2025/12/31

トレイルカメラのザトウムシ対策で粘着トラップを試してみる(その4)マダラカマドウマやツノアオカメムシなども捕捉


前回の記事:▶ トレイルカメラのザトウムシ対策で粘着トラップを試してみる(その3)ザトウムシの歩脚を捕獲 


2024年10月上旬 

平地の二次林でニホンアナグマの営巣地(セット)を監視する2台のトレイルカメラに夜な夜な写り込んで撮影の邪魔をするザトウムシが近づけないように、自家製の粘着トラップを試しに設置しています。 

ミズキ灌木の幹で監視カメラWの上下に巻いた粘着テープ(ガムテープ)に、今回は過去最多の虫が付着していました。 
この期間は雨が少なくて、テープの粘着性が落ちなかったのかもしれません。


新顔の虫としてまず気になったのは、マダラカマドウマDiestrammena japanica)です。 
地面から登って来たカマドウマが、粘着テープに捕らえられて動けなくなった脚を自切して、なんとか逃げのびたようです。 
自切した脚だけでなく、長い触角も粘着テープにへばり付いていました。 
本種は樹液酒場でも見られるため、ミズキの樹液を吸汁しに木登りしていたのかもしれません。 

関連記事(10年前の撮影)▶ 夜にミズナラの樹液を吸うマダラカマドウマ♀ 

以前このミズキ灌木の幹に尖ったドライバーをうっかり刺してしまったとき、傷口から透明なサラサラした液体が溢れるように流れ落ち、さすが水木の名前通りだと感心しました。

アナグマが掘った2つの巣穴L、Rには穴居性のカマドウマが群れで居候していることが後に明らかになります。(映像公開予定)
もしかすると、そこで育ったカマドウマの一部が巣穴の横に生えているミズキの木に登って来たのかもしれません。


本命のザトウムシ(種名不詳)は、自切した歩脚を粘着トラップに残して逃げた個体もいれば、全身がへばりついて逃げられなかった個体もいました。
ザトウムシは上のテープにも下のテープにも付着しており、(常識的な予想に反して)樹冠から降りてきた個体も多いことを示唆しています。
あるいは別の解釈として、地面から幹を登ってきたザトウムシが下側の粘着トラップを歩脚の自切でなんとか突破できたものの、次に待ち構えていた上側の粘着トラップからは逃れられなかったのかもしれません。
どちらの解釈が正しいか確かめるには、ライブカメラで粘着トラップをひたすら監視するか、飼育下で実験するしかなさそうです。

そもそも、どうしてザトウムシがトレイルカメラに集まって居座るのか、謎のままです。
通常光の照明なら夜に虫が走光性で引き寄せられますから、その獲物を狙って肉食性のクモも集まって来るのは納得できます。
しかしトレイルカメラは夜に可視光ではなく赤外線を照射するだけです。
動画撮影の度に発熱するカメラの、ほのかな暖かさが好きなのかな?
 
前回(シリーズその1)と同じく、 ヒメマダラエダシャクAbraxas niphonibia)らしき蛾の幼虫も1匹だけ下側の粘着テープに捕らえられ死んでいました。
イラガMonema flavescens)の古い繭もミズキ灌木の幹に付着したまま残っていましたが、今回の本題とは関係ありません。 


別の監視カメラNを固定した落葉性灌木(樹種不明)の幹に巻いた粘着テープを調べてみると、少数の虫しか付着していませんでした。 
上側のテープにはオオナミザトウムシNelima genufusca)?が1匹だけ丸ごとへばり付いていました。
やはり樹冠から幹を伝って下に降りてきたのでしょうか。
この灌木には木質の蔓(種名不詳)が巻き付いていて、徘徊性の虫が粘着トラップを回避できる迂回ルートになっている可能性があります。
 
下側の粘着テープにはツノアオカメムシが1匹、付着していました。 
背中に寄生バエの白い卵が産み付けられています。
このツノアオカメムシについては、指で触れてみて死んでいることを確認しました。
下側の粘着テープの反対側に回り込むと、種名不詳のカメムシが1匹、付着したまま死んでいました。 
死骸の体は捕食者(おそらく鳥またはアリ?)に食べられていて損傷が激しく、私にはカメムシの種類を同定できませんでした。
こうして写真を並べて見ると、なかなか悪趣味な昆虫採集ですね。
それでも地道に記録を残すことで、少しでも罪滅ぼしになるかもしれません。 
トレイルカメラでは原理的に恒温動物(温血動物)の活動しか記録されません。
粘着トラップによって、トレイルカメラでは見落としてしまう、この森の昆虫相が少しだけ垣間見えてきます。

