2022/10/23

捕まえると鳴いて♪威嚇するセンノキカミキリ

 

2022年7月中旬・午後14:20頃・晴れ 

里山の急斜面に落葉広葉樹の大木が倒れていました。 
この木だけが倒れていたので、土砂崩れではなく、冬に積もった大雪の重みに耐え切れず倒れたようです。 
※ 長年センノキカミキリの幼虫に材を食い荒らされたせいで、幹が脆くなっていたことも影響してそうです。

その倒木に私が何気なく近づくと、何か昆虫がボトッと地面に落ちました。 
地面を早足で逃げ回る甲虫の正体は、センノキカミキリAcalolepta luxuriosa luxuriosa)でした。 
触角が長いので、なんとなく♂かと思うのですが、どうでしょうか? 

倒木に枝葉は付いてなかったので、初めは樹種が分かりませんでした。
センノキカミキリの食樹リスト(ウコギ科)の中で、樹皮の様子と大木に育つことから、ハリギリ(別名センノキ)の倒木だと樹種が判明しました。 
このハリギリ巨木が倒れる前に心材部を食べて育ったセンノキカミキリ幼虫が成虫に育ち、羽脱したばかりなのかな?と想像したものの、定かではありません。 

倒木に戻して発見シーンのやらせ動画を撮ろうとしても、すぐに擬死落下したり飛んだりして逃げてしまいます。 
冒頭の飛び立つシーンは1/5倍速のスローモーションでまずご覧ください。 
直後に等倍速でリプレイ。 

手掴みで捕獲すると、胸の関節を曲げてキューキュー♪と鳴いて怒りました。 
胸を摘むと鋭い大顎で噛まれそうですし、発音も阻害しそうなので、今回は後脚を摘んで保定。 
飛んだ直後に畳んだ後翅の先端が腹端からはみ出しています。 

鈴木知之『新カミキリムシハンドブック』でセンノキカミキリについて調べると、
ホスト:ウコギ科植物の生木。平地から山地に生息し、人里周辺で普通に見られる。成虫は7〜10月に出現し、ハリギリやタラノキなどウコギ科植物の新梢や葉柄の樹皮を後食する。♀は樹皮を噛み切り、その内部に産卵する。(p84より引用)
今まで私は「センノカミキリ」と間違って覚えていたので、昔の記事も訂正しておきます。 
センノキとはハリギリの別名です。
関連記事(6年前の撮影)▶  
センノキカミキリ♂の擬死落下 
捕獲すると液体を吐き戻すセンノキカミキリ♀ 
センノキカミキリ♀を見つけた!(身繕い、徘徊、飛び立ち)

センノキカミキリの鳴き声を声紋解析してみる? 
周囲でウグイス♂や直翅目の昆虫(キリギリス類?)が鳴いており、ノイズが汚いので諦めました。

 ※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 



2022/10/22

右目を失明したニホンイノシシが夜霧の水場に登場【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2022年7月下旬・午後20:32 

山中の泉をトレイルカメラで監視していると、濃霧が立ち込める晩に謎の獣が対岸の林道に現れました。 
赤外線の暗視映像で、爛々と光る目が1個だけ左に動いています。 
カメラ目線になっても(正面を向いても)左目しか光っていません。
右目の光が失われている(失明)ようです。 
謎の獣が水辺に近づくと、うっすらとニホンイノシシSus scrofa leucomystax)の姿が見えました。 
警戒心が強く、池畔に立ち止まって周囲の匂いを頻りに嗅いでいます。 
最後は林道を左に立ち去りました。
関連記事(1年前の撮影)▶  
雨の夜に水場の横を通り過ぎるニホンイノシシ【トレイルカメラ:暗視映像】 
水場の畔を深夜徘徊するニホンイノシシ【暗視映像:トレイルカメラ】

この水場に設置したトレイルカメラにイノシシは過去2回写っていますが、右目を失明した隻眼のイノシシは初登場です。 
最近になってイノシシ同士の激しい喧嘩で牙に突かれて負傷したのでしょうか? 
個体識別する上で、これほど分かりやすい特徴はありません。 
隻眼の野生動物はかなりのハンディキャップだと思いますけど、なんとか生き延びて元気な姿をまた見せて欲しいものです。(同じ水場に再登場した動画を公開)
関連記事 ▶ 右目が失明したハクビシン【トレイルカメラ:暗視映像】

この池に通りかかるイノシシは、水を飲んだり浴びたりしたことが一度もありません。 
イノシシは泥浴び(ヌタ打ち)が大好きなはずなのに、ここで披露してくれないのは不思議です。
カメラの存在に気づいて警戒しているのかな? 

※ 動画編集で加工したりせず、オリジナルの動画ファイルをそのままYouTubeにアップロードしたのに、濃霧を表現できず画質が不自然なモザイク状にかなり劣化しているのは残念です。 

ホンドタヌキの溜め糞から吸汁するイチモンジチョウ

 

2022年7月下旬・午後14:30頃・晴れ 

スギ林道の溜め糞場sを監視しているトレイルカメラの電池を交換するために現地入りすると、林床に1頭のイチモンジチョウLimenitis camilla japonica)が居ました。 
私が知らずにズカズカと近づくと警戒して少し飛び去ったものの、しばらくじっと待つと舞い戻って来ました。 
スギの落葉や落枝が敷き詰められた林道の地面が日溜まりになっています。 
イチモンジチョウは口吻を伸ばして地面を味見しながら歩き回り、お気に入りの場所を探り当てたようです。 

翅を緩やかに開閉しながら口吻を伸ばして林床の地面を舐めています。 
性成熟に必須のミネラル成分を獣糞から摂取しているのでしょう。 
この個体は翅先が丸みを帯びているので、性別は♀ではないかと思うのですが、どうでしょうか?(自信なし) 
真横から見ても翅を閉じると腹端が隠れて見えないのですが、腹部は常に真っ直ぐなので「吸い戻し」の排尿はしていないと思います。 

しばらくすると、イチモンジチョウはようやくタヌキの糞塊そのものに移動して長々と吸汁を始めました。 
溜め糞の表面は新鮮な下痢便で覆われています。 
しかし糞塊そのものは味が濃厚過ぎるようで、辺縁部に移動して糞が付着したスギ落葉を舐めて回ります。 
糞塊には糞虫やハネカクシ類などの先客が集まっているので蝶はあまり落ち着いて吸汁出来ない、という事情があるのかもしれません。
満ち足りたイチモンジチョウは自発的に飛び立ち、辺りを低く飛び回るともう戻って来ませんでした。 

この溜め糞場sはタヌキとアナグマが共有しています。 
トレイルカメラで撮れた映像を確認すると、イチモンジチョウが舐めていたのはニホンアナグマではなくホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が排泄した糞でした。 

イチモンジチョウは汚物をよく舐めていますが、獣糞で吸汁するシーンは初見です。
関連記事(12、14年前の撮影)▶  
イチモンジチョウのペレット吸汁 
ニホンカモシカの白骨化死骸から吸汁するイチモンジチョウ

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