2023/02/15

池で溺れるヒカゲチョウ♀に襲いかかるアメンボの群れ

 

2022年9月中旬・午後14:50頃・くもり 

山中の湧水が溜まった泉に地味な蝶が落水し、水面でパタパタと羽ばたいていました。 
カメラでズームインしてみると、ヒカゲチョウ♀(Lethe sicelis)でした。 
関連記事(8年前の撮影)▶ クロヒカゲの水難事故
後翅が破損している個体でした。 
翅の破損が左右対称ではないので、鳥に襲われかけたビークマークではなさそうです。 
口吻は伸びておらず、吸水行動ではありません。 
落水した蝶を中心として水面に波紋が広がっているのでヒカゲチョウをよく見ると、翅を細かく震わせていました。 
飛翔筋を使って準備運動をしているようです。
周囲は鬱蒼とした雑木林で、この日は特に薄暗く、気温も高くありませんでした。 
変温動物のヒカゲチョウは飛翔筋の準備運動をして体温を上げないと力強く飛び立てないのでしょう。 

その波紋を感知したアメンボの仲間(種名不詳)が水面を泳いで近づき、ヒカゲチョウの後翅にコツンとぶつかりました。 
アメンボ自身も動くと波紋が広がります。 
再びアメンボが獲物に襲いかかろうとした途端に、ヒカゲチョウが慌てたように激しく暴れ始めました。 
浅瀬なのに、水面でいくら羽ばたいても空中に飛び上がれません。 
このときヒカゲチョウの前翅表に白帯が見えたので、♀と判明しました。 
岸まであと少しなのに、泳いで岸に辿り着こうという発想もないようです。
「泳ぐ」という行動レパートリーが 蝶には無いのでしょう。
翅の表面を覆う鱗粉に撥水性があるので、水中に沈む心配はなさそうです。 

周囲から数匹のアメンボが一斉に集まってきたものの、暴れる獲物を仕留められません。 
口吻を獲物に突き刺して毒液を注入すればおとなしくなるはずですが、アメンボは狩りを諦めて退散しました。 
獲物が溺れて弱るまで待っているのでしょう。 

襲い来るアメンボを撃退したヒカゲチョウ♀は、閉じた翅を細かく震わせています。
水面から突き出た落枝の上に乗れば、飛び立てる気がするのですけど、どうでしょうか? 
水面に落ちた蝶はクモの網にかかったのと同じで、逃れようと暴れるとその振動で捕食者(アメンボ)に気づかれてしまいます。
気づかれないように死んだふり(擬死)するしかありませんが、それではいつまで経っても問題の解決にはなりません。
命のかかったジレンマです。

 次に、もっと大型の捕食者が登場します。 
一難去ってまた一難。 



2023/02/14

山林を遊動するニホンザルの群れで子猿だけがタヌキとアナグマの溜め糞に興味津々【トレイルカメラ】

 

2022年9月中旬・午後14:40〜14:51・晴れ・気温15℃ 

里山の杉林道にある溜め糞場sを自動センサーカメラで見張っていると、珍しく野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れが写りました。
前回の記事:▶ 雪山のスギ林を遊動するニホンザルの群れ【トレイルカメラ】
スギ林にニホンザルの食料はほとんどありませんから、通り道としてたまに使うだけです。
林道を右から左へ続々と遊動して行きます。 

冒頭の個体は全身の毛皮が白っぽいアルビノ(白変種?)でした。 
音量を上げると、遠くで猿の叫ぶ声が聞こえます。 
次に来たのは母親と子ザルの兄弟(姉妹?)2頭です。 
幼い子ザル(赤ん坊)も自分の足で母親の横を歩いていました。 
軽くふざけながら来た兄弟?が、タヌキとアナグマが残した溜め糞sの匂いに気づいたようで、迂回して通り過ぎました。 
糞虫に食べられ分解されたのか、溜め糞の原形は残っていません。 

次に来たのは顔が紅潮した成獣です。(性別不明) 
この個体も全身が白っぽい毛皮で、頬袋がいっぱいに膨らんでいました。 
その後ろから子ザルの兄弟2頭が小走りに追いかけて来ました。 
子ザルはやはり溜め糞場sの匂いに興味を示し、立ち止まって地面に鼻を近づけると、糞で汚れたスギの落ち葉の匂いを頻りに嗅ぎました。 
更に後ろから追いついてきた子ザルは、溜め糞場に興味を示さず、そのまま駆け抜けました。 

