2025/12/13

胞子を放出するエリマキツチグリ【キノコ】

 

2024年9月上旬・午後13:25・くもり 

里山の林道脇のスギの根元にエリマキツチグリの群落が生えていました。 
小枝の先で片っ端からつついてみると、中央の穴から勢い良く胞子が噴出し、風で飛散します。 
ただし、なぜか胞子が出ないキノコもありました。 
まだ充分に成熟していないのか、それとも胞子を放出済みのキノコだったのかな?

胞子の放出シーンをハイスピード動画でも撮ってみたかったのですが、スギ林床は光量不足(薄暗い)のため、諦めました。 

自然界では、林床を歩き回る野生動物が踏んだり、雨粒や落枝が落ちてぶつかることで、エリマキツチグリの胞子が放出されるのでしょう。


関連記事(12、14年前の撮影)▶  


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2025/12/12

角に植物をぶら下げたホンシュウジカ♂が水場で飲み食い@山形県【トレイルカメラ】

 

2024年9月下旬・午後17:15頃・気温18℃・日の入り時刻は午後17:34 

山中の少し開けた湿地帯にある水溜りSに自動撮影カメラを仕掛けて水場に来る野生動物を見張っています。 

薄暗い夕方にホンシュウジカ♂(Cervus nippon centralis)がやって来ました。 
頭を下げて泥水を飲んでいます。 
立派な角に緑の蔓植物(種名不詳)が絡みついていました。 
その角で浅い水溜まりの底を引っ掻いて、ゴミを取り除こうとしているようですが、全ては取り切れず、泥で汚れただけです。 

次にホンシュウジカ♂は、池畔に生えた幼木(樹種不明:落葉性広葉樹)の葉をむしゃむしゃと食べました。 
画面の左手前にそびえ立つホオノキの幹に鼻を寄せると、監視カメラの前を右に横切りました。 

※ 水を飲む音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


【考察】 
これほど鮮明にニホンジカが撮れたのは初めてで、嬉しい収穫です。 
旧機種のトレイルカメラは昼間でもフルカラーで撮れなかったのですが、今回は新機種を使ってしっかり総天然色で録画できて感無量です。 

関連記事(2、3年前の撮影)▶  


当地は山形県で日本海側の多雪地帯です。 
ニホンカモシカと違い、雪の下に埋もれた餌を食べられないホンシュウジカは、越冬することができません。 
雪がない時期でも個体数がとても少なく、トレイルカメラでもごくまれに(散発的に)写るだけです。 
しかし近年の急激な温暖化で、分布の空白地帯である山形県に再び進出しつつあります。 

ホンシュウジカの採食シーンが撮れたのは初めてです。
ニホンカモシカは主に木の葉を食べ、ホンシュウジカは主に草を食べることでニッチを棲み分けている、というのが定説です。
ところが、いきなり例外的にシカが木の葉を食べるシーンが撮れてしまいました。

ホンシュウジカ♂が角で水溜りの底を引っ掻いた行動が気になり、Perplexity AIに相談してみました。 
回答の日本語がこなれていなくて、読みにくいですね。

Q1: 立派な角に蔓植物をぶら下げていた。これは意図的に角を装飾して♀にアピールする意図があったりするのだろうか? 

A1:

ホンシュウジカのオスが9月下旬にトレイルカメラで撮影された立派な角に蔓植物がぶら下がっていた場合、これは意図的な♀へのアピールというより、主に繁殖期(rut)の行動「thrashing(角を木や草に激しくこすりつける)」の結果として植物が絡まる偶然の現象です。inphotos+1

関連行動の概要

Thrashingは夏の終わりから秋にかけて、オスの角からベルベット(産毛)を剥がし、眼窩腺などの匂い腺で分泌物を植物に塗布して縄張りを主張する行動で、角に草木が引っかかりやすいです。 この時期のホンシュウジカオスは角を木や低木に擦りつけ、力強さを示しつつメスを引きつけたりオス同士で優位性を競いますが、植物の装飾自体が♀アピールの主目的ではありません。 アークティックワンバトゥル(ヘラジカ)など一部の鹿科ではrut中に意図的に植物を角に飾る例が見られますが、ホンシュウジカ特有の科学的報告は確認されていません。japannatureguides+5

9月下旬の文脈

9月下旬はホンシュウジカの繁殖期直前またはピークで、角が完全に硬化し、こうした行動が活発化します。 蔓植物がぶら下がったままの姿は視覚的に目立つものの、♀への直接的な求愛シグナルではなく、縄張り主張や競争の副産物と考えられます。 トレイルカメラ観察ではこうした画像がよく記録され、野生の行動パターンを示す好例です。lfs-resources.eu-west-2.amazonaws+2



Q2: その♂個体は、水溜りで少し水を飲んでから、角で浅い水溜りの底を引っ掻いた。角に付着した蔓植物を落とそうとしたのかと思ったが、落ちずに泥水で汚れただけでした。これもthrashing行動なのか? 

