2026/07/17

ホンドタヌキの越冬用巣穴が気になって何度も調べる早春のハシブトガラス【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 


2025年3月中旬〜下旬 

シーン0:3/10・午後16:40・晴れ・気温13℃(@0:00〜) 
雪国の落葉二次林でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が越冬する巣穴Rをトレイルカメラで見張っています。 
ここは以前、ニホンアナグマが掘った営巣地(セット)でした。 
ハシブトガラスが登場したシーンをまとめました。 


シーン1:3/12・午前9:27・晴れ(@0:03〜) 
ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)が単独で巣口Rに来ていました。 
巣口Rを覗き込んでから、右横の雪面をつついた(食べた?)ようですが、後ろ姿でよく見えません。 
溶けかけた残雪の上を右へトコトコ歩いて(ウォーキング)から、右へ飛び去りました。 


シーン2:3/26・午前9:45・くもりのち晴れ・気温16℃(@0:34〜) 
2週間後、ハシブトガラスが雪原を左から歩いて登場しました。 
タヌキの巣口Rを覗き込んでから、土で汚れた残雪をひとくち啄みました。 
(雪を食べたのではなく、雪面に落ちていた小さな餌を拾い食いしたのかもしれません。) 
株立した落葉ミズキの枝をピョンピョン伝って移動すると、止まり木で身震いしてから低空で右へ飛び去りました。 


シーン3:3/26・午前9:45・くもり・気温13℃(@1:25〜)
別アングルの監視カメラでも撮れていました。 
雪を食べたかどうか、このアングルでもカラスが巣口Rの窪地に隠れて見えませんでした。 

途中でシジュウカラParus minor minor)と思しき小鳥が飛来し、画面の右上に伸びたミズキの細い横枝に留まりました。(@1:50〜) 
カラスの様子を見に来たのでしょう。(野次馬) 
カラスが止まり木で少し上の枝に移動したら、シジュウカラは右に飛んで逃げました。 
ハシブトガラスがシジュウカラを追い払ったようには見えません。 


シーン4:3/28・午後14:27・くもり・気温10℃(@2:15〜) 
2日後、珍しく2羽のハシブトガラスが一緒に来て、タヌキの巣口Rを覗き込んでいました。 
近くに別個体がいるようで、カラスの鳴き声が聞こえました。 
まず1羽が左上奥に飛び去りました。 
居残った個体が雪面を歩きながら、カァー、カァー♪と澄んだ声で鳴きました。 

定説ではハシブトガラスの歩き方はホッピングなのに、まるでハシボソガラスのように雪面でウォーキングしています。 

雪面から飛び上がって株立したミズキの落葉灌木に留まりました。 今回のカラスは2羽とも雪を食べませんでした。 


シーン5:3/28・午後14:29・くもり・気温9℃(@3:15〜) 
つづきが別アングルの監視カメラに写っていました。 
ミズキの止まり木からハシブトガラスが左下手前に飛び去りました。 


シーン6:3/30・午前9:52・晴れ・気温10℃(@3:32〜) 
さらに2日後にもハシブトガラスが単独で登場。 
セットの雪面から飛び立つと、低空で右上奥へ飛び去りました。 
しばらくすると、カメラの死角からハシブトガラスが澄んだ声で3回鳴く声が聞こえました。 


シーン7:3/30・午前9:54・晴れ・気温12℃(@3:49〜) 
別のカラス個体が同じルートで飛び去る後ろ姿が写っていました。 


シーン8:3/31・午前11:48・くもり・気温12℃(@3:56〜) 
林床の雪解けが進み、巣口Rの手前の地面も丸く露出しました。 
いったん黒い地面が露出すると、その周囲の残雪も昼間の太陽熱でどんどん溶けていきます。 
林内では樹々の根元から雪解けが進みます(根開き)。 


【考察】 
登場したカラスはすべて森林性のハシブトガラスでした。 
近縁種のハシボソガラスは平地性と言われていて、確かに同じカラス科の留鳥でもニッチを棲み分けているようです。


つづく→



2026/07/16

ようやく雪が溶けた巣口で日光浴・毛繕いするホンドタヌキ3頭の家族【トレイルカメラ】

 



2025年4月上旬

シーン0:3/21・午後14:39・くもり・気温25℃(@0:00〜) 
雪国の休耕地でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の家族が越冬している巣穴を自動センサーカメラで見張っています。 


シーン1:4/4・午前10:10・晴れ・気温11℃(@0:03〜) 
4月になってもタヌキの巣口周辺および手前の林縁の雪が溶けただけで、奥には残雪が広がっています。 

