2020年7月下旬・午後16:15頃・くもり
葉の表面に付いた水滴などを舐めている訳ではなさそうです。
実は直前に激しい空中戦のような乱舞を繰り広げていたのですが、動画に撮り損ねました。
翅表の配色が共に黒字に白斑で、少し似ている大小2種類のチョウが並んでいるので、興味深く思いました。
正確には、ダイミョウセセリの斜め右背後にイチモンジチョウが位置しています。
所属する科(セセリチョウ科とタテハチョウ科)も違いますから、他人の空似でしょう。
しばらくすると、イチモンジチョウが翅をゆるやかに開閉し始めました。
2頭がほぼ同時に飛び立ちました。
1/5倍速のスローモーションでリプレイしてみると、一瞬先に飛び立ったのは左側のダイミョウセセリ♀でした。
イチモンジチョウ♀もすかさず緊急発進して追いかけます。
2頭は激しく飛び回り、乱舞が始まりました。
私はダイミョウセセリ♀を見失ってしまいましたが、イチモンジチョウ♀は農道を渡って反対側の灌木林の樹冠へ飛び去りました。
一体この行動は何だったのでしょう?
現場で私は、てっきり♂による誤認求愛(他人の空似)だろうと思いました。
しかし、図鑑『フィールドガイド 日本のチョウ』で調べてみると、この2頭は共に♀と分かりました。
・(ダイミョウセセリ)♂の腹部は細く、♀はやや太く、腹端に毛が密生する。
・イチモンジチョウ:一般に♀で表の前翅中室に不鮮明な白斑がある。♀の方がやや大型で翅形に丸みがある。異種間の♀同士で縄張り争いをするとは意外でした。
(ダイミョウセセリ♂は)通常、翅を開いて止まるが、♂は見晴らしのよい葉上で占有行動をとる際には翅を半開にする。(同書p280より引用)今回見た個体(ダイミョウセセリ♀)は、翅を全開にして休んでいましたし、♀による占有行動の記述はありませんでした。
この2種類の蝶は幼虫の食草も違いますから、争う理由がよく分かりません。
共通の蜜源植物を巡って争っている訳でもありません。
苦し紛れの屁理屈を考えてみたのですが、♀も同種の♂に見つけてもらって交尾する必要がありますから、ライバル♀や紛らわしい異種のチョウがいると追い払うのかもしれません。
あるいは逆に、集団お見合いをするために♀同士で群れる習性があるとしたら、それはそれで面白い話です。
昆虫の複眼で互いにどう見えているのか気になります。
紫外線カメラで翅の紋様を撮ると、どう写るのでしょう?
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