2023/12/07

与えた藁を掻き集めて巣穴に運び込み寝床とするニホンアナグマ♀【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2023年5月上旬

アナグマの巣材集め行動を観察するために、ちょっとした実験をしてみました。 
巣穴の近くに巣材を置いてみたのです。 
子育て中のアナグマ♀がどれぐらい神経質か分かりません。
露骨に警戒して巣穴を引っ越してしまうリスクを恐れたのですけど、熊谷さとし『タヌキを調べよう (身近に体験!日本の野生動物)』という本を参考にしました。
巣の中にしきつめる材料は、草を根っこから引きぬいて使っているようで、出入り口のそばに落ちていることがある。
(中略)ぼくが、わらたばを巣穴の近くに置いておいたら、ちゃんと穴の中に運びこまれていた。(p23より引用)


熊谷さとし、安田守『哺乳類のフィールドサイン観察ガイド』 によると、

アナグマの巣穴は(中略)草をむしりとって巣穴に運び入れて布団にする。著者が試しに入口近くに藁束を置くと、ちゃんと中へ引き込んでいた。(p69より引用)



シーン1:5/1・午後17:44・(@0:00〜) 
日没前の夕方から2頭のニホンアナグマ♀♂(Meles anakuma)が巣穴の外に出てきていました。(日の入り時刻は午後18:32) 
右の個体が♀で、左の個体はヘルパー♂(若い息子)のようです。 
アナグマ家族の体色を自然光下で初めて拝むことができました。 
二次林にある営巣地で、マルバゴマキ(別名マルバゴマギ、ヒロハゴマキ、オオバゴマキ)など)の若葉の緑がきれいに撮れています。 

左の個体(ヘルパー♂?)が手前の巣穴Rに入りました。 
広場に残った♀個体も続けて入巣しかけたものの、立ちどまりました。 
アクセストレンチと呼ばれる巣口R手前のスロープに私がこっそり広げて置いた藁に気づいたようです。 
営巣地に謎の異物が突然現れたので、警戒しながら慎重に近づいて藁の匂いを嗅ぎます。
私が手で触れた匂いが気に入らなかったのか、巣材を搬入しませんでした。 
広場に戻ると、座り込んでしまいました。 
仰向けになって毛繕いしてから入巣R。 


シーン2:5/2・午後18:04・(@1:31〜)日の入り時刻は午後18:33。 
翌日も日没前の夕方にアナグマ♀が巣穴の外に現れました。 

アクセストレンチに置かれた干し草(藁)の匂いを不審そうに嗅いでいます。 
前脚で枯草を掻き寄せると、そのまま後ろ向きで藁を巣に搬入しました。 
♀はすぐにまた出巣Rすると、巣口Rで身震いしてから、体を掻いています。 


シーン3:5/2・午後18:06・(@2:25〜) 
ニホンアナグマ♀は数分後に巣材集めを再開しました。 
干し草(藁)の匂いを嗅いでから前脚で掻き集めると、後ろ向きにピョンピョン跳んで巣穴Rに入ります。 
巣穴Rの入り口に落としてしまった大量の藁も、しばらくしてから巣内に引き込みました。 


シーン4:5/2・午後18:40・(@3:19〜) 
約30分後、巣穴Rの外に出てきた♀が巣口の地面に座ってまったり休んでいます。 
痒かったのか、尻尾を甘噛みしたり、後脚で痒い体を掻いたりしています。 

立ち上がると、干し草の山へ向かってノソノソと向かい始めました。 
その動きに反応して、もう1台のトレイルカメラが起動し、赤外線LEDが点灯しました。 
トレイルカメラのかすかな物音に気づいて♀はそちらを向いたものの、すぐに警戒を解きました。 
巣材を集めて巣穴Rに搬入。 

出巣Rしても続けて巣材集めをすることはなく、いつも休憩を挟みます。 


シーン5:5/2・午後18:42・気温12℃(@4:40〜) 
別アングルで撮れた映像を見てみましょう。 
巣口Rの手前のスロープ(アクセストレンチ)に置かれた干し草(藁)の匂いを嗅ぐと、前脚で掻き寄せました。 
後ろにピョンピョン跳びずさるようにして、一抱えの藁束を巣内に運び入れます。 

