前回の記事:▶ 晩秋のホンドタヌキ営巣地に現れたホンドギツネ【トレイルカメラ】
2023年12月中旬〜下旬〜2024年1月上旬
シーン0:12/4・午後14:08・晴れ・気温26℃(@0:00〜)
シーン0:12/11・午後13:30・くもり・気温18℃(@0:03〜)
明るい昼間に誤作動などでたまたま撮れた現場の状況です。
休耕地にあるホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の営巣地を自動撮影カメラで見張っています。
辺り一面に蔓延っていたクズやカナムグラなどの蔓植物がすっかり枯れています。
タヌキが繁殖した後にニホンアナグマ(Meles anakuma)が巣穴(の一部)を乗っ取ったらしく、晩秋になると越冬に備えて巣材(断熱材の枯草)を巣穴に搬入しました。
つまり、この営巣地が今誰のものか、いまいちはっきり分かっていません。
ホンドギツネ(Vulpes vulpes japonica)の登場シーンをまとめてみました。
キツネは滅多に現れないので、いつもより長目の撮影期間を一気に紹介します。
シーン1:12/12・午前10:09・小雨・気温6℃(@0:07〜)
小雨が降る午前中にキツネが身震いしてから枯野を奥へ向かってジグザグに走り去りました。
枯れた原野を背景にすると、キツネの毛皮は見事な保護色になっています。
このキツネは一体どこから来たのでしょう?
手前の防風林から奥に向かって登場したのに、トレイルカメラがなかなか検知できなかったのでしょうか?
あるいは、巣穴から外に出てきた直後という可能性もあります。
後者だとすると、ここでも「同じ穴の狢 」というややこしい問題に取り組まないといけません。
初心者に分かりやすい単純な問題から出題してくれればよいのに、自然界(フィールド)で観察していると、手加減なしでいきなり難しい応用問題が出題されて困ることがよくあります。
画面の奥で左右に走る農道の手前にある、大量の籾殻を捨ててある区画でキツネが立ち止まりました。
野ネズミやモグラなどの獲物を狙っているのかな?
遠いので、1.5倍に拡大した上でリプレイ(@0:47〜)。
シーン2:12/19・午前9:55・晴れ・気温9℃(@1:21〜)
暖冬でしたが、まとまった雪が積もり、一面の銀世界になりました。
巣穴から右下手前に向かって野生動物が出入りしている足跡(深雪のラッセル跡)が雪面に残っているのに、その行動が監視カメラで撮れていませんでした。
シーン3:12/22・午前4:26・気温-7℃(@1:25〜)
雪原にはラッセル済みの獣道がくっきりと残っています。
未明にキツネが手前の林縁から単独でやって来ました。
タヌキ?の営巣地の方を見たのに、直行しないで右から迂回して近づきます。
右奥の巣穴Rに頭を突っ込んで匂いを嗅いだものの、中には侵入しませんでした。
続いて左隣の巣穴Lへ行こうとしたところで、1分間の録画時間が終わりました。
シーン4:12/22・午前4:28(@2:19〜)
18秒後にトレイルカメラが再起動すると、キツネは巣口Rに戻っていました。
身震いしてから雪原を奥に向かって元気に走り出しました。
ラッセルするほどの深雪ではないようで、新雪を蹴立てて走り去ります。
暗視映像の赤外線が奥にある農道まで届いていません。
シーン5:12/24・午前5:24・みぞれ・気温-3℃(@2:31〜)
2日後の未明にはみぞれが降っていました。
シーン6:12/24・午前9:48・晴れ・気温10℃(@2:36〜)
4時間半後の朝には晴れていました。
巣穴から雪原をあちこちに伸びる獣道が深くなっています。
シーン7:1/3・午前4:17・気温-2℃(@2:40〜)
新年の未明に、キツネらしき野生動物が雪面を左から右に横切りました。
夜霧がうっすらと発生しているようです。
画面奥の暗闇をひときわ明るい光点が点滅しながら左に移動しているのは、車のヘッドライトです。
スギ防風林の奥の車道を走る車のヘッドライトが、スギ林の隙間を通してチラチラと見えているのです。
監視カメラの電池がかなり消耗しているのか、赤外線の光量が弱くて画面全体が暗いです。
【考察】
今のところ、ホンドギツネはいつも単独行動しています。
ホンドギツネは冬眠しません。
雪国の厳冬期になると、野生動物が活動してもトレイルカメラがうまく作動しないことが多くなります。
トレイルカメラを駆動する乾電池の電圧が低温で低下して、性能が発揮できないのでしょうか?
電源をソーラーパネル付きのバッテリーに切り替えると、電圧低下問題が改善されるのかな?
もしかすると、雪国に適応した哺乳類が身にまとう毛皮の断熱性能が良すぎて、トレイルカメラの熱源センサーが検知できないのかもしれない、と思うようになりました。
どうしても撮り漏らしが多くなりますが、断片的な記録でも撮れた映像をありがたく味わうことにします。
つづく→
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