2024年1月下旬〜2月上旬
シーン0:1/30・午後14:10・くもり・気温14℃(@0:00〜)
明るい時間帯にたまたま撮れた現場の様子です。
雪が積もった里山のスギ植林地でニホンイノシシ(Sus scrofa leucomystax)がスギの根元の雪や地面を掘り返して採食していました。
イノシシは近づく私を警戒して一目散に逃げてしまったのですけど、その直後にトレイルカメラを現場に設置しました。
同一個体のイノシシが戻ってきて、スギ林床で採食を再開してくれるのではないかと期待したからです。
もしかするとイノシシは塒 を掘っていたのかもしれない、という疑いもありました。
画面の手前から奥に向かって緩斜面が下っています。
左端が雪に埋もれた林道になっていて、私が奥に向かって下山したスノーシューの足跡が雪面に残っています。
つまり、林道の横に生えたスギの根元に掘られた最大の採食痕を監視しています。
夜な夜なやって来る野生動物たちを一気にまとめてご覧ください。
シーン1:1/31・午前3:05・気温-3℃(@0:04〜)
現場にまず現れたのは、冬毛のホンドテン(Martes melampus melampus)でした。
未明に雪の緩斜面を奥から手前へ登り、歩き去りました。
雪面に足跡が残らないということは、凍結していているようです。
手前の雪面は、トレイルカメラの赤外線照射で白飛びしてしまっています。
シーン2:1/31・午後21:52・気温2℃(@0:11〜)
次は、同じ日の晩に冬毛のニホンノウサギ(Lepus brachyurus angustidens)がひょこひょこと手前に来ました。
やはりスギ林床の雪面はクラスト状態で、ノウサギの足跡が残りません。
シーン3:2/2・午前5:02・降雪・気温-6℃(@0:22〜)
2日後の雪が降る未明にも真っ白なノウサギが登場しました。
しかも2羽が同時に写りました。
交尾期が始まる頃なのに、2羽のニホンノウサギがニアミスしても喧嘩や追いかけっこにはならなかったのが不思議です。
すでに♀♂ペアを形成していたのでしょうか?
2羽の性別も行動から読み取れませんでした。
ノウサギは、イノシシが掘り返したスギの根元には近寄りませんでした。
シーン4:2/2・午後18:53・降雪・気温-4℃(@1:04〜)日の入り時刻は午後17:05。
同じ日の日没後に、♀♂ペアと思われるホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)が手前からやって来ました。
先行個体が、イノシシが掘り返したスギの根元で匂いをじっくり嗅ぎ回っています。
その間に後続個体は、近くでおとなしく待っています。
雪が降り続き、雪面に薄っすら積もった新雪に、タヌキの歩いた足跡が残ります。
後続個体は先行個体を追い越し、真っ直ぐに斜面を下りました。
しかし先行個体は、少し先のスギの根元でもイノシシの掘り返した採食痕が気になり、寄り道して調べています。
ようやくパートナーの後を追って立ち去りました。
1.5倍に拡大した上で、リプレイしてみましょう。(@1:49〜)
タヌキは新雪に鼻面を突っ込んで餌を探していますが、何も食べなかったようです。
シーン5:2/6・午後20:32・気温-4℃(@2:35〜)
4日後の晩に、ニホンカモシカ(Capricornis crispus)が緩斜面を登って手前に向かって歩いて来ました。
監視カメラの真下を通ったのに、カメラの存在には全く気づいていないようです。
新雪の雪面にカモシカの蹄跡が残りました。
シーン6:2/7・午前2:25・気温-5℃(@2:46〜)
日付が変わった深夜に、冬毛のニホンノウサギが画面の右下隅にちらっと写りました。
気温が低いと、トレイルカメラの起動が遅れがちになります。
尻尾が長くないので、テンではありません。
※ 動画の一部は編集時に自動色調補正や逆光補正を施しています。
トレイルカメラの照射する赤外線が手前の雪面に反射して白飛びしてしまい、ちょっと見苦しいからです。
【考察】
私とニアミスして逃げたイノシシが採食現場に戻ってこないことがはっきり分かったので、この地点での監視は1週間で打ち切り、トレイルカメラを撤去しました。
後で調べてみると、イノシシは縄張り意識が薄いらしいです。
山中でヒトと遭遇して驚いて逃げたら、わざわざ戻ってくることはなく、逃げた先で自由気ままに採食することが予想されるそうです。
どうしても自分で納得するまで確かめたかったので、たとえ空振りに終わっても満足です。
副産物として、雪山で暮らす様々な野生動物(お馴染みの面々)が監視カメラに写ってくれたので、退屈することはありませんでした。
イノシシが掘り起こした採食痕に興味を示したのは、タヌキだけ(しかも、ペアのうち片方だけ)でした。
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