A2: 

ホンシュウジカのオスが水溜りで水を飲み、角で底を引っ掻いた行動は、thrashingの典型例ではなく、主に「wallowing(泥浴び)」の変形または角の清掃・マーキングの可能性が高いです。misatosys+1

行動の解釈

Thrashingは主に木の幹や低木に角を激しくこすりつけてベルベットを剥がし、眼窩腺の匂いを残す繁殖期の縄張り主張行動で、水溜り底の浅い引っ掻きとは異なります。 水溜りでの行動は、泥浴び(体や角を泥で覆う)で体臭を抑え寄生虫を除去したり、角の泥付けで保護・マーキングするもので、蔓植物を落とす意図があったとしても副次的な結果です。 繁殖期のオスはこうした多様な摩擦行動で視覚・臭気シグナルを強化しますが、植物が落ちず泥で汚れたのは偶然です。fws+2

観察文脈

9月下旬のトレイルカメラ映像では、角硬化後のこうした行動が頻発し、泥水付着は角の状態を示す自然な副産物です。 ホンシュウジカのフィールド観察で類似例が報告されており、求愛より生理的・縄張り維持の側面が強いと考えられます。yumemizoo+2

ホンシュウジカのオスが水溜りで角を引っ掻き、幼木の葉を少し食べて立ち去った行動は、繁殖期のイライラ(テストステロン上昇による興奮状態)を反映した断続的なマーキング試みで、本格的な泥浴びに至らなかったのは環境要因や一時的な欲求不満の可能性が高いです。instagram+1

行動パターンの解釈

繁殖期のオスはrutのプレ期に頻繁に水溜りや木をチェックし、泥浴び・thrashingを試みますが、泥の質や周囲の安全で中断し、葉食でストレスを紛らわせる例が観察されます。 イライラ印象はオス同士競争前の警戒・縄張り確認行動で、角の蔓植物が残ったままの状態はマーキング優先の証です。 トレイルカメラではこうした「未完行動」が多く、全体の行動サイクルを示します。naradeer+4

フィールド観察の示唆

9月下旬のこのような断片的行動は、ホンシュウジカの求愛準備段階で、近くにメスやライバルがいると本格化しやすいです。 幼木葉食は栄養補給か時間つぶしで、イノシシのような全身泥浴びより選択的です。 継続観察でヌタ場形成や完全泥浴びを捉えられるでしょう。ihatovnote.exblog+3

Q3: ホンシュウジカの泥浴び行動について詳しく教えて。イノシシのヌタ打ちのように全身を泥水に浸すのではなく、角を泥に浸すだけなのか? 今回は結局、本格的な泥浴びはしませんでした。

A3: 

ホンシュウジカの泥浴び(ヌタうち)は、主に繁殖期のオスが水溜まりや泥地に座り込み、尿を混ぜた泥を首・体・角にこすりつける行動で、イノシシの全身泥浴びのように体を完全に浸すわけではなく、部分的な摩擦が中心です。ihatovnote.exblog+1

行動の詳細

オスは水溜まりに放尿して泥を練り、座って首周りや腹部、時には角に塗布し、フェロモン強化でメス吸引やオス威嚇に用います。 角を泥に浸す・こすりつけるのはthrashingの延長でベルベット除去やマーキングを兼ね、蔓植物除去の副次的効果が生じる場合もありますが、全身浸漬は稀で前足による「泥かき」(シカ穴形成)が伴います。 ヌタ場は繰り返し使用され、毛や匂いが残る痕跡として観察可能です。facebook+4

イノシシとの違い

イノシシのヌタ打ちは寄生虫除去・体温調整目的で全身を泥に転がすのに対し、ホンシュウジカのそれは繁殖期特化の臭気シグナル行動で、首・角中心の局所的です。 9月下旬のトレイルカメラ観察のように、角限定の引っ掻きは泥浴びの初期段階やマーキング変形で、求愛強化の文脈が強いです。instagram+3



