2021/02/03

イチジクの熟した果実を食べるキイロスズメバチ♀とショウジョウバエ

 

2020年10月中旬・午後13:50頃・くもり 

街中で民家の庭に植栽されたイチジク(無花果)に果実が実り、キイロスズメバチVespa simillima xanthoptera)のワーカー♀が熟果を食べに来ていました。
▼関連記事(3年前の撮影) 
熟したイチジクの果実を食害するキイロスズメバチ♀とニホンミツバチ♀
おそらくキイロショウジョウバエDrosophila melanogaster)と思われるショウジョウバエの仲間も来ていて、イチジク熟果の上を歩き回っていました。 
ショウジョウバエは熟した果肉を舐めるだけでなく、♀は産卵するはずです。 
ショウジョウバエはとても小さいので、改めてマクロレンズで接写しないといけませんね。
イチジク果実に夢中のキイロスズメバチは、小さなショウジョウバエのことなど眼中に無いようで、追い払う占有行動は特に見られませんでした。

キイロスズメバチ♀が顔正面を向けてくれたので、果皮を切り裂く大顎の動きがよく分かるようになりました。 

ここでちょっとした興味深い事件が起こりました。 
食事中のキイロスズメバチ♀が何か白い物を吐き戻したのです。(@1:55) 
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、舌で選り分けて口内から吐き出したようです。 (@2:20)
左前脚の先で異物を口から拭い取り、すかさず踏み潰しました。 
擬人化すると「オエッ!」と言わんばかりに、心底嫌そうに吐き出していました。
液体の水滴(イチジク果汁)ではなく、粒状の固形物のように見えます。 
ミカンの房の中にある粒粒のような印象です。 
イチジクの果肉に含まれる種子が硬かったのか、それともショウジョウバエの卵や幼虫(ウジ虫)なのかな? 
キイロスズメバチは肉食性でもありますから、ショウジョウバエの卵や幼虫といった軟かい獲物を口にするのを嫌がらないはずです。 

松浦誠、山根正気『スズメバチ類の比較行動学』という専門書を紐解くと、「果樹害虫としてのスズメバチ」と題した章が設けられ詳細に解説されていました。
 わが国では、スズメバチ類による果樹の被害はイチジクとブドウに多くみられ、他にナシ、カキ、パイナップル、リンゴなどの加害例があるが、いずれも被害は年により、また地域によって大幅に変動することが多い。これは、野外における樹液などの他の有力な炭水化物源の供給量との関連があると考えられる。(p323より引用)
イチジク ‘ドルフィン’をはじめ、ほとんどすべての品種の成熟した果実は果皮、果肉とも軟弱で糖度が高いために、各種のVespaをはじめハナムグリ、ケシキスイ、チョウ、ヤガなどの昆虫も飛来して摂食する。Vespaによる被害はいずれも果肉部が完全に摂食されてしまうのが特色である。(p323より引用)
食物源の占有性はV.mandarinia(オオスズメバチ:しぐま註)の種特異的な習性であるが、他のVespaではたとえ摂食中であっても巣を離れると人間にたいする攻撃性はない。(p324より引用)
混入異物の吐き戻し?
キイロショウジョウバエ?


ヤクシソウの花蜜を吸うイカリモンガ(蛾)

 

2020年10月中旬・午後15:15頃・晴れ 

峠道の横に咲いたヤクシソウの群落でイカリモンガPterodecta felderi)が訪花していました。 
イカリモンガはいつも翅をしっかり閉じて吸蜜します。 
この組み合わせは初見。

2021/02/02

コンクリート護岸から池に飛び込み魚を捕るカワセミ♂(野鳥)

 

2020年910月上中下旬・午後16:50頃・くもり 

夕方の溜池のコンクリート護岸(下から2段目)にカワセミ♂(Alcedo atthis bengalensis)が止まっていました。 
水面を見つめて獲物を狙っています。 
カワセミ♂はぴょこぴょこと頭を上下しながら尾羽根も持ち上げています。 
水中に魚を見つけたのか、突然、左に素早く横歩きしました。(@0:21) 
飛ぶ直前に尾羽根を上げた直後に少量の白い液状便をピュっと後方に排泄しました。(@1:29) 

左前方の水面にすばやく飛び込み、岸の近くで獲物を捕らえるとすぐに階段に戻りました。(@1:45) 
嘴には白っぽい小魚を横に咥えています。 
ピチピチと暴れる獲物を階段に叩きつけて殺し、魚の向きを変えてから丸呑みしました。 
カワセミ♂はときどき首を左右に激しく振り、羽根の水気を切っています。 
食後に再び脱糞したものの(@2:33)、ペリットは吐き出しませんでした。 

この池でカワセミの飛び込み漁は何度も観察していますが、水面からの高さがこんな低い場所からの飛び込み漁の成功例を初めて見ました。 
夕刻の薄暗い時間帯はこの方法が有効なのでしょうか? 

飛び込み漁および食前食後に排便する瞬間を1/5倍速のスローモーションでリプレイ。(@2:40〜) 

周囲でヒヨドリやモズが喧しく鳴いています。 
この日の池にはなぜかカワセミの他に水鳥(サギ類やカモ類など)は1羽も居ませんでした。

そのまま観察を続けると、このカワセミ♂個体は奇妙な行動を始めました。 

つづく→落ちていた羽毛を繰り返し拾って遊ぶカワセミ♂(野鳥)
カワセミ♂(野鳥)@小魚捕食
カワセミ♂(野鳥)@脱糞直後

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