 一仕事を終えた♀が広場に出てくると身震いし、痒い体をボリボリ掻いています。 
その間、ずっと監視カメラの方を見ているため、左右の目の大きさが違う♀個体であることがよく分かります(右目<左目)。 


実験は大成功です!!
ニホンアナグマの巣材集め行動を遂に撮影できました。 
せっかく与えた藁が雨で濡れないように、天気予報で晴れの日が続く時期を選んで決行しました。 
巣穴の奥では赤ちゃんを育てているはずですから、新しい寝床として受け入れてくれたのです。
「あ〜、ありがとうございますー、ね。今、誰かお客さんからフッカフカの新しい敷き藁を頂きました。 こんなん、なんぼあっても、良いですからね〜。(動画で一言©ミルクボーイ)」
巣材集めは♀の仕事なのか、ヘルパー♂は一度も手伝いませんでした。 

この実験は見ていて楽しいので、皆さんにもお勧めです。
野生動物に給餌するより害がないと言いたいところですが、くれぐれも清潔な干し草(藁)を与えるようにしましょう。 
屋根裏で埃を被っている古い稲藁とか家畜小屋(厩舎)から干し草を持ってきたりすると、ダニやノミが付着しているかもしれません。 
巣材集め作業の合間にアナグマが体をボリボリ掻いているのが気になりました。 
いつもやる行動なので大丈夫だと思うのですけど、もしも与えた干し草がダニやノミで汚染されていると大変です。
運び込まれた体外寄生虫が巣内に蔓延して(赤ちゃんにも感染して)大惨事となります。 
「獅子身中の虫、獅子を喰らう」
まるで「トロイの木馬」作戦のようではないか! 専守防衛の穴熊戦術もこれで陥落!などと感心している場合ではありません。 
アナグマは使い古した巣材を巣外に出して干す(日光消毒)ことがあるそうです。
そこまで知恵があるのであれば、もしも与えた巣材が原因で全身が異常に痒くなるようなことがあれば、原因となった巣材を巣外に捨てるような気がします。

※ 動画の一部には編集時に自動色調補正を施しています。


煙突の天辺でいちゃつくハシブトガラス♀♂(野鳥)煙浴行動?

 



2023年4月下旬・午後13:40頃・晴れ 

ゴミ焼却場から上に伸びる角柱状の煙突の天辺(開口部)を鉄板で覆い、雨が入らないようにしています。(煙を拡散させるため?) 
鉄板を斜めに設置してあるのは、水平だと冬に雪下ろしをする必要があるからです。
その角に1羽のハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が止まっていました。 
バサバサと翼を広げて身震いしたということは、煙浴しているのでしょうか? 

カーカー♪澄んだ声で鳴くと、手前に飛び降りました。 
私の方へ向かって滑空してきます。 
交通標識板の天辺に止まり直してカーカー♪澄んだ声で鳴きました。 
口内が黒いのは成鳥の印です。 
嘴を標識に擦り付けたのは、パパラッチ(私)に対する苛立ちの表明と思われます。 
近くの電線へ飛んで移動すると、煙突の天辺に飛来したパートナーと鳴き交わしました。 
しばらくすると、私が人畜無害と分かってくれたようで、パートナーが待つ煙突の天辺に戻りました。 

営巣地周辺の縄張りをよく見渡せるので、この煙突はハシブトガラス♀♂にとってお気に入りの止まり場(見張り場)となっています。 
鉄板には白い糞が多数付着しています。 

パートナーの横に並ぶと、1羽が前傾姿勢で鳴きました。 
カーカー♪鳴く度に、尾羽が上下にピコピコ動きます。 
喉袋が膨らんでいたのでパートナーに求愛給餌するかと期待したのですけど、鳴き止むと喉袋は萎んでいました。 

やがて♀♂つがいは嘴を軽く触れ合わせてキスしたり、互いにやさしく対他羽繕いしたりと、いちゃつき始めました。 
相手をヒョイと飛び越えてからも、横歩きで相手ににじり寄りました。 
しばらく観察していても交尾には至らず、1羽がどこかへ飛び去りました。 

