2022年8月中旬・午前3:09:頃・気温23℃(雨上がり?)・日の出時刻は午前4:52
里山のスギ林道にある溜め糞場sを自動撮影カメラで監視していると、深夜にホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)の親子群が初登場しました。
3頭が距離を開けずに団子状態で右からやって来たのです。
手前の個体が体格が大きい成獣「垂れ尾」です。
「垂れ尾」が子育て中の親だと初めて知りましたが、私には性別が見分けられません。
幼獣を連れて縄張りを夜にパトロールするのは、なんとなく母親♀の役割のような気がしますが、どうでしょうか?
調べてみると、タヌキの繁殖は年1回とされています。
親タヌキの少し奥を通過する2頭は体格がやや小柄で、はしゃいでいる足取りがいかにも幼い印象です。
2頭の幼獣は、初めて訪れる溜め糞の匂いが気になって、頻りに匂いを嗅ぎ回っています。
両親や他のタヌキが残した糞の匂いを学習しているのでしょう。
ところが不思議なことに、すぐ近くにあるニホンアナグマ(Meles anakuma)の溜め糞や下草に臭腺を擦り付けたマーキングに対してタヌキ一家は全く無関心でした。
タヌキの溜め糞はタヌキ同士が匂いによってコミュニケーションする場である、という説に納得です。
溜め糞場を共有しているタヌキとアナグマが互いに対抗意識を示して相手の糞の匂いをかき消そうとしたことは一度もありません。(「同じ穴の狢」2種は相互不干渉)
ホンドタヌキ幼獣の片方は溜め糞場sを一旦通り過ぎてから、後続の兄弟が調べている地点に戻って来ました。
今回、親タヌキ「垂れ尾」は溜め糞場sで排便せずに、さっさと左へ立ち去りました。
子ダヌキ2頭も親タヌキの後を追って慌てて駆けて行きます。
親タヌキ「垂れ尾」の下向きに曲がった尻尾は軽度の奇形(生まれつきの異常)ではないかと疑っているのですけど、子供には遺伝していませんでした。
「垂れ尾」のパートナーは「フサ尾」なので、少なくとも「垂れ尾」の形質は優勢遺伝しないことが分かります。
最近は優勢遺伝のことを顕性遺伝と言い換えるのでしたね。
余談ですが、前夜(5.5時間前)に親タヌキ「フサ尾」が排泄した糞は、もう残ってないようです。
夜でもあっという間に糞虫が地中に埋めてしまうのでしょう。
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