トレイルカメラの保守作業を終えると、粘着トラップを上下とも交換して(ガムテープを裏返し粘着面を上にして幹に巻き直し)帰りました。 


つづく→ 


【アフィリエイト】 

秋にヒバの梢で鳴き真似♪をするモズ♂(野鳥)

 

2024年10月上旬・午後14:50頃・くもり 

川沿いの民家の生け垣として植栽されたアスナロの梢にモズ♂(Lanius bucephalus)が留まっていました。 
私のことなど眼中になく、横を流れる用水路やその奥の田園地帯の方を見下ろしていました。 
辺りをキョロキョロと見回しながら、喉をひくひく動かしています。 
小声でチュピチュピ鳴き続けているのに、近くを流れる川の水音がうるさくて動画ではよく聞こえません。 
(撮影時に私の耳では確かに鳴き声が聞こえていたのです。)
秋のモズに特有の鳴き方(縄張りを宣言する高鳴き)ではなく、別種の鳥の鳴き真似(音声擬態)をしているようです。 
鳴き真似のモデルはツバメかな? (カワラヒワ? ヒヨドリ? セキレイ類?) 

鳥は普通、嘴を開閉しながら鳴きます。 
その動きが鳴き声と同期していれば(リップシンクロ)、被写体の鳴き声であることが確定できます。 
ところが、今回のモズ♂個体は嘴を閉じたまま鳴き続けていました。 
喉をひくひく動かしていたので、この個体が鳴管(我々ヒトでは声帯という相似器官)を使って鳴いているようです。 

やがてモズ♂は止まり木で左に向き直りました。 
秋風で細い枝先が揺れても、尾羽でバランスを取りながらしっかり留まっています。 
風が強くなって止まり木の揺れが激しくなると、モズ♂はとうとう耐えきれずに飛び去りました。 

モズの鳴き真似はとても面白いテーマです。 
今回は4分以上も鳴き続けてくれたのに、川の音でほとんどかき消されてしまい、残念でした。 

※ 少しでもモズ♂の鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】
この記事ではモズの鳴き真似として紹介しました。
しかし全ては私の勘違い(願望から来る思い込み)かもしれません。
モズが鳴き真似をしていたのではなくて、別種の鳥が近くで鳴いている声が聞こえただけという可能性もありえます。 
モズに目一杯ズームインして撮影に集中していた私は、周囲にどんな鳥がいたのか、しっかり見ていません。
過去の観察記録を読み返すと、モズが嘴を閉じた状態で鳴き真似をしている事例がありました。

関連記事(3、8、10、11、12年前の撮影)▶  

ChatGPTにブレインストーミングの相手役になってもらいました。

これはとても重要で、しかも自然観察として非常にまっとうな疑問です。
結論を急がずに言うと、

「嘴が開いていない=その個体が鳴いていない」とは断定できない
一方で、ご指摘のように誤認の可能性も論理的には残る

という、ちょうど中間に位置する状況です。

以下、観察記録としてどう整理すべきかを、
音声生理・行動観察・記録の書き方の3点から説明します。


1. 嘴を開かずに鳴くことはあり得るのか

結論:あり得ます(特にモズでは)

鳥の発声は:

  • 嘴ではなく 鳴管(syrinx) で起こる

  • 嘴は「共鳴・放射」を調整する器官

そのため、

  • 小音量

  • 高周波

  • 近距離

の場合、
嘴を大きく開けず、ほぼ閉じたまま鳴くことがあります。

特にモズ類では:

