2026/07/16

モモブトスカシバの飛び立ち【蛾:FHD動画&ハイスピード動画】

 

2026年6月下旬・午後12:05頃・晴れ 

畑に隣接する二次林の林縁で見慣れない毛深い蛾を見つけました。 
植物の葉の上で翅を閉じて静止しています。 
全体的に地味な色なのですが、体毛や鱗粉に白っぽい毛が混じっている他、触角の中間部が水色になっているのが目を引きました。 

絵合わせで初めはルリオオモモブトスカシバかと思いました。 
ところが分布が九州となっている上に、成虫の出現時期が夏となっています。 
昨今の地球温暖化で南方系の蛾が山形県にまで分布を広げている(北進)のでしょうか? 
タイワンモモブトスカシバは更に南方系なので、さすがに論外でしょう。 
ようやくモモブトスカシバMacroscelesia japona)に落ち着きました。 
触角の中間部の水色が決め手となりました。 

モモブトスカシバが飛び立つ瞬間を狙って、240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:12〜) 
私が帽子を投げつけたら、準備運動しなくても直ちに飛んで逃げました。 
スカシバガ科(透かし羽蛾)の一種なのですが、スーパースローでも羽ばたきが早すぎて、鱗粉が落ちて透明になっている翅を確認できませんでした。 
毛深い後脚の空気抵抗が大きいのが見て取れます。 
天敵から逃げる際に不利な形質がどうして♀でも♂でも進化したのか、気になります。 
性フェロモンを放出するヘアペンシルのような役割があるのでしょうか? 
ヘアペンシル仮説にしても性淘汰のハンディキャップ仮説にしても、♂だけに見られる形質なら分かるのですが、♀も毛深いのが不思議でなりません。
むしろ飛翔を安定化するなどプラスの機能があるのかな?

今回の個体が留まっていた葉の植物名を調べるのを忘れてしまいましたが、食草とは無関係でした。 
モモブトスカシバ幼虫の食餌植物として、ウリ科のアマチャズルが報告されていて、虫こぶ(虫えい)を形成するらしい。 
私はアマチャヅルという地味な蔓植物を知らなかったので、フィールドに自生しているかどうか調べていません。 
(山形県にも普通に分布しているらしい。)
他のウリ科植物として、キカラスウリなら近くに自生しています。 
畑の栽培植物なら、カボチャやキュウリ、ズッキーニなどもあり得るでしょうか? 
ChatGPTに質問してみたら、ウリ科の作物を食害するスカシバガ科の害虫はいないらしい。
スカシバガ科幼虫は、多くの種が「穿孔性」です。 一方、ウリ科作物の多くは一年生の柔らかいつる植物であり、毎年植え替えられるため、スカシバガ類にとっては必ずしも適した生活史ではありません。そのため、ウリ科を利用する種はいても、農業害虫として大発生する例は比較的少ないと考えられています。


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擬態する蛾スカシバガ (月刊むし・ブックス 3) 

(モモブトスカシバの)幼虫はアマチャヅルの茎に潜って虫えいを造り、その中で終令幼虫の状態で越冬し、蛹化する。(中略)アマチャヅルは暗い林床に多いが、成虫は開けた環境を飛翔したり、白色系の花を訪れる。 (p137〜139より引用)

長らく未知だったモモブトスカシバのホストをどうやって突き止めたのか、という苦労話のコラムが面白かったです。 

2026/07/15

早春の雪山を夜にうろつく冬毛のニホンノウサギ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年3月下旬・午前3:15頃・気温-1℃ 

里山の湧水湿地に通年できた水溜りを夏の間に自動センサーカメラで見張っていました。 
雪国では冬になると、野生動物も野鳥も雪を食べるようになるので、わざわざ水場に来なくなります。 
早春のいつ頃から水場に再び現れるようになるのか調べるために、トレイルカメラを設置し直しました。 
麓では雪がすっかり溶けた早春でも、登ってきたらスノーシューが必要となり、山中はまだ雪がどっさり積もっていました。 
画面の手前から奥に向かって山の尾根に向かう上り坂になっています。 
雪解け水が沢からこの湧水湿地に流れ込み、深い積雪を局所的に(川のように?)溶かしていました。 

深夜未明にニホンノウサギLepus brachyurus angustidens)が現れました。 
画面の右端からノウサギの鼻先が覗いています。 
やがて警戒を解くと、凍った雪面を手前にゆっくり移動し始めました。 
まだ真っ白な冬毛の状態です。 


つづく→

二次林内の巣穴に出入りする雪国のホンドタヌキ:3月下旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年3月下旬 

雪国の落葉二次林で越冬中のホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)が通ってくる巣穴Rを2台の自動撮影カメラで見張っています。 
興味深い行動を個別の記事にした後の残り物になります。 
せっかく動画を編集したので、ブログ限定で公開します。(手抜き) 

家族群と思われるタヌキが1〜3頭で昼も夜も代わる代わる来ていました。 
同時に登場するのが1〜3頭という意味であって、個体識別をきちんとすれば、のべ頭数はもっと多いのかもしれません。 
ここはメインの巣穴ではなく、たまに使う別宅のようです。 
巣口Rを覗き込んで匂いを嗅いだだけで立ち去ることが多いです。 
早春で雪解けが進むと、巣内が水浸しになって居住環境が劣悪になるのではないかと想像しています。 
単独で来ていても、ときどきクゥーン♪と甲高く小声で鳴いています。 
たまに巣口Rの横の落葉灌木に小便をかけてマーキング(匂い付け)。 
この時期でもときどき雪が降っています。 

シーン1:3/21(@0:00〜) 

シーン2:3/22(@0:19〜) 

シーン3:3/23(@2:02〜) 

シーン4:3/24(@3:39〜) 

シーン5:3/25(@4:52〜) 

シーン6:3/26(@5:03〜) 

シーン7:3/27(@5:13〜) 

シーン8:3/29(@6:46〜) 

シーン9:3/30(@7:05〜) 

シーン10:3/31(@9:41〜) 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画の一部は編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 

ここは以前、ニホンアナグマの営巣地(セット)でした。

つづく→

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