オニグモ♀の定点観察#4
2015年6月下旬・夜22:17〜22:31
垂直円網の中央(甑)で蛾を食べていたオニグモ♀(Araneus ventricosus)が食べかけの獲物を再び糸でラッピングしてから甑に固定しました。
前夜に張って古くなった円網の下側は既に取り壊してあるのですが(#2参照)、残った円網の取り壊しをようやく再開しました。
もし私が蛾を給餌しなければ、クモは円網全体を一気に取り壊したのかもしれません。
クモにしてみれば毎晩の円網張り替えの予定が狂ったのかもしれません。
それとも栄養補給しないと造網の糸が作れないぐらい空腹だったのでしょうか?
赤外線の暗視カメラで記録した動画を4倍速にした早回し映像でご覧下さい。
動画編集で早回し加工するついでに自動色調補正で糸を強調してあります。
網の糸に付着した小さな虫を糸と一緒に食べながら破網しているようです。
糸をリサイクルしてタンパク質の補給になります。
不要な糸を噛み切ったり、歩脚で切ることもあります。
甑から引き糸を伸ばしながら古い網を壊しつつ外縁に向かって進みます。
枠糸に引き糸を固定すると、甑に引き返します。
これで新しい縦糸が二重に張られることになります。
甑に戻ると引き糸を固定し、別方向に取り壊しを行います。
網の上部を取り壊すついでに、軒先に潜むオニグモ♂を追い払ったように見えたのが興味深く思いました。
残念ながら赤外線投光機の光が届かず、そのシーンはピンぼけになってしまいました。
♀は網に♂が居候するのを許さないのか、それとも♂がトラブルを避けるため♀とのニアミスを回避しただけかもしれません。
このオニグモ♀個体は昨夜張った円網を取り壊さないまま朝になると隠れ家に移動し、暗くなってきてから網に戻って来たのです。
網の張り替えは夜更けに行っています。
円網を毎朝畳まないのは北国のオニグモの特徴らしい。
『クモ生理生態事典 2011』サイトによるとオニグモは
・夕方から活動を始め,張ってあった網を破損 の状態によって2~3日おきに張り替える
・関西の種は原則的には殆ど毎日のように網をたたんで,屋根裏に潜み,昼間は網を残しておくことが少なく, 関東の種は毎日ではないが時々朝網をたたみ,北方の種は殆ど毎日朝網をたたむ習性がない
【おまけの動画】
早回し加工していないオリジナル映像の完全ノーカット版です。
長編になりますけど、クモの動きをじっくり見たい方はこちらをどうぞ。
網を完全に取り壊しても、ラッピングした食べ残し(蛾)は捨てずに甑に付けたままです。
引き続きクモは縦糸を張り始めました。
造網性クモが網を張替える一部始終を観察できたのは初めてです。
つづく→#5:夜中に造網するオニグモ♀(蜘蛛)【暗視映像の早回し】
2015年6月上旬
水田の畦道でハシボソガラス(Corvus corone)が何か大きな物を咥えていました。
獲物ならその正体を知りたいのですが、私を警戒してすぐ飛び上がり距離を開けられてしまいました。
映像の冒頭だけ1/4倍速のスローモーションでリプレイすると、草を丸めたような物にも見えますが、全く分かりません。
一体これは何ですかね?
例えば、他の鳥の巣を見つけて中の卵や雛を食べようとしてるのでしょうか?
謎の物体を咥えたまま、カラスは更に畦道をトコトコ歩き去ります。
畦の陰に貯食するのかと思いきや、啄み始めました。
畦道に雑草が生い茂り、よく見えません。
見えないのでは私も撮影に飽きてしまい、食べ切るまで撮らずに終了。
オニグモ♀の定点観察#3
2015年6月下旬・夜22:10頃
オニグモ♀(Araneus ventricosus)がログハウスの外に張った垂直円網の真上の軒先に別個体のオニグモが潜んでいました。
夜なのに造網しないので脱皮直前の個体なのかと初めは想像しました。
「クモ生理生態事典 2011」にてオニグモの項を参照すると、「脱皮・産卵前後は網を張らない」とのこと。
赤外線の暗視カメラでズームしてみると、触肢が大きく膨らんだ成体♂でした。
私の記憶では、オニグモの♂は初見かもしれません。
歩脚の先を一本ずつ舐めて念入りに身繕いしています。
左脚の先を互いに擦り付ける行動も見られました。
オニグモの繁殖期はいつなのか知りませんが、♀の網に侵入して交接の機会を窺っているのでしょうか?
夜這いする前のお化粧に余念がないのかな?
交接は♀の網で行うのか、それとも昼間の隠れ家で行うのですかね?
♂は軒先から身を乗り出して、♀の円網から伸びた信号糸?に歩脚の先で触れているようにも見えますが、私の気のせいかもしれません。
その間に♀は網にかかった蛾を補食し、円網の下側を取り壊しました。
それでも♂に目立った動きはありませんでした。
さて、「クモ画像集」サイトにてくも子さんの投稿写真から、オニグモ♂の第2脚にはフックがあると知りました。
ストロボを焚いて何枚か撮った写真を見直してみたものの、歩脚を曲げる角度がたまたま悪くて、フックがうまく写っていませんでした。
辛うじて右第2脚から棘先だけ見えます。
むしろ暗視動画の方でフックがしっかり写っていました(左第2脚)。
♂特有の構造が求愛・交接時にどのような使われ方をするのか、私も興味津々です。
暗視カメラで動画に記録すれば分かるはずです。
つづく→#4:円網の上側を取り壊すオニグモ♀【蜘蛛:暗視映像】