2025/02/09

ニホンアナグマが冬眠する巣穴に冬毛のニホンイタチが侵入?【トレイルカメラ:暗視映像】同じ穴の狢

 




2024年3月中旬

シーン0:3/11・午後13:46・気温29℃(@0:00〜) 
平地の二次林でニホンアナグマMeles anakuma)が冬眠する営巣地(セット)を自動撮影カメラで監視しています。 
林床の雪解けが進み、地面があちこちで露出しています。 


シーン1:3/14・午前1:53・気温-4℃(@0:04〜) 
深夜にニホンイタチMustela itatsi)が素早く右へ走り去りました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@0:09〜) 


シーン2:3/15・午前5:40・気温-3℃(@0:16〜)日の出時刻は午前5:47。 
翌日は日の出直前にニホンイタチが右下から現れました。 
自然光下でニホンイタチの冬毛がよく見えます。 
イタチは凍った残雪の上を歩いて、アナグマが冬眠している巣穴Rに迷わず向かいました。
巣口Rの匂いを嗅いでから中に潜り込んだようです。 
「同じ穴のむじな」にイタチも含まれるとは驚きました。 
イタチは隙あらばアナグマの巣穴を乗っ取るつもりなのでしょうか?

実は6分後に、隣の巣穴Lを見張っている別アングルの監視カメラが起動したのですが、何も写っていませんでした。 
同一個体のイタチが巣穴Rの内見を済ませて、セットから素早く走り去ったのかもしれません。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

早春の林縁に座って日向ぼっこする首輪を装着したニホンザル♀

 

2024年3月中旬・午後14:10頃・晴れ 

根雪がほとんど溶けた平地の畑とそれを囲むスギ防風林の境界でニホンザル♀(Macaca fuscata fuscata)が地面に独りで座っていました。 
画面奥(北)のスギ林を向いて座り、太陽に背を向けていたということは、日光浴をしているようです。 
うつむいて自分で毛繕い(虱取り)をしていそうですが、後ろ姿からはよく見えません。 
枯れ葉や枯れ草に覆われた地面に対して、ニホンザルの毛皮の褐色は目立たない保護色になっています。 

キョロキョロと辺りを見回し、振り返った猿には黒い首輪が装着されていました。 
GPSテレメトリー調査の対象個体のようです。 
猿害対策のために、遊動するニホンザルの群れが農地に近づくと自動的に通報するシステムを構築しているのかもしれません。 
雪国で早春の畑には、ニホンザルが食害するような作物はまだ何も栽培されていません。

首輪ニホンザルは、何か小さな餌をつまみ食いして、もぐもぐと咀嚼しています。 
やがて立ち上がると、左へ歩き出しました。 
股間を見ると、この個体は♀のようです。
ところが少し歩いただけで、すぐにまた林縁で座り込みました。 
落ち葉をかき分けて、越冬明けの虫やクモなどを捕食しているのかもしれません。

開けた農地でも端の林縁に沿って歩いているのは、いつでも背後のスギ林に逃げ込めるように用心しているのでしょう。

2025/02/08

雪原の営巣地でホンドタヌキ、ホンドギツネ、ニホンアナグマ三種による同居/乗っ取り【トレイルカメラ:暗視映像】同じ穴の狢

 

前回の記事:▶  


2024年2月下旬〜3月上旬〜中旬 

雪が積もった休耕地でホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が越冬する営巣地を自動撮影カメラで見張っています。 
タヌキ以外にも様々な野生動物が入れ代わり立ち代わりやって来ます。
特にこの時期は怒涛の急展開となり、「同じ穴のむじな」と簡単には言えない複雑な様相を呈してきました。 
これまで私は動物の種類ごとに映像をまとめてきましたが、それでは全貌を伝えにくくなったので、今回は改めて動物種を問わずに時系列順に映像を並べ直してみました。 


シーン0:2/20(@0:00〜) 
シーン1:2/21(@1:04〜) 
シーン2:2/22(@1:40〜) 
シーン3:2/24(@2:14〜) 
シーン4:2/25(@2:18〜) 
ここまで、タヌキが1〜2頭で営巣地をうろついています。 
おそらく♀♂ペアなのでしょう。 
巣口に顔を突っ込んで匂いを嗅いだりしています。 


シーン5:2/27(@3:22〜) 
夜明け前にホンドギツネVulpes vulpes japonica)が登場。(@4:22〜) 
タヌキの営巣地をしばらく偵察した後に、画面の右下手前の雪面(または露出した地面)で何度も転げ回り、自分の毛皮に匂い付けをするようになりました。 
タヌキの巣口L周辺の雪面でも腹這いになり、同様の「匂い付け転がり」行動をしました。 
これは私の想像ですが、タヌキの小便跡(マーキング)の匂いに反応したキツネが、その匂いを自分の身にまとおうとしているようです。 
「匂い付け転がり」で化学擬態したキツネ「フサ尾」は、タヌキの巣口Rと巣口Mfに交互に顔を突っ込み、中の獲物を外に追い立て始めました。 
しかし、巣内の獲物は籠城したままです。 
キツネ「フサ尾」は諦めて立ち去りました。 
結局キツネが狙っている対象が野ネズミなのかタヌキなのか、私には分かりませんでした。 


 シーン6:2/28(@9:49〜) 
夜行性のタヌキ3頭が一緒にうろついています。 
1頭が画面の右下手前の地面で、キツネが前日に転げ回った跡を嗅ぎつけたようです。 
タヌキがキツネに対抗して排尿マーキングしたかどうかは画角の端で見えず、少なくとも興奮して地面に転げ回ることはしませんでした。 

明るい日中に、別個体のキツネが登場。 
疥癬の症状で毛並みが悪く、尻尾が細く見える個体です。(細尾) 
ヒゼンダニに寄生されて痒い体をしきりに足で掻き毟っています。 
キツネ「細尾」がいきなりタヌキの巣穴Rに潜り込んだので驚きました。 
そのまま外に出てこなかったので、巣穴を乗っ取って居座ったようです。 

晩遅くには、別のキツネ「フサ尾」が通りかかったものの、疥癬キツネ「細尾」が乗っ取った巣穴Rには近寄りませんでした。(気づいていないのか?) 


