2025/01/10

夜霧の雪山で塒のあるスギ林に来ても眼下腺マーキングするだけで立ち去る若いニホンカモシカ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年1月下旬 

シーン1:1/19・午後12:32・くもり・気温12℃(@0:00〜)
里山の斜面に植林されたスギ林で、ニホンカモシカCapricornis crispus)のねぐらを自動撮影カメラで見張っています。 
画面の手前から右上奥に向かって斜面が下っています。 
今季は記録的な暖冬のため、積雪量が少ないです。 

カモシカの登場シーンを以下にまとめました。 
撮影効率があまりにも悪いので(カモシカが滅多に来ない)、退屈しのぎに余計なことを始めました。 
たまに来る昼行性のニホンリスSciurus lis)のために、オニグルミの堅果を給餌しようと、白いプラスチックの箱をスギの幹に固定してみたのです。
しかし、この作戦は全くの空振りに終わりました。 
私の給餌法が良くないのか、それともリスは警戒心が強いのでしょうか? 


シーン2:1/23・午前0:57・霧?・気温1℃(@0:04〜) 
画面全体がうっすらと曇っています。 
夜霧が発生しているのか、それともレンズの表面が薄っすらと凍りついてしまったのかもしれません。 

深夜に画面の右下から現れたカモシカの後ろ姿が写っています。 
斜めに倒れかけたスギ幼木の枝葉の匂いを嗅ぎ、顔の眼下腺を擦りつけてマーキングをしたようです。 
角がまだ細いので、若い個体のようです。 

雪面の匂いを嗅ぎながらゆっくりと奥に歩き、スギの立木に辿り着きました。 
根元や幹の匂いを嗅いでいる途中でふと見上げ、クルミを入れた白い給餌箱に気づいた様子です。 
若いカモシカが首を精一杯伸ばしても、給餌箱には全然届きません。 
(大雪が積もれば、届いてしまうかもしれません。) 
前足を立木に掛けて後足で立ち上がることはしませんでした。 


シーン3:1/23・午前1:00(@2:04〜) 
念入りにスギの幹や雪面の匂いを嗅いでから、カモシカは左にゆっくり立ち去りました。 
ところがしばらくすると、同一個体が左から手前に戻って来ました。 

残念ながら今回も結局、ここに塒入りしてくれませんでした。 
私が余計な異物(リスへの給餌箱)を塒のスギ立木に設置したりしなければ、警戒しないで塒で寝てくれたでしょうか? 
しかしカモシカは夜行性ですから、この時間帯に寝ないはずです。 


※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 



【考察】 
トレイルカメラによる塒の監視は、これで諦めて打ち切ることにしました。 
ニホンカモシカが雪山でスギの木の下に寝てくれたのは、結局1回切りでした。 
その後は複数個体のカモシカが代わる代わる来ては、通りすがりに眼下腺マーキングしたり排尿したりしただけです。
少なくとも、この辺りを縄張りとするカモシカ個体群が使う獣道(巡回路)になっていることは確かです。 

登場した複数個体のカモシカが同じ地点の塒を代わる代わる使って寝ることはありませんでした。 
監視カメラの存在に気づいて警戒し、ねぐらの位置を変更してしまったのか、それともカモシカが頻繁に塒を変えるのはごく普通のことなのか、この1例だけではまだ何とも言えません。

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