2025/12/22

アリの好き嫌い:ヒミズの死骸を避けコオロギの死骸に群がるアリの謎

 

2024年9月上旬・午前10:50頃および午後15:20頃・晴れ 

平地の田んぼと線路に挟まれた農道(砂利道)でヒミズ(Urotrichus talpoides)の新鮮な死骸を発見。 
仰向けにひっくり返って死んでいました。 
アズマモグラなら、穴掘り用の前脚がもっと筋骨隆々としているはずです。 
口から白い歯が覗いて見えます。 
腹面を見ても、外性器がどこにあるのか分からず、性別不明です。 
素人目には目立った外傷はなく、死因は不明です。 
痩せているようには見えませんが、ミミズが取れずに餓死したのでしょうか? 
水田に散布した農薬が生物濃縮されて中毒死した可能性なども疑ってしまいます。 

死後間もないようで、腐臭などはしませんでした。 
まだハエも来ていません。 
裏表の写真だけ撮って通り過ぎました。

 

4時間半後に現場へ戻ってくると、ヒミズの死骸はそのまま放置されていました。 
カラスやトビなどのスカベンジャーが死骸を持ち去らないのが不思議です。 

その代わり、微小なクロアリ(種名不詳)が集まっていました。 
砂利道を往来する自転車に踏まれたのか、それとも死骸の腐敗が進んだのか、死んだヒミズの肛門から体液が滲み出しています。 
それを目当てにアリが誘引されたのかと思いきや、よく見るとエンマコオロギ♀(Teleogryllus emma)の死骸に群がっていることが分かりました。 
コオロギの腹端に先割れした産卵管があるので、♀と分かります。 
ヒミズの死骸にアリは決して登ろうとしないのが、興味深く思いました。






【考察】 
午前中に見たときにはコオロギの死骸はありませんでした(気づかなかった)。 
ヒミズの死骸に誘引されたエンマコオロギ♀が、アリの群れに襲われたのでしょうか? 
いつものように、Perplexity AIに相談してみましょう。 

Q: コオロギが小動物(ネズミやモグラなど)の死骸を食べに来ることはあるか?

一般的な行動としては、コオロギがネズミやモグラなどの死骸を積極的に食べに来ることは稀と考えた方が妥当です。

コオロギの基本的な食性

多くのコオロギ類は雑食~腐食性ですが、主体は以下のような餌です。

  • 枯葉・朽木・落ちた草本などの植物質

  • 他の昆虫の死骸や、脱皮殻、糞など動物性だが「小片」の有機物

この「動物質」には、すでに砕けている虫の死骸などは含まれますが、ネズミやモグラのような「毛の生えた脊椎動物の死骸を積極的に齧る」行動は、少なくとも典型例ではありません。

小型脊椎動物の死骸とコオロギ

とはいえ、条件によっては次のようなことはあり得ます。

  • 死骸の表面にうっすら付いた体液・軟部組織を舐める・ついばむ程度の利用

  • すでにアリやハエが分解を進め、筋肉が露出し柔らかくなっている部分をつまむ

ただし、こうした行動は「死骸にコオロギが群がる」というレベルには通常ならず、アリ・ハエ・ダニなど専業スカベンジャーの周辺に便乗的に現れる程度と思っておくのが安全です。

