2025/11/04

溜め糞場の近くで夏の早朝に立ったまま休むニホンカモシカ【トレイルカメラ】

 


2024年8月中旬 

シーン0:8/10・午後12:46・くもり(@0:00〜) 
明るい日中にたまたま撮れた現場の様子です。 
里山でスギと雑木の混交林にあるニホンカモシカ(Capricornis crispus)の溜め糞場sr2をトレイルカメラで見張っています。 


シーン1:8/19・午前5:54(@0:03〜)・日の出時刻は午前4:55 
早朝に、獣道の奥の茂みの中にカモシカが佇んでいます。 
後ろ姿ですが、ときどき耳を動かしたり顔の向きを変えたりするだけで、その場に立ち尽くしています。 
基本的に画面の左から右に向かって斜面が登っているのですが、この辺りだけ平坦になっている地形なのです。 

もしかして、立ったまま反芻や排便をしていたのでしょうか? 
手前の生えたスギの横枝が邪魔で、カモシカの肛門が見えませんでした。 
後で思うと、糞粒の有無を現場検証すべきでしたね。 


※ 動きのない退屈なパートは、5倍速の早回し映像でお届けします。 
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


ヌスビトハギの葉を切り抜いて巣に空輸するハキリバチの一種♀【FHD動画&ハイスピード動画】

 

2024年8月上旬・午後12:10〜12:45頃・晴れ 

里山で湿地帯に接したスギ植林地の林縁で、蜂の羽音が気になりました。 
下草のヌスビトハギの小群落には、葉をくり抜いた痕跡が多数残っています。 
これはハキリバチの仲間によるしわざです。 



私がその場でじっと待っていると案の定、ハキリバチ♀がヌスビトハギの群落に飛来しました。
ハキリバチ♀は、ハエのようなプーン♪というやや甲高い羽音を立てて飛び回ります。 
クマバチやオオスズメバチが発する重低音の羽音とは明らかに違います。 

ヌスビトハギの小葉に着陸すると羽ばたきを止めます。
鋭い大顎で小葉をチョキチョキと切り始めます。 
丸く切り抜く葉片に跨って丸めながら、切り落とす間際に再び羽ばたき始め、抱えて飛び去ります。

マメ科のヌスビトハギの葉は三出複葉です。 
3枚の小葉のうち、真ん中の柄が明瞭な小葉は頂小葉(ちょうしょうよう)と呼ばれ、残りの2枚の小葉は側小葉(そくしょうよう)と呼ぶのが一般的です。 
ハキリバチ♀は、ヌスビトハギの頂小葉でも側小葉でも特に選り好みしないで切り抜いているようです。 

1枚の小葉から複数の葉片がくり抜かれた跡も残っています。 
緑色の葉だけでなく、黄緑の若葉も切り抜くことがありました。 
葉片の形状は色々で、卵型だったり長楕円形だったり細長く切り抜かれたりしています。 
巣穴の育房に巣材を充填する作業の進捗具合によって、必要な葉片の形状を臨機応変に変えているのでしょう。 
切り取り線は小葉の中央にある主脈を越えたり越えなかったり、まちまちです。 
小葉のどこから切り取り始めるか(葉柄に対して遠位か近位か)についても、特に決まっていないようです。 

巣材の葉片を抱えて飛び去るハキリバチ♀を追いかけようとしても、すぐに見失ってしまいました。 
営巣地がどこにあるのか突き止められませんでしたが、ハキリバチの多くは借坑性ですから、林道脇の針葉樹(スギ?)大木の樹上の虫食い穴などに巣がありそうです。 
隙間や小孔に切り取ってきた葉片を詰め込んで育房を作り、花粉団子を貯食し、その上に産卵し、葉片で育房を仕切ると、また次の育房を作り始るのだそうです。 

関連記事(5年前の撮影)▶ 借坑性ハキリバチ♀の巣の観察:2019年 


おそらく同一個体と思われるハキリバチ♀が数分ごとにヌスビトハギの群落に戻ってきて、せっせと巣材を集めて帰ります。 
蜂が次に着地しそうな葉を狙って待ち構えても、なかなか予想が当たりません。 
私が毎回カメラを近づけて接写しても、ハキリバチ♀は警戒心が薄いのか、嫌がらずに作業を続けてくれました。

林床にはヌスビトハギの他に、フジ(藤、別名:ノダフジ)の葉などもたくさん生えていました。 
しかし、このハキリバチ♀が巣材として集めるのは、ヌスビトハギの葉片だけでした。  

ちなみに、周囲でジーー♪と単調にやかましく鳴き続けているのはエゾゼミ♂(Lyristes japonicus)です。 
ウグイス♂(Horornis diphone)がホーホケキョ♪とのどかにさえずる声も聞こえます。 

ハキリバチ♀がヌスビトハギの葉を切り抜いて持ち去る様子を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@3:40〜) 
切り抜き作業中の蜂を横から見ると、腹面のスコパは白い毛が密生しているものの、花粉は付着していません。 

ハキリバチ♀は毎回几帳面に小葉を丸く切り抜く訳ではないようです。 
かなり大雑把に切り取って、クシャクシャに丸めた葉片を持ち去ることもあり、興味深く思いました。 

葉片を抱えて飛び去るハキリバチ♀の姿を流し撮りできると、スーパースローで見応えがあります。 
葉片を完全に切り抜くと、それを抱えたまま蜂は落下します。 
激しく羽ばたいて空中で体勢を立て直すと、ホバリングしながら巣の方向を見定めて、まっすぐ帰巣します。 
おそらく太陽コンパスや周囲の景色から、記憶した巣の方角を読み取っているのでしょう。 
空荷で飛ぶよりも遅くなるのは、運んでいる葉片が重いのではなくて、空気抵抗が大きいせいでしょう。 