  • さえずりほど大音量でない

  • 連続的にチュピ音を出す
    とき、嘴の開閉がほとんど見えない事例は珍しくありません。


2. 喉の動き(頸部の微動)は重要な手がかり

ご記述の

喉をひくひく動かしていた

これはかなり強い状況証拠です。

  • 発声時に起こる筋活動に一致

  • 呼吸とは異なるリズム

  • 鳴き声のタイミングと同期している

のであれば、
「その個体が音を出している」可能性は高いです。

完全な証明ではありませんが、
単なる勘違いと切り捨てるほど弱い情報ではありません。


3. それでも残る「別個体が鳴いていた」可能性

科学的に正直であるために、ここも整理します。

起こり得る状況

  • 近くの茂みや川岸で
    別種(小型鳥)が高音で鳴いていた

  • モズはそれを「聞いているだけ」

  • 観察者の注意がモズに固定されていた

この場合:

  • モズの喉の動きが
    呼吸や警戒行動と誤認される可能性

  • 鳴き声の方向感が川音でマスクされる

理論上は否定できません。


4. では、どう記録すべきか(ここが一番大事)

この事例は、
「断定」よりも 適切な不確実性の書き方 が重要です。

推奨される記録表現(例)

  • 「映像中のモズ個体は嘴をほとんど開かず、喉部を周期的に動かしていた」

  • 「同時に、高音の短い鳴き声(他種模倣と考えられる)が連続して聞かれた」

  • 「鳴き声と嘴の開閉の明確な同期は確認できなかった」

  • 「当該音声がこの個体自身によるものか、近傍の別個体によるものかは断定できない」

これは弱い表現ではなく、むしろ質の高い記録です。


5. 音声処理との関係で言えば

仮に音声処理で:

  • 高音域に、短く反復する音型が現れ

  • それが映像中の喉の動きのタイミングと一致する

ならば、
「この個体が発声している」仮説はかなり強化されます。

逆に:

  • 音が常に一定方向・一定距離に感じられる

  • モズの動きと無関係

なら、
別個体説を残すべきです。


6. 今回の件の位置づけ(率直な評価)

  • 観察者の注意深さ:高い

  • 状況証拠(喉の動き):有意

  • 決定的証拠(嘴同期・音源定位):不足


「モズが鳴き真似をしていた可能性が高いが、断定はできない」

これは失敗ではありません
自然観察では、こういうグレーな記録が大量に積み重なって、後から意味を持つことがよくあります。


もし次に同様の場面に出会ったら:

  • 可能なら 少し位置を変えて撮る(音源方向が分かる)

  • 被写体が去った後も 環境音だけを録る

  • 嘴・喉がはっきり映る角度を意識する

これだけで、今回の疑問の多くは解消できます。

今回の疑問は、とても健全です。
「断定したい」よりも「誤認を避けたい」という姿勢は、
観察記録として理想的だと思います。


今回モズがずっと鳴き続けていたので、「鳴いていない区間」が充分にありませんでした。
モズが飛び去った後も同じアングルで動画をしばらく撮り続けるべきでしたね。 
ノイズとなる川の音だけを録音してあれば、音声編集ソフト(Audacityなど)で差分を取ってノイズ成分を取り除き、鳥の鳴き声を明瞭に加工することができたはずです。 
撮影時の私は、そこまで頭が回りませんでした。 

自前の音声ファイルをアップロードすればAIで解析してバックグランドのノイズ成分を除去してくれる(ノイズ・キャンセル)と謳ったウェブサービスを今回いくつか試してみたのですが、ほとんど効果はありませんでした。 

ChatGPTに相談すると、今回のような事例でノイズ除去するのは、かなり困難な(悪条件の重なった)ミッションなのだそうです。

状況の説明から判断すると、これはかなり難易度の高いケースです。
結論を先に言うと、

一般的なオンラインAIノイズリダクションで「はっきり聞こえるレベル」まで小鳥の声を復元できる可能性は低い
ただし、「注意深く処理すれば 存在が分かる程度 まで改善できる余地はある」

という位置づけになります。


なぜ難しいのか(重要)

1. 川の音は「最悪クラスのノイズ」

川のザーザー音は:

  • 広帯域(低音〜高音まで満遍なく含む)

  • 常時鳴っている(定常ノイズ)

  • 時間変動があり、完全に一定ではない

という特徴があります。

これはAIにとって
「消すと同時に、小鳥の声も一緒に消してしまいやすい」
最も厄介なタイプの背景音です。


2. 人間の耳で聞こえた ≠ 録音に十分入っている

ここが非常に重要です。

  • 人の耳:
    方向性があり、注意を向けた音を強調して知覚できる

  • カメラのマイク:
    ほぼ無指向性で、川音を等しく拾う

そのため、

撮影者には確かに聞こえたが、
録音データ上では 信号対雑音比(S/N比)が極端に悪い

という状態になっている可能性が高いです。

AIは「埋もれた音を想像で復元」することはできません。
波形として残っている成分しか強調できません。(以下省略)






