2013年5月下旬
里山の麓で林縁の駐車場(標高〜300m)の隅に生えたヘビイチゴの群落で一匹のジガバチが訪花して花蜜を吸っていました。
黄色の花から花へ飛び回る様子を240 fpsのハイスピード動画に撮ってみました。
春にジガバチを見たのは初めてです。
顔が白いことから♂と判明。
♀よりも♂が先に羽化してくる(雄性先熟)のでしょうか?
同一個体を通常のHD動画でも撮ってみました。
吸蜜しながら閉じた翅をリズミカルに上下しています。
飛翔筋のアイドリングなのかな?
このとき似我似我♪と鳴く声は聞こえませんでした。
キイチゴや草イチゴの類を見分けるのは苦手なのですが、この群落で定点観察に通って花や実を検討した結果、ヘビイチゴと判明しました。
ヤマジガバチ(Ammophila infesta)とサトジガバチ(Ammophila sabulosa nipponica)を見分けるのはとても難しいので、同定のため撮影後に蜂を採集しました。
参考資料のサトジガバチ/ヤマジガバチ比較標本写真(by 大阪市立自然史博物館の松本さん:「ヒゲおやじの投稿掲示板」の投稿No.62455)を元に調べてみると、今回の個体はサトジガバチ♂(Ammophila sabulosa nipponica)だろうと分かりました。
サトジガバチ♂の中胸背板は点刻が横方向にしわに紛れている。(一方、ヤマジガバチ♂中胸背板の点刻は後方で弱いしわに紛れることがあるもののそれぞれ独立している。)胸部側面の点刻は大きく明瞭で密。しわ状になることが多い。(一方、ヤマジガバチ♂胸部側面の点刻はやや小さく不明瞭。♀に比べるとやや密。)採集地の環境は確かに「山」というよりも「里」でした(標高〜300m地点)。
背面@方眼紙 |
胸背 |
胸背 |
単眼。顔の毛が面白い。 |
左胸部側面 |
左胸部側面 |
右胸部側面 |
右胸部側面 |
腹背 |
腹部側面 |
顔 |
腹面 |
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