つづく→ 


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オカウコギの枝に形成された虫こぶ:ウコギハグキツトフシ

2024年9月下旬・午後 

河畔林を探索していたら、気になる虫こぶを見つけました。 
まずは樹種を調べないといけません。
ヒメウコギの灌木かと思いきや、枝にトゲがない点が気になります。 
Google Geminiに画像認識してもらうと、在来種のオカウコギだろうと教えてもらいいました。 

Q: 9月下旬に山形県の河畔林で撮った幼木(低木)の写真です。この樹種の名前を知りたい。素人目にはウコギと似ていると思ったのですが、枝に棘はありませんでした。 

A: 写っている植物は、トゲがないという特徴からオカウコギの可能性が高いと考えられます。 オカウコギはウコギ科ウコギ属の落葉低木で、以下のような特徴があります。 葉: 掌状複葉で、通常5枚の小葉からなります。小葉の先端半分には粗い鋸歯(ぎざぎざ)があり、これがヤマウコギとの区別点の一つとされています。 棘: 枝には通常、太い棘がありますが、個体や生育環境によっては棘がない場合もあります。ご指摘の通り棘がない個体も存在します。 分布: 日本の本州(東北以南)、四国、九州などの丘陵や山地の林内、河畔林などに自生します。山形県南部での発見は分布域と一致します。 利用: 新芽は山菜として食用にされ、古くから垣根としても利用されてきました。 類似する樹種にはヤマウコギやヒメウコギなどがありますが、葉の鋸歯の形状や花の色の違いなどで区別されます。 


謎の虫こぶ(虫えい、ゴール)の特徴を書き出してみると、こんな感じです。 
形成場所: オカウコギ?の新梢(樹皮が緑色の若い横枝)。 
形状: 不定形で歪なこぶ状。 
色: 緑色。 


虫こぶハンドブック』で調べてみると、ウコギハグキツトフシだろうと分かりました。
形成者: ウコギトガリキジラミ Trioza ukogi 
形状: 葉柄や小葉の基部、ときに花柄や果実に形成される閉鎖型の虫えい。表面平滑で緑〜黄緑色。内部に1〜数個の虫室がある。1虫室1幼虫 
生活史: 成虫で越冬し、春に枝に産卵。幼虫が葉柄などに定位し、虫えいが形成される。2齢で越夏し、秋から急に成長が進み、10月に虫えいが裂開し羽化。  (p52 より引用)
「ウコギハグキツトフシ」とは呪文のような長い名前ですが、虫こぶ(ゴール)の和名の命名規則は分かりやすくできています。
**「宿主植物名」+「形成部位(葉・実など)」+「形状・特徴(フシ、タマ、ツボなど)」+「フシ(こぶ)」**という構成が基本で、これによって虫こぶの見た目や寄生場所が分かるように名付けられています。
つまり、「ウコギハグキツトフシ」をあえて漢字で書けば「五加木・葉茎苞・付子 」となります。
「ウコギ歯茎ツトフシ」ではありません。


ウコギトガリキジラミの詳しい生活史について、Gemini AIに質問してみました。

ウコギトガリキジラミの詳しい生活史はあまり多くの情報源で詳細に解説されていませんが、いくつかの生態的特徴が知られています。 越冬 ウコギトガリキジラミは、ウコギの葉柄や小葉の基部に形成した虫こぶ(ウコギハグキツトフシ)の中で幼虫として越冬します。 羽化と産卵 羽化のシーズンは地域によって異なりますが、日本では10月中旬ごろに虫こぶから羽化して成虫になると予想されています。 成虫は羽化後、次の世代の産卵のために活動します。 サイクル 成虫は冬を越し、翌春にウコギの新芽に産卵すると考えられます。 孵化した幼虫は、吸汁しながら植物組織の異常成長を誘導し、夏から秋にかけて虫こぶを形成・成長させます。 そして秋になると虫こぶの中で成長した幼虫が成虫へと羽化し、このサイクルを繰り返します。 成虫の翅(はね)には、トガリキジラミ科特有の翅脈のパターンがあります。虫こぶを作るキジラミは成虫を見つけるのが難しいことが多いため、羽化時期に虫こぶを採取して観察ケースに入れると、成虫を確認できる可能性が高まります。 

【参考サイト】 ウコギトガリキジラミ 五加尖木虱 by yamasanae さん


私もその場で虫こぶを切開してみて、中を調べるべきでしたね。
成虫が羽化するには、時期がまだ少し早かったようです。


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