2021年3月上旬・午前11:10頃・晴れ
春が近づき、農地を囲む防風林のハンノキに花が咲いていました。
ハンノキは風媒花なのであまり目立ちませんが、枝先に付いた細長い赤紫色の雄花序に黄色い花粉を吹いています。
春風に乗ってハンノキの花粉が自然に飛ぶ様子を動画で記録したかったのですが、この日は快晴でほぼ無風でした。
指先で枝先を軽く叩いて雄花序を揺らすと、春のそよ風に乗って花粉が飛散しました。
ハンノキの雄花序から花粉が飛散する様子を240-fpsのハイスピード動画でも撮ってみました。(@0:48〜)
周囲の農地は未だ残雪に覆われていて、日陰の池には薄氷が張っています。
早春の林床に咲く草花はスプリングエフェメラルと呼ばれますが、ハンノキの花はそれよりも早くひっそりと咲くのですね。
ハンノキの若葉が芽吹くのはその後です。
田中肇『花と昆虫、不思議なだましあい発見記』という本によると、
風媒花をつける樹木(ハンノキなど)たちが、葉が開くまえに花を咲かせるのは、生き残るための大切な習性である。葉が広がってしまうと、花粉を運ぶ風を弱めるし、せっかく風に乗った花粉が葉についてしまい、受粉の障害物となる。それを避けるために、花は葉が開くまえに咲く。それにしてもハンノキは早い。葉が開くのは開花から二ヶ月も後なのだから。 (p226より引用)
植物図鑑で調べて雌雄同株と知りました。
後日(3月中旬)に雪山で撮った雌花の写真を掲載しておきます。
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