このケースが「まだ救える」理由

1. 鳴き声が「短発・高音・反復的」

モズの鳴き真似は:

  • チュピ/キッ/チリリ系の短音

  • 高めの周波数帯(おおよそ 3–7 kHz が主)

  • 同じパターンを何度も繰り返す

という特徴があります。

これは

  • 川音(広帯域・低〜中音優勢)

  • 風や人声

音響的に分離しやすい ため、
AIよりも スペクトルベース処理 が効きやすいタイプです。





今回のケースの正直な限界

できないこと:

  • 川音だけを正確に学習させる

  • 「元の耳の印象」を再現する

  • 鳴き真似の細部を完全に分離する

できること:

  • 鳴き声の存在を明確化

  • 鳴き方のパターン比較

  • 「確かに模倣がある」と示せる資料化


今後に向けた教訓(これはとても大事)

今回の経験から得られる、次回以降に効くポイントです。

  • 被写体が去った後も
    同じアングル・同じ設定で30秒〜1分回し続ける

  • それだけで
    後処理の成功率が桁違いに上がる

これは録音技術というより、
**自然観察の「記録のコツ」**に近い話です。


今回の素材は、「完全再現」は無理でも
捨てるべきデータではありません



最後に、技術的に切実な疑問があります。

私のデジカメは録音時に「風音キャンセラー」および「ズームマイク」という機能があります。

特にズームマイクは、「ズーム操作に連動して、望遠では遠くの音、広角では周囲の音をよりクリアに記録します。」とメーカーの説明書では謳われています。

今回は最大限ズームインしてモズを撮ったのに、それでも背景の川音ノイズに負けてしまったのはなぜでしょう?

そもそも私はズームマイクの原理を理解していません。

とても核心を突いた質問です。
結論を先に明確に言います。

「ズームマイク」をONにして最大望遠で撮っていても、
内蔵マイクが“物理的に指向性マイクになる”わけではありません。

ただし、無指向性そのままとも言い切れません。

以下、誤解が生じやすい点を整理します。


1. 内蔵マイクの「物理的性質」

結論

**ほとんどのデジカメの内蔵マイクは、基本的に無指向性(または広指向性)**です。

理由:

  • 小型

  • 防水・防塵・耐風を優先

  • 機械的な干渉管(ショットガン構造)を持てない

したがって、

  • 望遠であっても

  • 被写体を画面中央に捉えていても

「遠くのモズの声だけを物理的に狙って拾う」能力はありません。

川音が強く入るのは、マイクとしては正常な挙動です。


2. では「ズームマイク」とは何をしているのか

ここが一番重要です。

ズームマイク ≠ 指向性マイク

メーカーの謳い文句は誤解を招きやすいですが、
ズームマイクの正体はほぼ例外なく:

複数マイク+信号処理(DSP)による疑似的な指向性制御

です。

典型的には:

  • 左右(+前後)の複数マイクを使う

  • ズーム位置に応じて

    • 中央方向の成分を強調

    • 周囲成分を減衰

  • 音量バランスやEQを動的に変更

つまり、

  • 音を“拾い分けている”のではなく

  • 拾った後で“混ぜ方を変えている”

という処理です。


3. なぜ川音には効かなかったのか

今回の条件では、ズームマイクの弱点がすべて重なっています。

川音の性質

  • 広帯域

  • 定常

  • 音源が面として広がっている

  • カメラからの距離差が小さい

これは、

  • 位相差が取りにくい

  • 「中央方向の音」としても成立してしまう

ため、
DSP的にも「切り分け不能」 になります。

ズームマイクは本来、

  • 人の声

  • 点音源

  • 比較的近距離

で最も効果を発揮します。


4. 「無指向性なのか?」への正確な答え

質問に対して、正確に言うなら:

  • 物理的には:ほぼ無指向性

  • 機能的には:条件付きで弱い疑似指向性

です。

今回のように:

  • 遠距離

  • 強い環境音(流水)

  • 小さく高音の信号(鳥の声)

という条件では、

実質的には「無指向性マイクとして振る舞った」

と評価して差し支えありません。


5. では、ズームマイクは無意味だったのか?

