2024年10月中旬・午後16:35頃・晴れ・気温18℃
獣道を右から元気に走ってきたタヌキが途中で立ち止まり、獣道の匂いを嗅ぎながら慎重にアナグマの巣口Lに近づきます。
このときは珍しく空き巣(留守)ではありませんでした。
巣穴の主であるアナグマが巣穴Lから顔を出し、2種が至近距離で対面しました。
互いに吠えたり鳴いたりしないで黙って睨み合いをしてから、タヌキがすごすごと獣道を右へ引き返しました。
その後ろ姿をアナグマが見送ります。
逃げるタヌキをアナグマが更に追いかけることはありませんでした。
【考察】
登場したアナグマとタヌキはおそらく普段から互いに顔見知りの「ご近所さん」なのでしょう。
敵対的・暴力的な本気の縄張り争いではなく、なんとも平和でのんびりしたニアミス行動(異種間の個体交渉)でした。
アナグマは威嚇の唸り声一つ立てずに、巣口で睨んだだけで、タヌキはセットから退散しました。
無駄な喧嘩は避けているのでしょう。
「同じ穴の狢 」と言われる2種間の微妙な友好関係?を伺わせる、結構重要なシーンが撮れました。
動画の冒頭で、タヌキがセットに到着する前から、アナグマの巣口Lから多数の小さな虫(おそらく穴居性カマドウマの幼虫)がピョンピョンと飛び出してきていることに注目しました。
夜行性のカマドウマが巣穴から外へ自発的に出てくるにはまだ時刻が早い気がします。
そもそも今回トレイルカメラを起動させたのが誰なのか推理すると、次のような展開だったのではないかと想像しました。
- タヌキとアナグマが夕方の林内で採食行動中に出会った。
- 臆病なアナグマが警戒して逃げ出し、タヌキが追いかけた。
- アナグマが慌てて自分の巣穴Lに飛び込んで避難、籠城。
- その動きにトレイルカメラのセンサーが反応し、録画開始。画面の手前(下)からアナグマが素早く入巣Lしたのなら、その瞬間をトレイルカメラが撮り損ねたのも頷けます。
- 巣穴Lに居候していたカマドウマ幼虫の群れが、アナグマの入巣に驚いて、入れ替わるようにワラワラと巣口Lから外に出てきた。
- 遊び半分で(調子に乗って)タヌキがアナグマの営巣地まで追いかけてきたものの、いざ巣口Lで主のアナグマと対面すると、心理的に形勢逆転。
- すごすごと退散するタヌキの後ろ姿を、アナグマが見送った。
これがもし逆の立場だったら、つまりタヌキの営巣地にアナグマが侵入したときに2頭がニアミスしていたら、タヌキの方が強気でアナグマを追い払ったと思われます。(ホーム&アウェイの心理)
つづく→
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