2025/01/06

ご馳走のあった地点に繰り返し戻ってきて餌を探すカケス【冬の野鳥:トレイルカメラ】

 


2024年1月下旬

シーン0:1/22・午後12:56(@0:00〜) 
明るい時間帯にたまたまフルカラーで撮れた現場の状況です。 
今季は異常な暖冬で積雪がほとんど溶けてしまい、まるで早春のようです。 
平地のスギ防風林で、画面の手前から奥に向かって根こそぎ倒れたスギ風倒木(根返り)の根元に掘られた「根曲がり巣穴」を自動センサーカメラで監視しています。 
風倒したスギの巻き添えを食って落葉性広葉樹(樹種不明)の稚樹が一緒に根こそぎ倒れてしまい、毎年冬の積雪に押し潰されて樹形がねじ曲がりながらも逞しく育ったのです(根曲がり)。 

この巣穴aにはニホンイタチMustela itatsi)が越冬しているらしいことが分かっています。 
実はすぐ近く(画面の右背後)にもう一つ同様の巣穴bがスギ風倒木の下に掘られていて、そこにもイタチが出入りしていました。 


シーン1:1/23・午後12:44・晴れ(@0:04〜) 
カエルの死骸を持ち去ってから3時間45分後の昼下がり、カケスGarrulus glandarius)が再び戻ってきました。 
倒伏したスギの根に止まって、露出した土を啄んでいます。 
甲虫に疎い私は冬に「オサ掘り」採集をしたことがないので知らなかったのですが、オサムシ類は休眠越冬する場所として、まさにこのような倒木の土付き根っこ(「根返り」と呼ぶらしい)を選ぶことが多いのだそうです。 
冬にさまざまな野鳥がこの根返りに繰り返しやって来て何やら啄んでいる理由が、ようやく分かりました。 
鳥は根返りの土そのものを食べている(ミネラル摂取)のではなく、越冬中のオサムシ類を探して捕食しようと通っているようです。 

カケスが冠羽を逆立てたり寝かせたりしているのは、どんな感情表現なのでしょうか? 
すぐ近く(左奥)の地上で採食していた別種の小鳥(種名不詳:アトリ科?)に対して警戒や苛立ちを示していたのかもしれません。 
混群にしては異色の組み合わせでした。 


シーン2:1/23・午後14:29・晴れ(@1:04〜) 
1時間45分後、カケスが再び戻ってきました。 
監視カメラの画面が急に振動したので、カメラを固定してある水平倒木に飛来した鳥が止まったようです。 
しばらく周囲を警戒してから鳥は地面に飛び降りたようで、画面の下端からカケスが登場しました。 
地面を啄んだり、嘴で落ち葉を跳ね上げたりして、餌を探しています。 
そこはまさしく、私がモリアオガエルの死骸を置いた地点でした。 
棚ぼたの成功体験に味をしめた(学習した)同一個体のカケスが、二匹目のドジョウならぬ二匹目のカエルを求めて同じ餌場に繰り返し戻ってきていたのでしょう。
この日だけカケスの登場頻度が普段よりも明らかに高かったです。 



※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 


つづく→

2025/01/05

ニホンアナグマの越冬用巣穴が凍った雪の下に埋もれ、近所のホンドタヌキが安否確認に通う【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年1月下旬~2月上旬

シーン0:1/22・午後13:46・くもり・気温20℃(@0:00〜) 
明るい昼間にたまたま撮れた現場の状況です。 
平地の落葉した二次林でニホンアナグマMeles anakuma)が越冬する2つの巣穴を同時に1台の自動撮影カメラで見張っています。 
今季は異常な暖冬で積雪が少なく、まるで早春のように林床の地面があちこちで露出しています。 

近所のホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が1頭または3頭で立ち寄ったシーンをまとめました。 


シーン1:1/29・午前6:01・気温-3℃(@0:04〜)日の出時刻は午前6:43。 
久しぶりにアナグマの越冬用営巣地(セット)に雪が積もっていました。 
まだ真っ暗な夜明け前に、タヌキが単独で現れました。 
雪に埋もれたアナグマの巣口Rの窪みに興味を示し、雪面の匂いを嗅ぎました。 
固く凍結した雪面を歩いて左へ移動すると、巣口Lが雪に埋もれた地点にも立ち寄って匂いを嗅ぎ回ります。 
再び巣口Rに戻ってきました。 


シーン2:1/29・午前6:03(@1:04〜) 
25秒後に監視カメラが再起動すると、タヌキは巣口Rを離れて左へ立ち去るところでした。 
ぐるっと回り込んでから、画面下から再びセットに戻ってきて、またもやアナグマの巣口Rへ向かいました。 


シーン3:1/29・午前6:04(@2:04〜) 
つづけてタヌキは巣口Lを点検してから、またまたしつこく巣口Rに戻りました。 
最後はようやく左に立ち去りました。 


シーン4:1/29・午後21:35・気温-3℃(@2:47〜) 
夜行性のタヌキは、昼間は自分の巣穴で寝て過ごし、晩になるとまた採餌のために外出します。 
今回は3頭が一緒にやって来ました。 
♀♂つがいと子供から成る家族群なのか、それとも3兄弟(姉妹)なのか、私には分かりません。 

奥の林内から来た1頭が、林縁の落葉ミズキの根元に排尿マーキングしたようです。(@3:12〜) 
このとき左後脚を上げたかどうかはっきり見えず、性別不明です。 
その後で、このタヌキがアナグマの巣口Rを塞いでいる凍った雪を前足でガリガリと掘り始めました。 
しかし少し掘っただけで諦め、左へ立ち去りました。


