2026/06/05

雪が降る夜に早春の池でヤマアカガエルを狩って持ち去るフクロウ【冬の野鳥:トレイルカメラ:暗視映像】

 

2026年3月上旬 

シーン0:3/2・午後16:45・くもり(@0:00〜) 
毎年早春にヤマアカガエルRana ornativentris)が産卵する山麓の繁殖池に自動撮影カメラを設置してみました。 
この池は完全な止水ではなく、里山から沢の水が一年中流れ込んでいて、反対側からチョロチョロと流れ出てます。 
厳冬期には池の水面も深い雪に覆われていたのですが、早春になると水面が現れ、周囲の残雪もだいぶ溶けました。 

変温動物のカエルがいくら池に集まって活発に産卵行動しても、トレイルカメラのセンサーは反応しません。 
しかし、ヤマアカガエルの成体を狩ったり卵塊を食べに来る捕食者が撮れるのではないかと期待したのです。 
水場として水浴したり水を飲んだりする野生動物の姿が写るだけでも嬉しいです。 

驚いたことに、フクロウStrix uralensis)が夜な夜な現れてヤマアカガエルを狩っていました。 
フクロウが来るとはまったく予想していなかったので、感激しました。 


シーン1:3/3・午後23:17・降雪(@0:03〜) 
雪が降りしきる夜更けに1羽のフクロウが池に来ていました! 
いかにも雪国のフクロウらしい、絵になる映像です。 
フクロウが佇んでいるのは、細長い池の水が右から左に流出する地点で、そこには毎年ヤマアカガエルの巨大な卵塊が産み付けられています。 

フクロウは足元の水面(ヤマアカガエルの卵塊?)を見つめています。 
やがて、右足で何かを掬って食べました。 
食卵したのでしょうか? 
休眠越冬中の水生昆虫(ヤゴやゲンゴロウなど)を捕食した可能性も考えましたが、獲物はそれより大きそうです。 

フクロウが池から飛び立つ前に、1分間の録画時間が終わってしまいました。 


シーン2:3/3・午後23:34・降雪(@1:05〜) 
16分後、フクロウは同じ池の少し奥の岸辺に移動していました。 
両足を池の浅水部に浸しています。 
顔を水面に何度か浸けて左右に素早く振っていますが、夏によく見た洗顔行動とは少し違うようです。 

右足で何か獲物を掴み、羽ばたきながら奥の雪原に上陸しました。 
嘴で大きな餌物を咥えると、少し飛んで更に奥の雪原に移動しました。 
今回も飛び去る前に録画終了。 


シーン3:3/4・午後19:19・雨天(@2:06〜) 
翌日も小雨がぱらつく晩にフクロウが登場しました。 
池の流出部に佇み、大きな目で周囲をキョロキョロ見回して、獲物を探しています。 
夜行性のフクロウは眼球のタペータム(輝板)が発達していて、赤外線をよく反射します。 
カメラも凝視しましたが、トレイルカメラの1対の赤外線LEDが発光しても、あまり気にしていない(見えていない?)ようです。 


シーン4:3/4・午後19:27・みぞれ(@3:07〜)
7分後、雨からみぞれに変わっていました。 
フクロウが狩りをする瞬間を撮り損ねてしまいました。 
池から岸辺に上陸して、嘴で何か獲物(ヤマアカガエル成体?)を啄んでいます。 

フクロウが池から飛び去る様子が初めて撮れていました。 
獲物を咥えると、羽音も立てずに奥へ飛び去りました。 
どこか安全な止まり木に移動して、落ち着いて獲物を解体・捕食したいのか、あるいは巣で待つ♀に給餌するのかもしれません。 
(フクロウの性別を私は見分けられません。) 


シーン5:3/4・午後20:43・みぞれ(@3:51〜) 
1時間15分後、またフクロウが池に来ていました。 
池の流出部に後ろ姿で佇んでいます。 
狩りの直後らしく、何か獲物を捕食しています。 


シーン6:3/4・午後20:45・みぞれ(@4:50〜) 
50秒後、フクロウはいつの間にか少し奥の雪原に(飛んで)移動していました。 
何か獲物を啄んでいます。 
奥の暗闇へ飛び去りました。 

編集でカットしたのですが、しばらくするとカメラの近くに飛来した鳥の羽音が聞こえました。 
池の近くの止まり木にフクロウが飛来して、怪しい監視カメラを偵察に来たのかもしれません。 


シーン7:3/5・午後19:51(@5:23〜) 
翌日は晴れて静かな晩にフクロウが登場。 
対岸の雪面に降り立って、眼光鋭く池の水面を凝視しています。 
獲物のカエルを探してるのでしょう。(待ち伏せ漁) 


シーン8:3/6・午前11:02・晴れ(@6:23〜) 
明るい昼間にたたま撮れた現場の様子です。 
雪解けが進んでいます。 


※ 水音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
変温動物のヤマアカガエルが雪国でもまだ気温が低い早春に産卵するように進化した理由の一つは、天敵が少ない時期だからと言われています。 
しかし完璧な生存戦略は存在せず、その裏をかく捕食者が必ず出てきます。 
留鳥で夜行性のフクロウが、ヤマアカガエルの繁殖池に夜な夜な通って、産卵行動に集まるヤマアカガエルを狩っていました。 
この池でフクロウは洗顔や水浴、飲水を一度もしませんでした。 
つまり、獲物を狩る目的で通っていたことになります。 

旧機種のトレイルカメラには気温のデータが動画に残らないのが残念です。 
実はあまり期待していなくて、駄目元で旧機種のトレイルカメラを設置したら、大当たりでした。 
この後は、新機種のトレイルカメラに交換して高画質でフクロウの動画を撮ろうとしたのですが、色々と技術的なトラブルがあったりして、上手くいきませんでした。 
そうこうしているうちに、ヤマアカガエルの繁殖期が終わってしまい、フクロウも来なくなりました。 

同じ池でもヤマアカガエルの産卵地点は複数あるのですが、その全てを複数台のトレイルカメラで監視するのは大変です。
やや遠くから繁殖池全体を監視するようにトレイルカメラを設置し直したら、失敗したのです。

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