2015年10月上旬・午前00:25・気温12℃
花を食べる造網性クモの謎#6:再現実験
5日前、戯れにアメリカセンダングサの花をイシサワオニグモ♀(Araneus ishisawai)の網に投げつけたら食べ始めて驚愕しました。(記事はこちら)
意外な結果を受け入れるには何よりも再現性が肝心ですから、同一個体のクモで花給餌実験をもう一度やってみました。
近くで摘んだアメリカセンダングサの頭花を垂直円網に投げつけると、その振動でイシサワオニグモ♀が隠れ家から花に駆け寄りました。(動画はここから)
花の茎が少し長過ぎたかもしれません。
クモは歩脚で花に触れるものの、噛み付こうとしません。
花の回りの糸を噛み切ると、網から外して捨てました。
今回は梱包ラッピングすら行わず、異物として網から取り除きました。
※ 赤外線ビデオカメラの撮影アングルが不安定なのは、AFの奥ピンを改善するために背景が抜けるアングルを探っているためです。
甑に戻ると周囲の糸を歩脚で引き締めて網を揺らし、もう他に異物が網に残っていないか確かめています。
信号糸を伝い、隠れ家に戻りました。
食べ残しの蛾を引き寄せ、捕食を再開。
撮影直後の午前00:25に測定した気温は12℃、湿度100%。
花を食べてくれなかったので再現性に疑問が生じ、意気消沈しました。
とにかくアメリカセンダングサの花の味が好きで好きで堪らない!という訳ではなさそうです。
蛾を食べている最中に花を給餌したのでクモは満ち足りており、わざわざゲテモノを口にする気にならなかったのでしょうか。
クモの空腹状態をコントロールした上で実験するのは飼育しないと無理そうです。
造網性クモは花を梱包ラッピングしてくれないことには食べてくれないので、網に付けた花をクモが取り除こうと触れたときに音叉を使って花に振動を与えてみれば騙されるかもしれません。
つづく→#7:アメリカセンダングサの花を食べなくなったイシサワオニグモ♀(蜘蛛)
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