巣口に2頭のタヌキが出てきて身震いし、日光浴しています。 


シーン2:4/4・午前10:11・晴れ(@1:03〜) 
巣口の地面に2頭が座ったり伏せたりして、日向ぼっこしています。 
 途中から3頭目の個体が巣穴から外に出てきて身震いしました。 
鼻面を突き合わせて家族と挨拶しています。 

3頭のうちの1頭は両目を失明した♀h個体と思われますが、明るい昼間はタペータム(輝板)の反射で見分けることができません。 


シーン3:4/4・午前10:17・晴れ・気温12℃(@2:03〜) 
巣口の手前に3頭のタヌキ家族が身を寄せ合うように並んでいました。 
自分で毛繕いしたり、対他毛繕いしたりしています。 
左の個体がのんびり欠伸をしました。 


シーン4:4/4・午前11:07・晴れ・気温12℃(@3:03〜) 
巣内からタヌキがゆっくり外に顔を出しました。 


シーン5:4/5・午前10:51・晴れ・気温16℃(@3:17〜) 
翌日も朝遅くにタヌキが巣口から外に顔を出して、周囲を警戒しています。 
身震いしてから手前に向かってゆっくり歩き出しました。 


シーン6:4/6・午後12:44・くもり・気温15℃(@4:03〜) 
雪解けが進み、奥の雪原もあちこちで地面が露出するようになりました。 


つづく→

モモブトスカシバの飛び立ち【蛾:FHD動画&ハイスピード動画】

 

2026年6月下旬・午後12:05頃・晴れ 

畑に隣接する二次林の林縁で見慣れない毛深い蛾を見つけました。 
植物の葉の上で翅を閉じて静止しています。 
全体的に地味な色なのですが、体毛や鱗粉に白っぽい毛が混じっている他、触角の中間部が水色になっているのが目を引きました。 

絵合わせで初めはルリオオモモブトスカシバかと思いました。 
ところが分布が九州となっている上に、成虫の出現時期が夏となっています。 
昨今の地球温暖化で南方系の蛾が山形県にまで分布を広げている(北進)のでしょうか? 
タイワンモモブトスカシバは更に南方系なので、さすがに論外でしょう。 
ようやくモモブトスカシバMacroscelesia japona)に落ち着きました。 
触角の中間部の水色が決め手となりました。 

モモブトスカシバが飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:12〜) 
私が帽子を投げつけたら、準備運動しなくても直ちに飛んで逃げました。 
スカシバガ科(透かし羽蛾)の一種なのですが、スーパースローでも羽ばたきが早すぎて、鱗粉が落ちて透明になっている翅を確認できませんでした。 
毛深い後脚の空気抵抗が大きいのが見て取れます。 
天敵から逃げる際に不利な形質がどうして♀でも♂でも進化したのか、気になります。 
性フェロモンを放出するヘアペンシルのような役割があるのでしょうか? 
ヘアペンシル仮説にしても性淘汰のハンディキャップ仮説にしても、♂だけに見られる形質なら分かるのですが、♀も毛深いのが不思議でなりません。
むしろ飛翔を安定化するなどプラスの機能があるのかな?

今回の個体が留まっていた葉の植物名を調べるのを忘れてしまいましたが、食草とは無関係でした。 
モモブトスカシバ幼虫の食餌植物として、ウリ科のアマチャズルが報告されていて、虫こぶ(虫えい)を形成するらしい。 
私はアマチャヅルという地味な蔓植物を知らなかったので、フィールドに自生しているかどうか調べていません。 
(山形県にも普通に分布しているらしい。)
他のウリ科植物として、キカラスウリなら近くに自生しています。 
畑の栽培植物なら、カボチャやキュウリ、ズッキーニなどもあり得るでしょうか? 
ChatGPTに質問してみたら、ウリ科の作物を食害するスカシバガ科の害虫はいないらしい。
スカシバガ科幼虫は、多くの種が「穿孔性」です。 一方、ウリ科作物の多くは一年生の柔らかいつる植物であり、毎年植え替えられるため、スカシバガ類にとっては必ずしも適した生活史ではありません。そのため、ウリ科を利用する種はいても、農業害虫として大発生する例は比較的少ないと考えられています。


【アフィリエイト】

擬態する蛾スカシバガ (月刊むし・ブックス 3) 

(モモブトスカシバの)幼虫はアマチャヅルの茎に潜って虫えいを造り、その中で終令幼虫の状態で越冬し、蛹化する。(中略)アマチャヅルは暗い林床に多いが、成虫は開けた環境を飛翔したり、白色系の花を訪れる。 (p137〜139より引用)

長らく未知だったモモブトスカシバのホストをどうやって突き止めたのか、という苦労話のコラムが面白かったです。 

ランダムに記事を読む