2022年7月中旬・午後14:20頃・晴れ
里山の急斜面に落葉広葉樹の大木が倒れていました。
この木だけが倒れていたので、土砂崩れではなく、冬に積もった大雪の重みに耐え切れず倒れたようです。
※ 長年センノキカミキリの幼虫に材を食い荒らされたせいで、幹が脆くなっていたことも影響してそうです。
その倒木に私が何気なく近づくと、何か昆虫がボトッと地面に落ちました。
地面を早足で逃げ回る甲虫の正体は、センノキカミキリ(Acalolepta luxuriosa luxuriosa)でした。
触角が長いので、なんとなく♂かと思うのですが、どうでしょうか?
倒木に枝葉は付いてなかったので、初めは樹種が分かりませんでした。
センノキカミキリの食樹リスト(ウコギ科)の中で、樹皮の様子と大木に育つことから、ハリギリ(別名センノキ)の倒木だと樹種が判明しました。
このハリギリ巨木が倒れる前に心材部を食べて育ったセンノキカミキリ幼虫が成虫に育ち、羽脱したばかりなのかな?と想像したものの、定かではありません。
倒木に戻して発見シーンのやらせ動画を撮ろうとしても、すぐに擬死落下したり飛んだりして逃げてしまいます。
冒頭の飛び立つシーンは1/5倍速のスローモーションでまずご覧ください。
直後に等倍速でリプレイ。
手掴みで捕獲すると、胸の関節を曲げてキューキュー♪と鳴いて怒りました。
胸を摘むと鋭い大顎で噛まれそうですし、発音も阻害しそうなので、今回は後脚を摘んで保定。
飛んだ直後に畳んだ後翅の先端が腹端からはみ出しています。
鈴木知之『新カミキリムシハンドブック』でセンノキカミキリについて調べると、
ホスト:ウコギ科植物の生木。平地から山地に生息し、人里周辺で普通に見られる。成虫は7〜10月に出現し、ハリギリやタラノキなどウコギ科植物の新梢や葉柄の樹皮を後食する。♀は樹皮を噛み切り、その内部に産卵する。(p84より引用)今まで私は「センノカミキリ」と間違って覚えていたので、昔の記事も訂正しておきます。
センノキとはハリギリの別名です。
センノキカミキリの鳴き声を声紋解析してみる?
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・センノキカミキリ♂の擬死落下
・捕獲すると液体を吐き戻すセンノキカミキリ♀
・センノキカミキリ♀を見つけた!(身繕い、徘徊、飛び立ち)
周囲でウグイス♂や直翅目の昆虫(キリギリス類?)が鳴いており、ノイズが汚いので諦めました。
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
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