シーン7:2/29(@11:51〜) 
深夜にいつの間にか出巣Rしていた疥癬キツネ「細尾」が、画面右端の地面で転げ回り、匂い付けしました。 
その直後、タヌキの巣口Rと巣口Mfに交互に顔を突っ込み、中の獲物を外に追い立て始めました。 
何か小さな動物(おそらくハタネズミ?)が巣穴から暗闇の枯野に飛び出してきて走り回り、それをキツネが狩ろうとしています。 
狩りの成否は不明です。 

疥癬キツネ「細尾」が再び戻ってきて、お気に入りの場所で転げ回り、匂い付けしてから立ち去りました。

夜明け前に、外出(採餌)から単独で戻ってきたタヌキが、巣穴Mfに潜り込みました。(帰巣) 
明るい昼間、タヌキは巣内で寝て休みます。 

再び暗くなった晩に、夜行性のキツネ「フサ尾」が営巣地を通過。 

次に、疥癬キツネ「細尾」が出巣Rして手前の二次林に向かいました。 

深夜にタヌキのペアが登場し、1頭はすぐに入巣R。 
もう1頭は、巣口Mf付近で排尿マーキングしてから、入巣Rしかけたところで録画終了。 


シーン8:3/2(@14:51〜) 
吹雪の吹き荒れる深夜に、キツネ「フサ尾」がいつもの場所で転げ回り、匂い付けしてから立ち去りました。 

その後は疥癬キツネ「細尾」が出巣Rして手前の二次林に向かいました。 

雪が降り止んだ明るい朝に、疥癬キツネ「細尾」が出巣Rして手前の二次林に向かいました。 

しばらくすると外出(採食)から戻ってきて、巣穴Rに潜り込みました。 


シーン9:3/4(@15:48〜) 
明るい午前中に、疥癬キツネ「細尾」が外出(採食)から戻ってきて、通りすがりに巣口Mの匂いを嗅いでから巣穴Rに潜り込みました。 


シーン10:3/5(@16:09〜) 
明るい午前中に出巣Rした疥癬キツネ「細尾」が採食のため外出。


シーン11:3/6(@16:17〜) 
明るい昼下がりに出巣Rした疥癬キツネ「細尾」が手前の二次林に向かい、採食のため外出します。 


シーン12:3/7(@16:24〜) 
疥癬キツネ「細尾」が外出から戻ってきたのは、翌日の晩でした。 
真っ直ぐに帰巣R。 


シーン13:3/8(@16:42〜) 
明るい午前中に出巣Rした疥癬キツネ「細尾」が採食のため外出します。 


シーン14:3/9(@16:50〜) 
疥癬キツネ「細尾」が外出から戻ってきたのは、翌日の未明でした。 
真っ直ぐに帰巣Rしかけたところで録画が終了。 


シーン15:3/10(@17:00〜) 
晩にニホンアナグマMeles anakuma)が単独でやって来ました。 
冬眠から目覚め、久しぶりに外出していたようです。 
雪原を横切り、躊躇なく巣穴Mfに潜り込みました。 
この巣穴Mfでアナグマが冬眠していたことを、私はそれまで気づきませんでした。


シーン16:3/11(@17:19〜) 
タヌキが単独で凍った雪原を右往左往。 
巣口Lの匂いを嗅いでから、巣穴Mfに潜り込みました。 
そこは前夜にアナグマが入巣したので、「同じ穴のむじな」としてタヌキも同居していることになります。 
冬眠中のアナグマと非冬眠性のタヌキが寄り添って寝ているのか、それとも居住区は別なのか、知りたいところです。 

冬ごもりするアナグマは他者の侵入にかなり寛容なのか? 自分で深い穴を掘れない野生動物にとって、よほどの住宅難なのだろう。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
トレイルカメラは素晴らしい文明の利器ですが、決して完璧ではありません。 
厳冬期は低温のせいで電池の電圧が低下(カメラの性能低下)していたり、画角の縦方向の動きに対しては反応が鈍く、撮り損ねが結構ありそうです。 
断片的で不完全な映像記録から想像するしかありません。

三種類の食肉目が巣穴を共有するとは思いもよりませんでした。
力づくで(暴力的に)巣穴という不動産を強奪したというよりも、主が不在の時を狙って乗っ取ったようです。
疥癬キツネ「細尾」がタヌキの巣穴Rを乗っ取って住み着いた後、タヌキは遠慮してあまり近寄らなくなりました。 
なるべく鉢合わせしないように、時間をずらして訪問している印象です。 
時間帯を分割してニッチ(同じ巣穴)を共有しているという説があります。 
タヌキの営巣地だったと言っても、元々はアナグマが掘った巣穴ではないかと私は想像しています。
アナグマがなぜこれほど他者(別種)に寛容で巣穴への居候を許しているのか、不思議でなりません。




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