ヒミズやモグラの場合に特に起こりにくい理由

質問の文脈に沿うと、ヒミズやモグラなど食虫性哺乳類の死骸は、

  • 強い体臭・分泌物のために、哺乳類・鳥類のスカベンジャーですら敬遠されやすい

  • 昆虫側にも嗜好性が低い可能性が高く、昆虫スカベンジャーの「人気死骸」ではない

そのため、「コオロギがわざわざ食べに来る」状況は、ネズミや鳥の死骸に比べてもさらに起こりにくいと考えられます。

実務的なまとめ

  • コオロギは雑食で、小さな動物片(昆虫の死骸など)は普通に食べる。

  • しかし、ネズミ・モグラのような小型哺乳類の死骸に群がるほど積極的なスカベンジャーではない。

  • 特にヒミズ・モグラの死骸については、嗅覚的な要因から「コオロギが好んで利用する餌」とは考えにくい。

したがって、「理論的にはごく一部を齧ることはあり得るが、現場で観察されるような行動としてはかなり例外的」というイメージが近いと思われます。


アリがヒミズの死骸を明らかに避けてコオロギの死骸に群がっていたことについて、Perplexity AIの見解は、

ヒミズ(ミズラモグラ)の死骸にスカベンジャーが付きにくいという印象は、必ずしも気のせいとは言い切れませんが、「忌避物質がある」とまでは現時点では証明されていません。hp-ez​

ヒミズに既知の「毒」「忌避物質」はあるか

ヒミズ(Urotrichus talpoides)はモグラ科で、日本の土壌性小型哺乳類としてよく研究されていますが、生体・死体の皮膚分泌物に関して「捕食者やスカベンジャーを明確に忌避させる毒物質」を示した報告は見当たりません。wildlife+1​
一方で、モグラ類は肉食性・高代謝で体臭が強く、体表や肛門周辺分泌物の匂いがきついことが指摘されており、これが少なくとも鳥類などの一部捕食者には不人気な餌になっている可能性があります(ただし定量的な哺乳類・鳥類の選好実験はほぼありません)。hp-ez​

なぜスカベンジャーが付きにくく見えるか

ヒミズの死骸は多くが地表近くの土中トンネルや草かぶりの場所で見つかり、開けた場所の死骸に比べて「ハエなどが群がる典型的な死体」の見た目になりにくいと考えられます。hp-ez​
また、細長く小型(体重十数グラム規模)の死骸は、アリ・ハエ幼虫・ダニなどの小型スカベンジャーが内部から分解してしまい、外見上「虫が群がっている」状態にならずに短時間で崩れていくこともあり得ます(小型脊椎動物の死骸分解では一般的なパターン)。vliz​

カラスなど鳥が食べない理由の可能性

カラス類は雑食ですが、餌としての「経験と学習」による選び方が強く、普段ほとんど遭遇しないタイプの獣の死骸は匂いや質感で回避されやすいことが知られています。jstage.jst​
モグラ類は主に地下で生活し、カラスが日常的に捕食・スカベンジング対象としている哺乳類(ネズミ類、ロードキルのタヌキ・キツネなど)と比べて遭遇頻度が低いため、「見慣れない臭くて細い獣」というカテゴリとして学習的に避けられていても不思議はありません。hp-ez​

「化学防御動物」との比較から言えること

両生類や昆虫、ダンゴムシなどでは、皮膚・体表分泌物に明確な防御成分をもち、捕食者が実験的に強く忌避する例が多数知られています(カメムシ臭成分や有毒カエルの皮膚毒、ダンゴムシのキノリン誘導体など)。pmc.ncbi.nlm.nih+1​
しかし、モグラ科やヒミズについてはそういった「化学防御物質」を同定した研究はほとんどなく、現時点では「明確な毒・忌避物質があるから誰も食べない」とまでは言えない段階です。wildlife+1​

まとめとしての解釈

  • ヒミズに両生類や一部昆虫のような明確な毒分泌物が存在するという証拠はない。少なくとも日本語・英語の公開文献では報告されていない。wildlife+1​

  • ただし、モグラ類特有の強い体臭や脂肪酸・分泌物が、鳥や哺乳類の一部には嗜好性の低い餌として働いている可能性はあり、ユーザーの「誰も食べない」という印象と矛盾はしない。これは、学習と嗜好の組み合わせで説明できる範囲にある。jstage.jst+1​

  • 小型で地下性の哺乳類の死骸は、目立つ「ハエ塊」にはなりにくく、アリや微小スカベンジャーに内部から処理されることで、外見上「虫が集まっていない」ように見えるケースも多いと考えられる。vliz​