次に、子ザルを腹に抱っこしたまま運ぶ若い♀がやって来ました。 
この子ザルは発育が少し遅れているようです。 
母猿の顔は紅潮しています。 

その次に来たのは、頬袋をいっぱいに膨らませた成獣です。 
子ザルの2兄弟が走って追いかけて来ました。 
溜め糞場に少し興味を示しつつも、左へ通り過ぎました。 
近くで猿の悲鳴が聞こえます。 

次に来た子ザルは画面右上隅で林道上に座り、後続の個体を待っています。 
モグモグさせている口元が黒い果汁?で汚れているような気もしますが、どうでしょうか? 
山で黒く熟す果実と言えば桑の実ぐらいしか知らなかったのですが、9月中旬は遅過ぎるかな? 
(同時期にノブドウの実を採食するニホンザルを撮影した動画を公開予定。) 
後ろから走ってきた子ザルと鬼ごっこのようにふざけながら、左へ走り去りました。 
この子ザル2頭は遊びに夢中で、溜め糞場sは素通りしました。 

次にトレイルカメラが起動したときには、画面左端の林道上に1頭が立ち止まっていました。 
左手で顔を掻いてから左へ走り去りました。

更に群れが続々と右から遊動してきます。 
母猿について走って来た幼い子ザルが溜め糞場sで立ち止まると、スギ落ち葉の匂いを嗅ぎました。 

幼い子ザルは好奇心旺盛ですが、タヌキとアナグマが残した溜め糞の匂いを嗅ぐのが生まれて初めてなのかもしれません。 
それに対して成獣のニホンザルは溜め糞の匂いに慣れてしまっているようで、無関心に素通りするだけです。 
子ザルも興味津々で溜め糞の匂いを嗅ぐだけで、そこに自ら糞尿を排泄することはありませんでした。 
幼獣だけが溜め糞に興味を示すという現象は、ニホンザルに限ったことではありません。
関連記事(同年の撮影)▶ 



左上から右下へ謎の生物が高速で横切りました。 
1/3倍速のスローモーションでリプレイしても、正体不明です。(@1:49〜) 
鳥でもなさそうですし、子ザルが樹上から飛び降りたのか、あるいはリスかな?

スギ林の林道を右から遊動してくるだけでなく、右奥の斜面を登って林道に出てくる個体もいました。 
群れの多くは林道を左に遊動しましたが、林道脇の法面にある獣道(画面手前の死角)を登って行く個体もいました。

余談ですが、ニホンザルの群れが通過する様子を監視カメラが続けざまに録画していると、スギの太い落枝が急に出現し、左奥の斜面に引っかかるように止まりました(@1:25〜1:26)。 
対面に見えるスギ大木(胸高直径60.5cm)の太い横枝が途中で折れたまま樹上でブラブラしていたのですが、それが遂に落ちてきたようです。 
林道を通過しているニホンザルの頭上に落ちなくて良かったです。 
もしかしたら、通りすがりの猿が折れかけの横枝に跳び乗り、その重みに耐え切れず落ちたのかもしれません。 
どうでも良い情報とは言え、落下時刻が2022年9月20日の午後14:43とほぼ正確に推理できてしまうのが、トレイルカメラの凄いところです。 
折れた枝が落ちてくる瞬間はさすがに撮れていませんでした。 
この太いスギ落枝を巡って、これから別の野生動物による新たなドラマが更に展開していきます。 
お楽しみに。(映像公開予定



ムラサキツメクサの花で採餌するセイヨウミツバチ♀

 

2022年6月中旬・午前10:30頃・晴れ 

河川敷に咲き乱れるムラサキツメクサ(=アカツメクサ)の群落でセイヨウミツバチApis mellifera)のワーカー♀が訪花していました。 
ありふれた超普通種同士の組み合わせですが、意外にも初見です。 

ムラサキツメクサの小さな筒状花に正当訪花を繰り返し、吸蜜しています。 
後脚の花粉籠は空荷でした。 
辺りにはブタナの黄色い花もたくさん咲いているのに、このセイヨウミツバチ♀はムラサキツメクサのピンクの花を選択的に訪花していました。

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