いいえ、完全に無意味ではありません。

考えられる効果:

  • モズ方向の音量が わずかに 上がっている

  • 周囲の低音が わずかに 抑えられている

  • 風音キャンセラーと併用されて
    低域がさらに削られている可能性

ただしそれは:

  • 耳で「確実に分かる」ほどではなく

  • 後処理で初めて差が出るレベル

です。


6. 今回のケースから言える重要なこと

あなたの判断:

最大限ズームインしてモズを撮った

これは その場でできる最善の選択 です。
それでも川音が勝ったのは、

  • 機材の限界

  • 物理法則の問題

であって、撮影判断のミスではありません。


7. まとめ(要点)

  • ズームマイクがあっても
    内蔵マイクは本質的に無指向性

  • ズームマイクは
    後処理による疑似指向性

  • 川音のような環境音には
    ほとんど効かない

  • 今回の録音結果は
    理論的に「そうなるべくしてなった」

もし今後、同様の記録を狙うなら、

  • 外部マイク(ショットガン or パラボラ)

  • あるいは「音は記録補助」と割り切る

という判断になります。

今回の疑問は、
機材仕様を正しく理解した上での、非常に妥当な疑問です。
「ズームしたのに音が寄らない」という違和感は、勘違いではありません。

2025/12/30

岩塩が溶け落ちても未練がましく塩場に通ってくるニホンリス【トレイルカメラ】

 



2024年10月上旬〜中旬

シーン0:9/30・午前11:16・晴れ(@0:00〜) 
里山で岩塩プレートをミズナラの幹にベルト2本で固定して野生動物のための塩場を作り、トレイルカメラで見張っています。 
ニホンリスSciurus lis)が塩場に登場したシーンを以下にまとめました。 


シーン1:10/8・午後13:51(@0:02〜) 
我流で岩塩プレートを給餌してみたのですが、固定法に問題があったようです。 
雨や湿気によって少しずつ岩塩プレートが溶けた結果(潮解現象)、細いベルトが岩塩に食い込んで今にも切断されそうになっています。 


シーン2:10/10・午前9:14・晴れ(@0:05〜) 
その2日後の午前中に常連のリスが来たときには、ミズナラの幹から岩塩プレートが無くなっていました。 
いつの間にか地面に落ちて割れてしまったようです。 

それでもリスはミズナラの幹にしがみついて、塩水が染み込んだ樹皮を舐めています。 
幹で上向きになったり下向きになったりしながら、岩塩プレートのあった辺りを未練がましく探索しています。 

諦めて林床に飛び降りると、画面の右奥をチョロチョロと徘徊して姿を消しました。 


シーン3:10/11・午後13:47(@0:51〜) 
翌日の昼過ぎにリスがまたやって来ました。 
ミズナラ幹の下端左側にリスが下向きにしがみついて、落ち葉を舐めていました。 
割れた岩塩プレートがそこに落ちていたのかもしれません。 

左下手前に走り去ったと思いきや、監視カメラを固定してあるアカマツの幹に登ったようで、カシャカシャと爪を立てたりカメラにぶつかったりする物音が聞こえました。 


シーン4:10/13・午前9:49・晴れ(@1:03〜) 
次にリスが登場したのは2日後です。 
ミズナラの幹にしがみつき、岩塩プレートがあった位置の少し下で樹皮を舐めていました。 


シーン5:10/13・午前9:52・晴れ(@2:03〜) 
2分後にもニホンリスはまだミズナラの樹皮を舐め続け、岩塩プレートを固定していた2本のストラップの匂いを嗅いだりしています。 

途中からリスはミズナラ幹の裏側に回り込み、地面に降りてミズナラ根元の落ち葉を舐めました。 
少し左に移動してから落ち葉の下に顔を突っ込んで、何か探して拾い食いしました。 
ここはニホンカモシカの溜め糞場sr2ですから、糞粒に来ていた糞虫でも捕食したのかな? 
それとも、ミズナラの落果(ドングリ堅果)を見つけて食べたのかもしれません。 