したがって、「完全な気のせい」と切り捨てるよりは、「ヒミズ特有の匂い・生活場所・サイズの組み合わせが、スカベンジャーの見え方と選好を変えているが、毒・忌避物質として化学的に証明されたものはまだない」というのが現状の知見に近いと言えると思われます。wildlife+1


Q: ヒミズに特有の匂いとやらを私はまだ感じた記憶がありません。 


A: ヒミズやモグラの死骸が人間の嗅覚で無臭に感じられるのは一般的で、激しく腐乱する前の段階では強い腐敗臭が発生しにくい特性があります。omnh+1​

モグラ類の体臭と人間の感覚差

モグラ科動物(ヒミズを含む)は皮膚腺や肛門腺から分泌される物質により独特の臭いを持ち、これが生体では捕食者(キツネなど)に敬遠される要因とされていますが、人間には微弱または無臭として検知されにくい場合が多いです。hiroshima-bot+1​
この臭いは主に脂肪酸やタンパク質由来の揮発性化合物で、動物の嗅覚では強い忌避効果を発揮する一方、人間の鼻では土臭や無臭に近いニュアンスとして感じられることが観察されています。hp-ez+1​

スカベンジャーへの影響

死骸段階でもこの分泌物が残存し、キツネやカラスなどのスカベンジャーが食べずに放置するパターンが報告されており、ネズミ類の死骸が速やかに消費されるのに対し、モグラ・ヒミズ死骸は残存しやすいです。naturelog.main+2​
小型で地下由来の死骸は腐敗初期にハエなどが付きにくく、内部から微小分解が進むため、外見上無臭・無虫に見えやすい構造的要因も加わります。omnh​

ユーザーの野外観察経験(山形近辺のトレイルカメラ使用)と一致する形で、モグラ類の死骸は人間目線で「無臭・スカベンジャー不人気」として残りやすいですが、これは化学防御的な分泌物の影響が主で、気のせいではありません。omnh​

​


ヒミズが分泌する忌避物質の正体を化学的に同定できれば、アリ避けの忌避剤として応用できるかもしれません。 

(ヒミズは)体に独特のニオイがあるからか、捕食者にハンティングされても食べられないで放置されることが多いようだ。(p97より引用)
と書いてあります。

自分でも忘れかけていたのですが、当ブログを検索すると「ヒミズの死骸に集まるアリ」の事例を過去に何度も観察していました。

関連記事(4、6年前の撮影)▶ 

ヨツボシモンシデムシなど他の腐肉食性昆虫も、死んだヒミズに来ていました。

関連記事(6、16年前の撮影)▶ 

したがって、ヒミズの死骸はスカベンジャーに人気がないとは言い切れません。
ヒミズの体毛に虫除け物質が塗布してある(分泌している)のでは?という私の妄想も先走り過ぎということになります。

今回のアリがヒミズの死骸を避けてコオロギの死骸に群がっていたことが不思議でした。
2種類の死骸が並んでいるのを見つけたアリが選択を迫られたら、解体して巣に持ち帰りやすいコオロギの死骸を優先するのは当然かもしれません。
あるいは、もしかすると、アリの種類によって餌の嗜好性に違いがあるのかもしれません。
今回私は問題の微小アリをマクロレンズで接写し忘れたので、種類を同定できませんでした。
体色は黒というよりも、少し赤っぽいですね。
こんな映像でもアリの種類を見分けられる人がいらっしゃいましたら、教えて下さい。


今回はヒミズの死骸を拾って持ち帰り、解剖したり骨格標本を作ったりする余力はありませんでした。
タヌキなどが通る獣道にヒミズの死骸を置き直してトレイルカメラで見張り、タヌキが食べるかどうか給餌実験してみるのも面白そうです。 


