2021/02/10

イチジクの実を守る鳥よけ棒(螺旋オブジェ)や防鳥テープに効果はあるか?

 

2020年10月中旬・夕方・くもり 

民家の庭に植栽されたイチジク(無花果)の木で果実が一部熟し始めました。 
その庭木に施された防鳥グッズが目を引きました。 

あちこちの枝に結び付けられた銀テープ(防鳥テープ)が風になびいています。 
テープの両面が赤銀など2色になっているタイプの方が風が吹いたときにキラキラ点滅するのに、一色の銀テープの方が安上がりなのですかね? 
防鳥効果を比較してみたら面白そうです。 

更に、「鳥よけ棒」と呼ばれる螺旋状の青いプラスチックのオブジェも枝に数本吊り下げられていました。 
しかし鳥よけ棒の1本は固定法が悪くて、風が吹いてもクルクル回りません。
これではおまじない程度しか防鳥効果は期待できないでしょう。
 
▼関連記事(3ヶ月前の撮影) 
アケビの蔓棚を守る鳥よけ棒(螺旋オブジェ)防鳥グッズ
現場で目視した限りでは、イチジク熟果への食害は見当たりませんでした。 (時期が未だ少し早いのでしょう。) 
私の個人的な見解ですが、イチジクの食害を野鳥のせいにするのは濡れ衣ではないかと疑っています。 
ヒヨドリやムクドリ、カラスなどの鳥がイチジクの熟果を採食する犯行現場をひと目見たくてあちこちのイチジクの木をパトロールしているのですけど、未だ一度も観察したことがありません。 
少なくとも私のフィールドでは、イチジクの熟した果実を盗み食いする一番の犯人はスズメバチ類です。
▼関連記事(同時期に別の場所で撮影) 
イチジクの熟した果実を食べるキイロスズメバチ♀とショウジョウバエ
つまり、せっかく苦労して鳥よけグッズをイチジクの木に取り付けても、スズメバチには全く効果が無いはずなので、被害は無くならないと予想されます。 
イチジクの実を食害する犯人を突き止めるために、無人カメラを設置して終日監視したら面白そうです。(対策の前に敵を知ることが第一です。)
イチジク栽培の未経験者が僭越ながらも対案を言わせてもらうと、私なら果実を1個ずつ袋掛けするか、木全体をネットで覆うか、完熟する前に果実を収穫してしまって室内で追熟させるという対策を試すと思います。
定点観察に通うには遠い場所だったので、防鳥グッズに効果があったかどうか確かめられませんでした。 

『鳥害の防ぎ方』という専門書で果樹に対する鳥害対策の章を読み返しても、鳥が加害する落葉果樹のリストにイチジクが含まれているだけで(p195)、具体的な事例や詳細は何も書かれていませんでした。 
イチジクに関しては特に対策を研究したり調べたりしていないのでしょう。 
そもそも大規模なイチジク農園を日本でやっている所が少ないのかもしれません。

【追記】
↓おまけの映像「ヒヨドリ🕊イチジク全部食べてしもーた😭」(撮影:unicorn momo'sさん)
ヒヨドリはイチジク果実が未熟な状態でも食べ尽くしてしまうとなると、対策するのは大変そうです。
ヒヨドリの他にはメジロもイチジクの実を食べに来ていたそうです。



【追記2】
小宮輝之(監修)『鳥の食べもの&とり方・食べ方図鑑 おもしろふしぎ鳥類学の世界』によると、「イチジクは鳥たちも大好きな果物」とのことで、メジロによる食害シーンの写真が掲載されていました。
栽培された果実がカラス類、ムクドリ、ヒヨドリ、オナガ、メジロに食べられ、鳥害といわれることも。 (p138より引用)

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