉灌木の枝を甘噛みしました。
後続個体は巣口Rに顔を突っ込んで匂いを嗅いでいます。
巣口Rの窪みから左にピョンと飛び出して、先行個体の後を追います。
シーン2:3/18・午後15:03・晴れ(@0:41〜)
♀♂ペアと思われる2頭のタヌキが一緒に来ていました。
左の個体Lが、巣口Rに生えた細い落葉灌木の枝先をガジガジと甘噛みしました。
手前の個体Rが巣口Rを点検してから、横に並んだパートナーLに対他毛繕いしました。
シーン3:3/18・午後15:31・晴れ(@1:42〜)
ペアで来ていたタヌキのうちの1頭が、巣口Rの縁から奥の雪面に出てから、眼の前にあった落葉灌木を甘噛みしました。
手前の個体は自分で毛繕いを始めました。
シーン4:3/18・午後15:47・晴れ(@2:42〜)
1頭が再び巣口Rの灌木を甘噛みしました。
左の個体Lは右の個体Rの尻の匂いを隙きあらば嗅ごうとしているようです。
♂がパートナーの♀の発情状態をチェックしているのでしょう。
シーン5:3/23・午前9:05・晴れ(@3:24〜)
今回はタヌキが単独で巣穴Rに来ていました。
(この個体は、両目を失明したヘルパー♀ではないかと思います。)
横から巣口Rを塞ぐように伸びている落葉灌木を甘噛みしてから、クゥーン♪と甲高い声でかすかに鳴きました。
巣口Rの上の縁の残雪を前脚で何度も掻きました。
もう本格的に雪かきをする必要がないので、ただの暇つぶしでしょう。
手前に回り込んでから巣口Rに顔を突っ込んで、再び鳴きました♪
シーン6:3/23・午前9:27・晴れ・気温24℃(@4:24〜)
♀♂ペアで来ていたタヌキの1頭が、巣口Rで落葉灌木を甘噛みしました。
ときどき身震いしています。
シーン7:3/23・午後16:56・晴れ・気温13℃(@5:24〜)
両目を失明したヘルパー♀と思しき単独個体が、巣口Rで暇つぶしに落葉灌木や落枝を甘噛みしました。
ようやく雪面に座り込んで、休んでいます。
シーン8:3/23・午後17:02・晴れ・気温13℃(@6:10〜)
立ち上がったタヌキが巣口Rに顔を突っ込んで覗き込みながら、クゥーン♪と鳴きました。
巣口Rの上を塞ぐように倒れている落葉灌木を甘噛みしました。
小声で鳴いてから、巣穴Rに潜り込みました。
シーン9:3/25・午後18:12・気温8℃(@7:03〜)日の入り時刻は午後17:58。
日が暮れた晩に、奥から来たタヌキのペアが監視カメラを見上げていました。
このペアのタペータム(輝板)は正常に赤外線を反射しています。
左の個体Lが自分で毛繕いをしたり、欠伸や身震いをしました。
体を少し掻いてから、目の前の落葉灌木を甘噛みしました。
その後、背中を弓なりに伸ばすストレッチ運動をしました。
これは出巣直後のタヌキによく見られる行動ですけど、今回の文脈とは合いません。
再び落葉灌木に甘噛みしました。
※ タヌキの鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
【考察】
この時期のホンドタヌキは営巣地でもとにかく退屈そうです。
巣口R付近で落葉灌木や落枝を何度も甘噛みする謎の行動が見られました。
邪魔な枝を折ろうとしている訳でもありません。
冬の積雪で押しつぶされた灌木をぐいぐい引っ張って掘り出そうとしている訳でもありません。
これは空腹しのぎの行動なのでしょうか?
食べられる餌かどうか調べる探索行動なのかもしれません。
しかし、タヌキはたとえ厳冬期でもニホンザルのように樹皮を食べることはありません。
私には手持ち無沙汰の暇つぶしに見えました。
営巣地の残雪が完全に溶ければ、タヌキは露出した地面に寝そべってのんびり日向ぼっこをするようになるのですが、早春の溶けかけた残雪に座ると毛皮がビシャビシャに濡れて(冷たくて)嫌なのかもしれません。
つづく→
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