2026/01/25

刈田で落ち穂を拾い食いするキジバトのペア(野鳥)

 

2024年9月下旬・午後15:05頃・晴れ 

秋に稲刈りしたばかりの田んぼ(刈田)で、♀♂ペアと思われる2羽のキジバトStreptopelia orientalis)が一緒に採食していました。 
付かず離れず歩き回りながら、あちこち啄んでいます。 
刈株から早くも青々としたひこばえ(再生葉)が伸びていました。 
私が横の農道を歩いて近づくと、飛んで逃げました。(映像は割愛)


関連記事(5年前の撮影)▶ 刈田で落穂拾いするキジバトのペア(野鳥) 


【考察】
奥に見える田んぼの区画はまだ稲刈り前で、黄金色の稲穂が実っています。 
おそらくヒトの食用ではなく、ウシの飼料として栽培されたイネらしく、草丈が高い品種でした。 
稲刈り前の田んぼでキジバトが採食するシーンを私はまだ見たことがなく、不思議でなりません。 
稲穂に隠れた保護色のキジバトを私が見つけることができないだけか、それともキジバトはスズメと違って開けた空間でないと安心して採食できないのかもしれません。


イネを収穫する機械(稲刈り機、コンバイン)の改良が進むとますます大型になり、そして無駄なく刈り取るようになります。
また、栽培されるイネは実が熟しても零れ落ちないように品種改良されています。
稲作の経済性を追求した結果、刈田全体で落ち穂の量が減り、養える野鳥の数が少なくなる一方です。
実入りの悪い稲穂を自動的に選別して刈り残す(あるいは刈った後でその場に捨てる)ようなコンバインが開発されたら、野鳥は喜ぶはずですが、メーカーに何かインセンティブを与えないと難しいですね。
もしかして、(私が知らないだけで)既にそうなっているのかな?

この問題についてGemini AIと問答を繰り返し、レポートにまとめてもらいました。

現代の稲作における「機械化・効率化」と「野鳥の生存環境」の相関関係について、これまでの対話の内容を整理したレポートを作成しました。


報告書:稲作の技術革新と野鳥の生存環境における相関

〜効率の追求がもたらした生態系への影響と課題〜

1. 収穫技術の進化と「落ち穂」の減少

現代の稲刈り機(コンバイン)は、農家の所得向上と作業効率化を目的に、極限まで「収穫ロス」を減らす方向で進化してきました。

  • 選別技術の高度化: 最新のコンバインは、センサーと風力制御により、良質な籾(もみ)と未熟な籾(クズ米・シイナ)を瞬時に選別します。かつては精度不足ゆえに田んぼへ「こぼれていた」食べられる米も、現在はその多くが機体内に回収されています。

  • 脱粒性の改良: 栽培されるイネ自体も、収穫前に実が落ちにくいよう品種改良が進んでおり、自然な「落ち穂」の発生そのものが抑制されています。

  • 藁(わら)処理の変化: 収穫と同時に藁を細断する機能が普及したことで、わずかに残った籾も細かな藁の下に埋もれ、野鳥が餌として発見することが困難な状況が生まれています。

2. 経済合理性と品質管理の影響

農家が「一粒残らず回収する」背景には、単なる収穫量の確保だけでなく、現代の流通・加工技術の変化が大きく関わっています。

  • 「クズ米」の市場価値: かつては廃棄の対象だった未熟米や割れ米も、現在は米粉、飼料、加工食品(菓子や酒類)、さらにはバイオプラスチックの原料として流通しています。この経済的なインセンティブが、徹底した回収を後押ししています。

  • 高度な事後選別: 収穫後に「色彩選別機」で精密に品質を分けることが可能になったため、農家は現場で選別して捨てるよりも、「一旦すべて回収して後で分ける」方が、品質管理と収益の両面で合理的であるという判断に至っています。

3. 野鳥保護活動と農業管理のジレンマ

冬越しのために飛来するハクチョウなどの野鳥に対し、保護団体が行う「給餌」は、人道的な支援である一方で、農業現場の「衛生管理」との間でいくつかの矛盾を抱えています。

  • 品種の純度管理(野良生え): 給餌された米の中に異なる品種が混じっていた場合、翌春にそれが芽吹くことで、その田んぼで栽培するブランド米の純度を損なうリスクがあります。

  • 防疫上の課題: 特定の場所に鳥を集める大規模な給餌は、鳥インフルエンザなどの感染症リスクを高める懸念があり、家畜伝染病予防の観点から行政による制限も増えています。

  • 共生の模索: 一方で、野鳥に落ち穂や雑草の種、害虫を食べてもらい、その糞を肥料とする「冬みず田んぼ」のような試みもあり、農業管理と保護を両立させる新しい形も模索されています。

4. まとめ

農業技術の進歩は、食料供給の安定と農家の経営基盤を支える大きな成果を上げました。しかし、その「徹底した無駄の排除」は、副次的効果として野鳥たちの伝統的な採餌環境を縮小させています。

この状況は、誰か特定の主体が意図した結果ではなく、「もったいない」という資源の有効活用と、「より高品質なものを効率的に」という経済的要請が組み合わさった結果、生じているものです。技術がさらに進む中で、野生動物との接点をどのように設計し直すかが、これからの持続可能な農業における静かな課題となっています。


