2019/08/15

ハシブトガラス♀♂つがいの愛情表現:キスと相互羽繕い(野鳥)



送電塔#KN7に営巣したハシブトガラスの観察記録#3



▼前回の記事
幼い雛への給餌と抱雛のため送電塔の巣箱に出入りするハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)

2019年5月下旬・午後17:30および19:10頃(日の入り時刻は午後18:49)

育雛が一段落すると、ハシブトガラスCorvus macrorhynchos)の♀♂親鳥は巣箱のある送電塔の天辺から伸びる高圧線に並んで止まりました。
仲良く並んでこちら向きに止まっているつがいが人目もはばからず濃厚な愛情表現を始めました。
まずは互いの嘴で熱烈なキスを交わしています。
喉袋から餌を吐き戻して求愛給餌しているのか?とも思ったのですが、定かではありません。
カラスの性別を見分けられないのが残念です。(交尾をしない限り私には性別が分かりません)
右の個体がキスの直後に尾羽を上下に震わせていて、興奮しているようです。
次は、相手の頭部や背中を嘴で掻いてやったり羽根を優しく愛撫するように相互羽繕いを始めました。
この間の鳴き声は一切聞き取れませんでした。(おそらく鳴いてない)


ハシブトガラスの親鳥♀♂は一旦、高圧線から解散した後も、しばらくすると再びお気に入りの高圧線に仲良く並んで止まりました。
夫婦水入らずの時間なのでしょう。
1羽がカーカー♪と澄んだ声で断続的に鳴き始めました。
鳴く度に尾羽を上下にピコピコ動かすのがハシブトガラスの特徴です。
嘴を軽く触れ合いキスを交わしました。
つづいて自分が羽繕いするついでに、パートナーの羽根にも触れて相互羽繕い(愛撫)しました。
定点観察の初日からハシブトガラス♀♂つがいの濃厚な愛情表現を見せつけられ、いやはやどうもご馳走さまでした。

中村眞樹子『なんでそうなの 札幌のカラス』という本にもカラスの愛情表現について書かれていました。

つがい同士の羽繕いは、見ている方がなんだか照れくさくなるほどです。一方が頭を下げて、日ごろ自分では手が(嘴が)届きにくいところを羽繕いしてもらい、ウットリしています。これをかわるがわる行うこともあります。 (p96より引用)


※ 今回の映像のように背景が空で抜けている場合、動画編集時に手ブレ補正すると却って不自然な動きになってしまいます。

仕方がないので、素材をそのまま繋いだだけでお届けします。


つづく→#4:巣箱のある送電塔でいちゃつくハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)


ハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)@高圧線+キス
ハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)@高圧線+キス
ハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)@高圧線+相互羽繕い
ハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)@高圧線+相互羽繕い

ハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)@高圧線+羽繕い
ハシブトガラス親鳥♀♂(野鳥)@高圧線+羽繕い



↑【おまけの動画】
3年前の夕刻にも、2羽のハシボソガラスCorvus corone)が山麓の高圧線に並んで止まっているのを見たことがあって不思議に思いました。
今思えば、営巣期のつがいの貴重なスキンシップ・タイムだったのかもしれません。
お蔵入りしていた動画を、この機会にブログ限定で公開しておきます。

ちなみに、動画に映っている送電塔にカラスの巣はありませんでした。

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