シーン5:1/29・午後21:43(@3:47〜) 
7分後に、右から戻ってきたタヌキがアナグマの巣口Rの左で雪面の匂いを嗅いでいました。 
通りすがりに、雪で埋もれた巣口Lの匂いを軽く嗅ぎました。
左へ回り込んでから奥の林内に立ち去りました。 
途中で凍った雪面に座ると、後脚で痒い体を掻きました。 


シーン6:1/30・午前1:47・気温-5℃(@4:45〜) 
日付が変わった深夜に、単独行動のタヌキが右からやって来ました。 
雪面はクラスト状態で、足跡が残りません。 
凍った雪に埋もれたアナグマの巣口Rをチェックしてから、奥の二次林へジグザグに入って行きました。 
途中で落葉樹の根元で腰を落として、雪面に排尿マーキングしたようにも見えました。(@5:30〜) 
排尿姿勢から、この個体は♀かもしれません。 


シーン7:1/31・午前0:21・気温-5℃(@5:45〜) 
翌日も真夜中にタヌキが単独で右から登場。 
アナグマの巣口Lが雪の埋もれた地点をチェックしてから左へ。 


シーン8:1/31・午後19:48・気温-1℃(@6:11〜) 
同じ日の晩に、奥の落葉二次林へ入って行くタヌキの後ろ姿だけ写っていました。 


シーン9:2/3・午後22:38・気温-5℃(@6:27〜) 
3日後の晩遅くにも、足早に奥の二次林へ入って行くタヌキの後ろ姿が撮れていました。 

数日間雪の下に埋もれていたアナグマの巣口Rがいつの間にか開口していました。 
短い冬眠(トーパー)から目覚めたアナグマが巣内から雪を掘って外に顔だけ出したのかもしれませんが、その様子は撮れていませんでした。 
あるいは、アナグマの呼吸熱や体温で巣口を塞いでいた雪が自然に溶けたのかもしれません。
もしそうなら、アナグマの巣口から寒い冬に白い湯気が立ち昇るはずですが、こんな光景を私はまだ見たことがありません。 

凍結した雪面の上に薄っすらと新雪が積もり、そこにタヌキが残したばかりの足跡が残っています。 
せっかく久しぶりにアナグマの巣口Rが現れたのに、タヌキは立ち寄らずに素通りしていました。 


シーン10:2/5・午前0:45・気温0℃(@6:38〜) 
2日後の深夜、アナグマの巣口Rの開口部が少し拡大していました。 
雪原で地面が少しでも露出すると、晴れた昼間にそこを中心に雪解けが進みます。 

左から来たタヌキが通りすがりにアナグマの巣口Rの匂いを嗅いでから、右へ向かいます。 
この日も雪面は凍結しており、タヌキの足跡は残りません。 

※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。 


【考察】 
積雪量は少ないのですが、厳冬期で気温が下がり、林床の雪面がアイスバーンのように凍りました。 
アナグマが冬眠している巣穴の入口L、Rは雪の下に埋もれてしまいました。
夜な夜なやって来るタヌキは、見慣れた巣口の消失に戸惑っているようで、何度も調べています。 

こうしたタヌキの行動を童話の世界のように擬人化すると、近所に住むアナグマが無事かどうか、生き埋めにされていないか安否確認(生存確認)に通ってきているように解釈したくなります。 

アナグマの巣口が雪で埋もれて見えなくなった、さらに雪が凍って固く閉ざされた、という事が理解できずに戸惑っているとしたら、雪国の冬を初めて経験する当歳仔のタヌキなのでしょうか? 
巣口Rがあった地点の凹んだ雪面をタヌキは前肢で掘ろうとしたのに固く凍っていて、穴掘りの苦手なタヌキはすぐに諦めてしまいました。 

あるいは、タヌキはアナグマの心配をしている訳ではなく、アナグマの巣穴に居候している野ネズミの残り香を嗅ぎ取って、キツネのように興味を示しているだけかもしれません。
しかしそれだと、アナグマの巣口が再び開口した後にタヌキが興味を失って巣口を素通りするようになった理由が説明できません。

ところで、巣口を雪や氷で塞がれたら、内部で冬眠するアナグマは窒息しないのでしょうか? 
こういうときこそ、予備の換気口(空気穴)が必要です。 
関連記事 ▶  
しかし、その空気穴は監視映像の画角の少し左外にあるために、雪が積もって凍っても開口状態を保って機能しているのかどうか不明です。 
やはりトレイルカメラをもう1台追加して換気口を監視すべきでしたが、他のプロジェクトも同時に並行しているので、カメラが足りず無理でした。




ブラックベリーの花で採餌するツヤハナバチの一種♀

 

2023年6月上旬・午前10:50頃・晴れ 

民家の裏庭に咲いたブラックベリー(=セイヨウヤブイチゴ)の生け垣で微小なハナバチが忙しなく訪花していました。 
ヤマトツヤハナバチ♀(Ceratina japonica)などの仲間ではないかと思うのですが、どうでしょうか。 
後脚の花粉籠に黄色い花粉団子を付けて持ち運んでいることから、♀と分かります。 
1.5倍に拡大した上で1/5倍速のスローモーションでリプレイ。 

この後、私は他の訪花昆虫に目移りしてしまい、ツヤハナバチ♀をじっくり撮影できませんでした。 


【アフィリエイト】 

ランダムに記事を読む