2020/11/02

ヤブガラシ訪花中にアルマンアナバチを避けるシタキモモブトスカシバ(蛾)【ハイスピード動画】

 

2020年7月下旬・午後12:20頃・晴れ
▼前回の記事
ヤブガラシの花で吸蜜ホバリングするシタキモモブトスカシバ(蛾)【HD動画&ハイスピード動画】
ヤブガラシの花で吸蜜ホバリングするシタキモモブトスカシバMelittia inouei)を240-fpsのハイスピード動画でも撮っていると、黒い狩蜂がときどき登場しました。 
おそらくアルマンアナバチIsodontia harmandi)と思われます(性別不明)。
▼関連記事(17日前の撮影) 
ヤブガラシを訪花するアルマンアナバチ♂の羽ばたき【ハイスピード動画】
バッタやキリギリスを狩る蜂なので蛾の成虫を襲うことはありませんが、ニアミスするとシタキモモブトスカシバの方が飛び去りました。 
空中でホバリング中に黒い蜂が高速で飛来した途端に、蛾が慌てて身を翻して逃げて行く様子をスローモーションでご覧ください。

2020/11/01

ダイミョウセセリ♀とイチモンジチョウ♀の縄張り争い?

 

2020年7月下旬・午後16:15頃・くもり 

農道沿いの草地にダイミョウセセリ♀(Daimio tethys)とイチモンジチョウ♀(Limenitis camilla japonica)が翅を全開にして休んでいました。 
葉の表面に付いた水滴などを舐めている訳ではなさそうです。 
実は直前に激しい空中戦のような乱舞を繰り広げていたのですが、動画に撮り損ねました。  
翅表の配色が共に黒字に白斑で、少し似ている大小2種類のチョウが並んでいるので、興味深く思いました。 
正確には、ダイミョウセセリの斜め右背後にイチモンジチョウが位置しています。 
所属する科(セセリチョウ科とタテハチョウ科)も違いますから、他人の空似でしょう。 

 しばらくすると、イチモンジチョウが翅をゆるやかに開閉し始めました。 
2頭がほぼ同時に飛び立ちました。 
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、一瞬先に飛び立ったのは左側のダイミョウセセリ♀でした。 
イチモンジチョウ♀もすかさず緊急発進して追いかけます。 
2頭は激しく飛び回り、乱舞が始まりました。 
私はダイミョウセセリ♀を見失ってしまいましたが、イチモンジチョウ♀は農道を渡って反対側の灌木林の樹冠へ飛び去りました。

 一体この行動は何だったのでしょう? 
現場で私は、てっきり♂による誤認求愛(他人の空似)だろうと思いました。 
しかし、図鑑『フィールドガイド 日本のチョウ』で調べてみると、この2頭は共に♀と分かりました。
・(ダイミョウセセリ)♂の腹部は細く、♀はやや太く、腹端に毛が密生する。 
・イチモンジチョウ:一般に♀で表の前翅中室に不鮮明な白斑がある。♀の方がやや大型で翅形に丸みがある。
異種間の♀同士で縄張り争いをするとは意外でした。
(ダイミョウセセリ♂は)通常、翅を開いて止まるが、♂は見晴らしのよい葉上で占有行動をとる際には翅を半開にする。(同書p280より引用)
今回見た個体(ダイミョウセセリ♀)は、翅を全開にして休んでいましたし、♀による占有行動の記述はありませんでした。  
この2種類の蝶は幼虫の食草も違いますから、争う理由がよく分かりません。 
共通の蜜源植物を巡って争っている訳でもありません。 
苦し紛れの屁理屈を考えてみたのですが、♀も同種の♂に見つけてもらって交尾する必要がありますから、ライバル♀や紛らわしい異種のチョウがいると追い払うのかもしれません。
あるいは逆に、集団お見合いをするために♀同士で群れる習性があるとしたら、それはそれで面白い話です。

昆虫の複眼で互いにどう見えているのか気になります。
紫外線カメラで翅の紋様を撮ると、どう写るのでしょう?

ハクセキレイ幼鳥2羽にトンボなどを巣外給餌する親鳥♂(野鳥)

 

2020年7月下旬・午後14:20頃・小雨 

雨がぱらつく中、川沿いの堤防路で ハクセキレイMotacilla alba lugens)の親子がいました。 
1羽の親鳥♂と2羽の幼鳥の計3羽の家族群です。 
ハクセキレイの幼鳥は羽が白黒ではなく茶色っぽいです。  

親鳥♂が舗装された堤防路を走り回って虫を捕ると親子が互いに駆け寄り、獲物を口移しで給餌します。 
給餌すると親鳥♂はすぐに幼鳥から離れ、次の獲物を探しに行きます。
幼鳥は堤防路に残り、歩きながら次の給餌を待っています。  

いつの間にか親鳥♂が路上で獲物のトンボを捕らえていました。 
翅の先端に褐色紋があることなどから、獲物はおそらくノシメトンボ♀(Sympetrum infuscatum)のようです。 
獲物の翅は毟らずに頭部だけを取り除くと、ハクセキレイ親鳥♂の方が駆け寄り、立ち止まって餌乞いする幼鳥に与えました。 
口移ししてもらった幼鳥はトンボを翅ごと丸呑みにしました。  

親子とも、雨に濡れた羽根をときどき震わせて水気を切ろうとしています。 
最後は次々に飛び去りました。 

いつも疑問に思うのですが、ハクセキレイの巣立った雛(幼鳥)に巣外給餌するのは親鳥♂の担当なのでしょうか? 
今回も母親♀を見かけませんでした。 
♀は2回目の繁殖のため、巣内で抱卵しているのかな? 
それとも♀は違う場所で別の幼鳥の面倒を見ているのでしょうか? 
ハクセキレイの営巣地を見つけるのが長年の課題です。

つづく→後編:ハクセキレイ幼鳥に懐かれた(野鳥)
ノシメトンボを捕獲したハクセキレイ親鳥♂

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