2026年9月上旬・午後16:20頃・晴れ
山麓の農村部の歩道で1羽のハシボソガラス(Corvus corone)が何かしていました。
私が歩いて近づいても、珍しくカラスはなかなか逃げようとしません。
横のガードレールに一旦飛び乗ってから(名残惜しそうに)ようやく飛び去りました。
逃げたハシボソガラスは、少し離れた外灯の支柱や送電塔の中段に留まって、私の様子をうかがっています。
カラスが居た歩道を現場検証すると、解体されたカブトムシ♂(Trypoxylus dichotomus)の死骸が歩道に仰向けで転がっていました。
ハシボソガラスがカブトムシ♂を捕食・解体するシーンを撮影する絶好のチャンスだったのに、気づかずに撮り損ねたのが残念です。
カブトムシ♂の頭部には前胸と右鞘翅が付いたままでした。
脚は、左右の前脚と左の後脚だけ残っています。
立派な角は無傷でしたが、身を守る役には立たなかったようです。
指で触れると、左右の前脚および口吻が動いたので、まだ生きていることが分かりました。
背側の状態を見るために仰向け状態から元に戻してやると、1対の前脚だけを使ってぎこちなく歩いて前進し始めました!
左の後脚は麻痺していました。
左前脚の跗節に力が入らないようで、路面を歩くグリップが左右非対称になっています。
そのため、瀕死のカブトムシ♂はすぐにバランスを崩して再び横転しました。
もがき続ける前脚が空を切ります。
カブトムシの歩行を司る中枢神経系は胸部の腹側にあって、カラスに解体されても、ほぼ無傷だったようです。
(ちなみに、我々ヒトを含む脊椎動物の中枢神経系は背側にあって、昆虫とは体制の背腹軸が逆になっています。)
かなりショッキングな恐怖映像ですけど、過去にほぼ同じシーンを観察した経験があるので、冷静に撮影できました。
今回はハシボソガラスのしわざだとはっきりしています。
関連記事(6年前の撮影)▶ 天敵に腹部を捕食されたカブトムシ♂が虫の息で動く
カラスがカブトムシ♂を捕食する前に根元から毟り取った脚や翅(前翅と後翅)が路上に散乱していました。
そのうち脚の1本をクロヤマアリ(Formica japonica)のワーカー♀が後ろ向きに引きずって巣穴に運び去るところでした。
胸部からちぎり取られた腹部も路上に残されていました。
腹部の内部組織はハシボソガラスに捕食されて空っぽでした。
カラスはカブトムシを狩っても、腹部の肉しか食べないようです。
これは6年前の事例でも同じでした。
もし私が現場にカメラだけを置いて離れたら、さっきのカラスが戻ってきて食べ残しのカブトムシ♂を捕食するシーンを撮れたかな?
もしもまだ食べるつもりなら、カラスは逃げる際に獲物を咥えて持ち去ったはずです。
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