さて、カラスは煙浴することが知られています。 
羽根を煙でいぶして寄生虫を駆除するのです。 梅雨時によく見られ、羽を乾かす効果もあるそうです。 
・カラスは煙が出ている煙突を発見すると猛スピードでそこに飛んで行く。そして煙突の吹き出し口に止まると、気持ちよさそうに煙を浴びる 
・煙の中でもボイラーに火を入れた直後の不完全燃焼時に出る真っ黒い煙をカラスが好むことや、冬にはまず行われないことなど…
今回のハシブトガラス♀♂も縄張りを見張りながら煙突の天辺で煙浴しているのでしょうか? 
撮影中にゴミ収集車が1台戻ってきましたが、焼却炉が稼働しているかどうか不明です。 
煙突から黒煙も陽炎(熱気)も立ち昇っていないので、素人目には煙は出てないような気がします。 
煤煙を浄化して排熱も充分に回収してから排気すれば、陽炎すら立ち昇らないのかもしれません。 
もし煙が出ていれば、鉄板が熱くなってカラスも止まれないのではないでしょうか? 
ここで煙浴行動を観察するなら、焼却炉の稼働スケジュール(時間帯)をゴミ焼却場に問い合わせてみる必要がありそうです。 

本で読んだカラスの煙浴行動を観察したくても、街なかの銭湯が次々と廃業したので、大きな煙突を見る機会がなかなかありません。 
それに代わって薪ストーブを設置した家が増えてきたので、その煙突に期待しています。 
しかし薪を燃やす冬にカラスが煙浴してくれるかでしょうか?
火葬場の煙突でカラスが煙浴してくれたら、物語性があって絵になりそうです。 
しかし、火葬場ではカラスを不吉だと嫌って追い払っていそうだなぁ…。

2023/12/06

トンネルの天井からぶら下がって震えるユビナガコウモリ?【暗視映像】

 

2017年9月中旬・午後17:39 (日の入り時刻は午後17:43)

夜行性コウモリの群れが昼間に寝ているねぐらとなったトンネルを日没直前に探索しています。 
動画音冒頭から飛び回っている個体が1頭がいます。 

天井に単独でぶら下がっていた個体に近づくと、覚醒していて明らかに私を警戒しています。 
ブルブルと震えているのは、飛び立つ前の準備運動なのでしょうか? 
私が横から回り込んでも、なぜか逃げようとしません。 
翼の肘?の辺りから長い指が伸びています。 
これが第1指なのだそうです。 
下腹部が素人目にはくちゃくちゃっとしていて、何がなんだかよく分かりません。 
幼獣が母親にしがみついているのか、それとも左足や翼の飛膜を畳んでいるだけなのかな? 

ユビナガコウモリMiniopterus fuliginosus)ですかね? 
自信がないので、間違っていたらご指摘ください。 
他のコウモリと比べ翼手の第3指(中指)の第2指骨が著しく長いことからユビナガコウモリと名付けられています。 

 『コウモリ識別ハンドブック』でユビナガコウモリについて調べると、
・休息時には翼の第3指と第2指の第2指骨を前方に折り曲げている。 
・丸い顔が目立つ特徴的な顔つき。耳介の先端部は頭頂部よりも低い。 
・ねぐらは洞穴性で、おもに自然洞窟や人工洞(廃坑、横坑、防空壕)、隧道の天井を利用する。 (p54-55より抜き書き)
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


同定のために野生のコウモリを1頭だけでも一時捕獲して体の作りを納得がいくまで調べてみたいのですが、一時捕獲ですら知事?から正式な許可を得ないといけないらしく、その後の進展がありません。 
絶滅危惧種でない普通種なら、一時捕獲ぐらい自由にさせてよ…と勝手ながら恨めしく思ってしまいます。 
結果的に、コウモリの研究を専門家が独占する参入障壁となっています。 
アマチュアに参入させたくない理由があるのか?と勘ぐりたくなります。 
私の場合は駆除目的ではないので、申請すれば意外とあっさり採集許可が得られるものなのでしょうか? 

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