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2025/12/21

秋雨の降る明け方にアナグマの空き巣で虫を捕食しに来た3頭のホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年10月上旬・午前5:10頃・気温14℃・日の出時刻は午前5:38 

ニホンアナグマ(Meles anakuma)の営巣地(セット)がある平地の二次林を2台の自動撮影カメラで見張っていると、雨が降る夜明け前に3頭のホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)がやって来ました。 
最近アナグマの家族はここで暮らしておらず、空き巣になっています。 

タヌキがアナグマの巣口Lに顔を突っ込んで匂いを嗅いでいます。 
カマドウマの幼虫と思われる穴居性の小さな虫が巣口L付近をうろついているのに、タヌキは暗闇ではなかなか気づけません。 
ようやく口を開けて虫の捕食を試みたものの、逃げられました。 

その後にクゥーン♪と数回鳴いたのは、欲求不満(フラストレーション)の現れなのかな? 

その間、別個体のタヌキが別の巣口Rに上半身だけ潜り込んで内見したものの、すぐに後退して外に出てきました。 
雨天でも巣穴Rから外に出てきたカマドウマの幼虫が林床を徘徊しています。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 
※ 雨音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


栃の実を拾い集める(トチノキ落果から種子を採る)

 

2024年9月下旬・午後15:50頃・晴れ 

秋は実りの季節です。 
公園に植栽されたトチノキ大木の下に落果が散乱していました。 
素人目に栃の実はクリ(栗)と似ているので、てっきり堅果なのかと勘違いしていたのですが、植物学的に正しくは蒴果なのだそうです。 
ぶ厚い果皮には予め3本の切れ目が入っていて、手でかんたんに割って中の種子を取り出すことができます。 
落下の衝撃で蒴果が自然に割れて種子が飛び出すこともよくあります。 
それぞれの蒴果には、大きな種子が1個含まれています。 


蒴果が熟してもトチノキの葉はまだ青々としていましたが、一部の枝では黄葉が始まっていました。


トチノキの種子は貯食型の動物散布で分布を広げると考えられています。 
トチノキの種子散布者についてCopilot AIに相談すると、以下の回答が得られました。
栃の実(トチノキの種子)を食べる日本の野生動物や野鳥には、以下のようなものがあります: 野生動物 ツキノワグマ:栃の実を好んで食べることで知られています1。 リス:種子を貯蔵する習性があり、栃の実もその対象となります1。 ネズミ:リスと同様に、栃の実を貯蔵して食べます1。 シカ:稀にですが、栃の実やその若い芽を食べることがあります1。 野鳥 カケス:栃の実を食べることが知られています1。 これらの動物や鳥たちは、栃の実を重要な食料源として利用しています。興味深いですね!他にも知りたいことがあれば教えてください。 はい、ニホンリス(日本リス)は栃の実を食べます。リスは一般的に木の実や種子を好んで食べる習性があり、栃の実もその一つです。彼らは栃の実を貯蔵し、冬の間に食料として利用します。

地面に落ちていたトチノキ種子の中には、食べかけのものがありました。 
おそらく鳥に嘴で突かれた食痕だと思います。 
現場は街なかの公園なので、カケスを見かけたことはありません。
おそらくカラスがつついて食べたのでしょう。







短時間で栃の実を袋いっぱいに採取できました。 
後で数えたら181個もありました。 
これから種子散布の実験に使うには充分な量です。 



栃の実をあまり欲張って採り尽くしてしまうと、現場付近に生息する野生動物が越冬するための食料がなくなってしまいますから、山菜採りと同じく適度に残しながら採集しました。 

余談ですが、トチノキ大木の下に立って見上げるように葉裏を撮ったスナップ写真に、謎の昆虫が多数写っていました。
現場ではまったく気づかず、写真を拡大しても虫の正体が分かりません。
トチノキの葉裏に好んで群がる昆虫がいるのでしょうか?
セミの幼虫がトチノキの葉裏で羽化したのかと思ったのですが、たぶん違いますね。


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