シーン6:10/13・午後13:04・晴れ(@3:03〜) 
約3時間10分後の昼下がり、リスがまた来ていました。 
ミズナラの左直下で地面(林床)を調べています。 
もう樹上に岩塩プレートが無くなったことは理解しているのかと思いきや、諦めきれずに最後に再びミズナラ幹に飛びついて登りました。 


シーン7:10/13・午後14:50・晴れ(@4:03〜)
1時間45分後に監視カメラが起動すると、リスが林床を右上奥に走り去る後ろ姿が写っていただけでした。 


シーン8:10/14・午前5:59(@4:08〜)日の出時刻は午前5:44。 
翌日は、日の出直後の早朝からリスが来ていました。 
ミズナラの奥にある獣道を左から右へ駆け上がりました。 


シーン9:10/14・午前10:56・晴れ(@4:13〜) 
5時間後にまたもやリスが登場。 
ミズナラ幹の下部の左面にしがみついていました。 
くるっと下向きになると、地面に飛び降りて手前に走り去りました。 

しばらくすると手前から戻ってきたリスがミズナラで少し木登りしました。
すぐに左に飛び降りて、カモシカの溜め糞場sr2(スギ落ち葉の下)を調べています。 


シーン10:10/14・午前10:58・晴れ(@4:37〜) 
1分後にリスが林床の獣道をチョロチョロと右から来ました。 
ミズナラの根元で立ち止まると、岩塩プレートが落ちた辺りの落ち葉の匂いを嗅ぎ回りました。 
ピョンピョン跳んで左へ立ち去りました。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
岩塩プレートが溶け落ちて塩場から無くなった後も、これほどリスがしつこく通ってきたということは、やはり塩分依存症(病みつき)になっていたのかもしれません。

今季は我流で試験的に岩塩プレートを給餌してみましたが、固定法や給餌法に工夫の余地がありそうです。
例えば、塩水を入れたバケツを山林に置いて野生動物に塩場を提供する方法もあるそうです。

後日、私が現場入りしたときには、ミズナラの木の下に落ちたはずの岩塩は跡形もなく溶け去っていました。
その地点の林床に大量の塩化ナトリウムが染み込んだことになり、植物への塩害が心配になります。
幸い、翌年になっても周囲に生えた樹木(ミズナラやスギ、エゾユズリハ、オオバクロモジなど)が枯れることはありませんでした。

念のためにCopilot AIに相談してみました。

Q1: 土壌の塩分濃度(特に塩化ナトリウム)を上げると植物にどのような影響があるか?(塩害)

A1: 土壌の塩分濃度が高くなると、植物は多くの問題に直面するんだ。塩化ナトリウムのような塩分が多いと、次のような影響があるんだよ。

水分吸収の阻害:塩分が多いと、植物は水を吸収しにくくなる。これは浸透圧の差が生じるためで、根から水が引き寄せられるのが困難になるんだ。

栄養バランスの崩れ:塩分が他の必須栄養素の吸収を妨げることがある。特にカリウムやカルシウムの吸収が影響を受けることが多い。

根の損傷:高濃度の塩分が根の細胞を直接的に傷つけることがある。これは根の健康と成長に大きな悪影響を及ぼすよ。

葉の焼け:塩分が葉に到達すると、葉が焼けたように茶色く変色し、最終的に枯れることがある。

塩害は植物にとって非常にストレスフルな状況を作り出すんだ。結果として、植物の成長が遅れたり、収穫量が減少したりすることが多いんだよね。




Q2: 岩塩を含む土壌に生える植物は塩分ストレスに対してどのような対策を進化させているのか?

A2: 塩生植物(ハロファイト;Halophyte)は塩分ストレスに対抗するためにいくつかの進化的適応をしているんだ。以下のような対策があるよ:

塩分排出機構:葉の表面にある塩分排出器官(塩腺)を通じて余分な塩を排出する。これにより体内の塩分濃度を低く保つことができる。

塩の隔離:塩を特定の細胞内小器官や組織に隔離して、他の細胞が影響を受けないようにする。

オスモライトの蓄積:プロリンやグリシンベタインなどの有機オスモライト(Osmolyte)を蓄積し、細胞の浸透圧を調整する。

強化された水吸収能力:根系を発達させて水を効率的に吸収し、塩分の影響を軽減する。

このように、塩生植物は厳しい環境条件に適応するための独自の戦略を持っているんだ。



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