ヌスビトハギの茎の先端にはピンクの花序が咲きかけていました。
しかし、巣材集めに忙しいハキリバチ♀がヌスビトハギに訪花することは一度もありませんでした。 
幼虫が食べる餌を集めたり、母蜂自身が栄養補給(吸蜜)する蜜源植物は、また別の場所に咲いているのでしょう。 


2年前からの宿題だった、ヌスビトハギの葉から巣材を集めるハキリバチ♀を実際にじっくり観察できて大満足です。 
巣材集め行動の細かい点でクズハキリバチとの違いを見出せませんでした。 
関連記事(5年前の撮影)▶  


さて、この蜂の名前は何でしょうか?
素人目には特徴が乏しくて、ハキリバチの種類を見分けられません。 
黒い頭楯の両側に白い部分がある(白毛が密生)ことに気づきました。 
『日本産ハナバチ図鑑』と見比べると、ツルガハキリバチ♀(Megachile tsurugensis)が候補として見つかりましたが、顔色だけでは決め手になりません。 
ちなみに、ツルガハキリバチは「本州では最も個体数の多いハキリバチ」なのだそうです。(同図鑑p330より引用) 

例えばクズハキリバチやバラハキリバチなど、好んで葉を切り抜く植物が蜂の名前に付いている種類もいます。 
しかし、ハキリバチ♀が巣材として集める植物は、蜂の種類ごとに厳密には決まっている訳ではないそうです。 
ヌスビトハギの葉を専門にくり抜く「ヌスビトハギハキリバチ」なる和名の蜂は、今のところ知られていません。 

同定のためにハキリバチ♀を採集しようか迷ったのですが、動画撮影を優先していたら、そのうちパッタリと巣材集めに通って来なくなりました。 
育房作りが一段落したのか、それとも活発に働く時間帯が日周リズムで決まっているのかもしれません。


※ 動画の素材は撮影順ではなく、適当に入れ替えています。 
※ 蜂の羽音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


つづく→ 


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2025/11/03

真夏の深夜にホンドタヌキが口にくわえて運ぶ動物の正体は?【トレイルカメラ:暗視映像】

 

前回の記事:▶  


2024年8月中旬・午前0:02頃・気温26℃ 

ニホンアナグマ(Meles anakuma)の巣口Lを塞ぐ落枝に野ネズミ(ノネズミ)がしがみついていました。 
細長い落枝を伝って上の方まで器用に登れたらヒメネズミ(Apodemus argenteus)(Microtus montebelli)と確定するのですが、しばらくすると巣穴Lに潜り込みました。 
どうやらアナグマの母子家族は留守のようです。 

そんなことよりも、その間に興味深い事件が起こっていました。
ホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の成獣が単独でアナグマの営巣地(セット)を横切りました。 
暗闇でタヌキは野ネズミに気づかずに通り過ぎました。 
そのタヌキは口に何か獲物(中型の哺乳類)を咥えていて、獣道を右に運んで行きました。 
近所の休耕地にタヌキの巣穴があるので、そこを目指しているようで。 
獲物は未だ生きていて、途中で暴れました。 
1.5倍に拡大した上で、1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:48〜) 
それでも獲物の正体は不明です。
たまたま手前に写っている野ネズミよりも明らかに大きな動物をタヌキは運んでいます。 
雑食性のタヌキはキツネのように生きた獲物(哺乳類)を狩って捕食することは滅多にありません。 
虫や小動物(両生類や爬虫類など)を捕食する他、たまに動物の死骸を見つけて食べるぐらいです。 

獲物の候補として唯一考えられるとしたら、ニホンノウサギ(Lepus brachyurus angustidens)の幼獣かもしれません。 
生後間もないノウサギの幼獣は、捕食者に襲われそうになっても逃げずにフリーズするだけなのだそうです。 
山形県で8月中旬のノウサギ幼獣は、生後数週から1か月程度の成長段階にあり、概ね独立し始めるタイミングですが、まだ親のテリトリー内で保護されている個体も多い時期です。 
この時期の幼獣は外敵に対して無防備なので、ホンドタヌキに捕食される可能性はあります。 

しかしタヌキの習性として、狩った獲物を生きたまま巣穴に持ち帰ることは考えにくいです。 
キツネの場合は、親が獲物を生きたまま巣穴に持ち帰り、キツネの幼獣に狩りの練習をさせるそうです。 
しかしタヌキの親はそのような狩猟教育をしません。 

以上のような消去法により、今回の親タヌキが運んでいた動物は、獲物ではなく我が子(当歳仔の幼獣)だったのかもしれません。 
首筋を咥えられて運ばれている途中にタヌキ幼獣が暴れたのでしょう。 
この時期のタヌキ幼獣(当歳仔)はもう自力で歩けるぐらいに成長しているはずですが、遠出して歩けなくなったり迷子になったりして、巣穴に連れ戻されるところなのかもしれません。 

別アングルに設置した監視カメラでも運搬シーンが撮れていれば、タヌキが運ぶ獲物?の正体がしっかり写っていたかもしれず、残念でなりません。 
タヌキの営巣地に設置したトレイルカメラはとっくに撤去しています。(草丈高い雑草が生い茂り、ほとんど何も写らないため。)

関連記事(2ヶ月前の撮影:獲物はおそらく野ネズミ)▶ 獲物を口に咥えて夜の獣道を運ぶホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】 


今回も記事を書く上でPerplexityAIとのブレインストーミングが役立ちました。


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