前回の記事:▶ モリアオガエルの死骸を持ち去るカケス【冬の野鳥:トレイルカメラ】
2024年1月下旬
シーン0:1/22・午後12:56(@0:00〜)
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。
今季は異常な暖冬で積雪がほとんど溶けてしまい、まるで早春のようです。
平地のスギ防風林で、画面の手前から奥に向かって根こそぎ倒れたスギ風倒木(根返り)の根元に掘られた「根曲がり巣穴」を自動センサーカメラで監視しています。
風倒したスギの巻き添えを食って落葉性広葉樹(樹種不明)の稚樹が一緒に根こそぎ倒れてしまい、毎年冬の積雪に押し潰されて樹形がねじ曲がりながらも逞しく育ったのです(根曲がり)。
この巣穴aにはニホンイタチ(Mustela itatsi)が越冬しているらしいことが分かっています。
実はすぐ近く(画面の右背後)にもう一つ同様の巣穴bがスギ風倒木の下に掘られていて、そこにもイタチが出入りしていました。
シーン1:1/23・午後12:44・晴れ(@0:04〜)
カエルの死骸を持ち去ってから3時間45分後の昼下がり、カケス(Garrulus glandarius)が再び戻ってきました。
倒伏したスギの根に止まって、露出した土を啄んでいます。
甲虫に疎い私は冬に「オサ掘り」採集をしたことがないので知らなかったのですが、オサムシ類は休眠越冬する場所として、まさにこのような倒木の土付き根っこ(「根返り」と呼ぶらしい)を選ぶことが多いのだそうです。
冬にさまざまな野鳥がこの根返りに繰り返しやって来て何やら啄んでいる理由が、ようやく分かりました。
鳥は根返りの土そのものを食べている(ミネラル摂取)のではなく、越冬中のオサムシ類を探して捕食しようと通っているようです。
カケスが冠羽を逆立てたり寝かせたりしているのは、どんな感情表現なのでしょうか?
すぐ近く(左奥)の地上で採食していた別種の小鳥(種名不詳:アトリ科?)に対して警戒や苛立ちを示していたのかもしれません。
混群にしては異色の組み合わせでした。
シーン2:1/23・午後14:29・晴れ(@1:04〜)
1時間45分後、カケスが再び戻ってきました。
監視カメラの画面が急に振動したので、カメラを固定してある水平倒木に飛来した鳥が止まったようです。
しばらく周囲を警戒してから鳥は地面に飛び降りたようで、画面の下端からカケスが登場しました。
地面を啄んだり、嘴で落ち葉を跳ね上げたりして、餌を探しています。
そこはまさしく、私がモリアオガエルの死骸を置いた地点でした。
棚ぼたの成功体験に味をしめた(学習した)同一個体のカケスが、二匹目のドジョウならぬ二匹目のカエルを求めて同じ餌場に繰り返し戻ってきていたのでしょう。
この日だけカケスの登場頻度が普段よりも明らかに高かったです。
関連記事(同所で1か月前の撮影)▶ 根曲がり巣穴の横で落ち葉をめくって虫を探す初冬のカケス【野鳥:トレイルカメラ】
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
つづく→
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