このまとめを作成する中で、改めて「人間の善意や努力(ロスをなくすこと)」が、別の場所(生態系)では予期せぬ摩擦を生んでいるという構造が浮き彫りになりました。


特に「クズ米も売れる」「米農家が野良生えを嫌う理由」の二点が 私にとって新しい学びになりました。

来年のための「衛生管理」: 田んぼに籾(種)が残っていると、翌年、植えた覚えのない場所から勝手に芽が出て(野良生え)、品種の純度が落ちたり病害虫の温床になったりします。そのため、**「できるだけ一粒残らず持ち帰りたい」**というのが管理上の理想です。


農家が最も嫌うのは、翌春に**「植えた覚えのない米(異品種)」**が勝手に芽を出すことです。


品種の汚染: 給餌活動で撒かれる米(クズ米など)が、その田んぼで栽培している品種と違う場合、翌年混ざって芽吹いてしまいます。これが混ざると、収穫した米の検査等級が下がり、最悪の場合は「品種名」を名乗れなくなります。


給餌団体の配慮: 意識の高い保護団体や地域では、**「その地域で獲れた同じ品種のクズ米」**を餌に使うことで、異品種混入のリスクを最小限に抑えようとしています。しかし、外部から持ち込まれた米を使う場合は、確実な矛盾が生じます。

 

2026/01/24

ヒマワリ種子を入れた給餌箱に警戒して迂回するニホンカモシカ【トレイルカメラ】

 



2024年10月下旬・午前8:40頃 

里山でスギと雑木の混交林にあるニホンカモシカCapricornis crispus)の溜め糞場sr2を自動撮影カメラで見張っています。 
ミズナラの幹にプラスチックの給餌箱をぶら下げ、中にはヒマワリ(向日葵)の種子を詰めました。 
これはカモシカ用の餌ではなく、足繁く通ってくるニホンリスの貯食行動が観察できないかと期待して給餌したのです。 

明るい朝に左手前から登場したカモシカが、給餌箱に気づいて匂いを嗅いでいました。 
しかし、すぐに回れ左して、左手前に立ち去ってしまいました。 
今回は林床に残っている溜め糞の匂いを嗅いでチェックすることもなく、自ら排便することもありませんでした。 
不審な匂いのする給餌箱の存在に警戒したようです。 
慣れてくれたら、給餌箱に顔を擦りつけて眼下腺マーキングするかな? 


【考察】
今思えば、トレイルカメラで長期監視しているカモシカの溜め糞場sr2で、色々なテーマを狙い過ぎました。 
岩塩もリス用の給餌箱も、それぞれ別の地点に設置すべきでしたね。 
運用できるトレイルカメラの数に限りがあるので、ついついあれもこれもと欲張ってしまいました。 
カモシカにとってみれば、神聖な共同トイレに次々と見慣れないものが勝手に置かれて落ち着かなくなったようで、やがて足が遠のいてしまいました(ここに通わなくなった)。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

タイアザミ(トネアザミ)の花で採餌するトラマルハナバチ♀

 

2024年10月上旬・午後14:25頃・くもり 

山麓の道端に咲いたトネアザミ(別名タイアザミ)トラマルハナバチBombus diversus diversus)のワーカー♀が訪花していました。 
吸蜜する蜂の後脚を見ると、花粉籠に白い花粉団子を満載しています。 
この頭花は雄しべの花粉が豊富なようで、蜂はなかなか飛び立ってくれません。 
次の花に移動するまで見届けたかったのですが、たまたま近くを遊動していた野生ニホンザルの群れに気を取られてしまい、撮影を早々に打ち切りました。 (映像公開予定)

実は、同じトネアザミの群落で、ヒメクロホウジャクMacroglossum bombylans)という昼行性の蛾が吸蜜ホバリングしているのをトラマルハナバチよりも先に見つけたのですが、残念ながら動画に撮り損ねてしまいました。


今回の植物名について。 
オヤマボクチ?…にしては葉の棘が痛そうで変だな?と思ったぐらいアザミ類に疎い私は、この植物の名前が分かりませんでした。 

関連記事(12年前の撮影)▶ オヤマボクチの花蜜を吸うトラマルハナバチ♀ 

撮影日や現場周辺の情報を教えつつGoogleレンズで画像認識してもらうと、トネアザミ(別名タイアザミ)だろうと教えてもらいました。 
ナンブアザミの変種なのだそうです。 
タイアザミのタイとは大薊の大らしい。(それならダイアザミと呼ぶべきだろ!と突っ込みたくなります)

いつもなら、気になるアザミがあったら総苞片に粘り気があるかどうか、葉の棘が痛いかどうか、必ず触れてみるようにしています。 
しかし今回は猿のせいで、じっくり調べるのを忘れました。 
「アザミは沼」と言われるほど、一度ハマると奥が深い世界なのだとか。 
山渓ハンディ図鑑のシリーズで、『日本のアザミ』というマニアックな植物図鑑を出してくれないかしらん? 
以前、私のフィールドでは結構普通に生えているのに一般的な植物図鑑に載ってない変なアザミを見つけました。
その名前を調べるのにとても苦労した挙句、山形県特産のマミガサキアザミと判明したことがあります。

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