2025/12/30

岩塩が溶け落ちても未練がましく塩場に通ってくるニホンリス【トレイルカメラ】

 



2024年10月上旬〜中旬

シーン0:9/30・午前11:16・晴れ(@0:00〜) 
里山で岩塩プレートをミズナラの幹にベルト2本で固定して野生動物のための塩場を作り、トレイルカメラで見張っています。 
ニホンリスSciurus lis)が塩場に登場したシーンを以下にまとめました。 


シーン1:10/8・午後13:51(@0:02〜) 
我流で岩塩プレートを給餌してみたのですが、固定法に問題があったようです。 
雨や湿気によって少しずつ岩塩プレートが溶けた結果(潮解現象)、細いベルトが岩塩に食い込んで今にも切断されそうになっています。 


シーン2:10/10・午前9:14・晴れ(@0:05〜) 
その2日後の午前中に常連のリスが来たときには、ミズナラの幹から岩塩プレートが無くなっていました。 
いつの間にか地面に落ちて割れてしまったようです。 

それでもリスはミズナラの幹にしがみついて、塩水が染み込んだ樹皮を舐めています。 
幹で上向きになったり下向きになったりしながら、岩塩プレートのあった辺りを未練がましく探索しています。 

諦めて林床に飛び降りると、画面の右奥をチョロチョロと徘徊して姿を消しました。 


シーン3:10/11・午後13:47(@0:51〜) 
翌日の昼過ぎにリスがまたやって来ました。 
ミズナラ幹の下端左側にリスが下向きにしがみついて、落ち葉を舐めていました。 
割れた岩塩プレートがそこに落ちていたのかもしれません。 

左下手前に走り去ったと思いきや、監視カメラを固定してあるアカマツの幹に登ったようで、カシャカシャと爪を立てたりカメラにぶつかったりする物音が聞こえました。 


シーン4:10/13・午前9:49・晴れ(@1:03〜) 
次にリスが登場したのは2日後です。 
ミズナラの幹にしがみつき、岩塩プレートがあった位置の少し下で樹皮を舐めていました。 


シーン5:10/13・午前9:52・晴れ(@2:03〜) 
2分後にもニホンリスはまだミズナラの樹皮を舐め続け、岩塩プレートを固定していた2本のストラップの匂いを嗅いだりしています。 

途中からリスはミズナラ幹の裏側に回り込み、地面に降りてミズナラ根元の落ち葉を舐めました。 
少し左に移動してから落ち葉の下に顔を突っ込んで、何か探して拾い食いしました。 
ここはニホンカモシカの溜め糞場sr2ですから、糞粒に来ていた糞虫でも捕食したのかな? 
それとも、ミズナラの落果(ドングリ堅果)を見つけて食べたのかもしれません。 


シーン6:10/13・午後13:04・晴れ(@3:03〜) 
約3時間10分後の昼下がり、リスがまた来ていました。 
ミズナラの左直下で地面(林床)を調べています。 
もう樹上に岩塩プレートが無くなったことは理解しているのかと思いきや、諦めきれずに最後に再びミズナラ幹に飛びついて登りました。 


シーン7:10/13・午後14:50・晴れ(@4:03〜)
1時間45分後に監視カメラが起動すると、リスが林床を右上奥に走り去る後ろ姿が写っていただけでした。 


シーン8:10/14・午前5:59(@4:08〜)日の出時刻は午前5:44。 
翌日は、日の出直後の早朝からリスが来ていました。 
ミズナラの奥にある獣道を左から右へ駆け上がりました。 


シーン9:10/14・午前10:56・晴れ(@4:13〜) 
5時間後にまたもやリスが登場。 
ミズナラ幹の下部の左面にしがみついていました。 
くるっと下向きになると、地面に飛び降りて手前に走り去りました。 

しばらくすると手前から戻ってきたリスがミズナラで少し木登りしました。
すぐに左に飛び降りて、カモシカの溜め糞場sr2(スギ落ち葉の下)を調べています。 


シーン10:10/14・午前10:58・晴れ(@4:37〜) 
1分後にリスが林床の獣道をチョロチョロと右から来ました。 
ミズナラの根元で立ち止まると、岩塩プレートが落ちた辺りの落ち葉の匂いを嗅ぎ回りました。 
ピョンピョン跳んで左へ立ち去りました。 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
岩塩プレートが溶け落ちて塩場から無くなった後も、これほどリスがしつこく通ってきたということは、やはり塩分依存症(病みつき)になっていたのかもしれません。

今季は我流で試験的に岩塩プレートを給餌してみましたが、固定法や給餌法に工夫の余地がありそうです。
例えば、塩水を入れたバケツを山林に置いて野生動物に塩場を提供する方法もあるそうです。

後日、私が現場入りしたときには、ミズナラの木の下に落ちたはずの岩塩は跡形もなく溶け去っていました。
その地点の林床に大量の塩化ナトリウムが染み込んだことになり、植物への塩害が心配になります。
幸い、翌年になっても周囲に生えた樹木(ミズナラやスギ、エゾユズリハ、オオバクロモジなど)が枯れることはありませんでした。

念のためにCopilot AIに相談してみました。

Q1: 土壌の塩分濃度(特に塩化ナトリウム)を上げると植物にどのような影響があるか?(塩害)

A1: 土壌の塩分濃度が高くなると、植物は多くの問題に直面するんだ。塩化ナトリウムのような塩分が多いと、次のような影響があるんだよ。

水分吸収の阻害:塩分が多いと、植物は水を吸収しにくくなる。これは浸透圧の差が生じるためで、根から水が引き寄せられるのが困難になるんだ。

栄養バランスの崩れ:塩分が他の必須栄養素の吸収を妨げることがある。特にカリウムやカルシウムの吸収が影響を受けることが多い。

根の損傷:高濃度の塩分が根の細胞を直接的に傷つけることがある。これは根の健康と成長に大きな悪影響を及ぼすよ。

葉の焼け:塩分が葉に到達すると、葉が焼けたように茶色く変色し、最終的に枯れることがある。

塩害は植物にとって非常にストレスフルな状況を作り出すんだ。結果として、植物の成長が遅れたり、収穫量が減少したりすることが多いんだよね。




Q2: 岩塩を含む土壌に生える植物は塩分ストレスに対してどのような対策を進化させているのか?

A2: 塩生植物(ハロファイト;Halophyte)は塩分ストレスに対抗するためにいくつかの進化的適応をしているんだ。以下のような対策があるよ:

塩分排出機構:葉の表面にある塩分排出器官(塩腺)を通じて余分な塩を排出する。これにより体内の塩分濃度を低く保つことができる。

塩の隔離:塩を特定の細胞内小器官や組織に隔離して、他の細胞が影響を受けないようにする。

オスモライトの蓄積:プロリンやグリシンベタインなどの有機オスモライト(Osmolyte)を蓄積し、細胞の浸透圧を調整する。

強化された水吸収能力:根系を発達させて水を効率的に吸収し、塩分の影響を軽減する。

このように、塩生植物は厳しい環境条件に適応するための独自の戦略を持っているんだ。



つづく→

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