2022/02/28

川沿いの林床で夜な夜な餌を探す野ネズミ【暗視映像:トレイルカメラ】

 

2021年11月中旬・夜

ニセアカシア河畔林のタヌキ溜め糞を監視するトレイルカメラに野ネズミ(ノネズミ)がなんと4夜連続で写っていました。 
この場所で最も撮れ高が多かった野生動物は、タヌキではなく野ネズミでした。 
赤外線の暗視映像で野ネズミの目が爛々と白く光って見えます。 
これほど小さな哺乳類でもトレイルカメラのセンサーはきちんと反応してくれました。 
(高感度にしている代わりに風揺れなどによる誤作動も多く、無駄撮りが10倍近くあります。) 
画面の左側を川が奥から手前に向かって流れています。 
川沿いのため、夜になると霧がよく発生しました。 

写真+動画モードで記録したので、気温データを取得することが出来ました。 
写真は毎回なぜか露光オーバーになりがちで、気温測定以外では役に立ちません。 
10℃以下に下がる寒い夜でも野ネズミは林床をチョロチョロと活発に活動していました。 
体の小さな野ネズミがよく体温を保っていられるものだと感心します。 
休みなく餌を探して食べ続けないと必要なカロリーを摂取できないのではないでしょうか。 

この近くの地中に野ネズミの巣があるのかな? 
タヌキの溜め糞に野ネズミが頻繁に出没するのは果たして偶然でしょうか? 
タヌキの糞に多く含まれる未消化の種子を野ネズミが食べに来ているのではないか?という予想がすぐに立てられます。 
しかし動画を見る限り、必ずしもタヌキの糞に執着している様子はありません。 
画面中央および左端の地面に黒々と見えるのがタヌキの糞です。
現場はニセアカシアを主体とする河畔林で、ドングリの実は落ちていません。 
オニグルミの木も伐採されてほとんど無くなりました。 
野ネズミが採食する種子として考えられるのは、ニセアカシアやフジぐらいです。 
あるいは溜め糞場の周辺の林床には糞を分解する虫が多く、野ネズミはそれを捕食するのでしょうか? 
しかし季節は晩秋で、暖かい昼間に私が見に来ても溜め糞を訪れる昆虫は(ハエ類すらも)全くいませんでした。 
来季は虫の多い夏に改めて観察してみるつもりです。 

登場する野ネズミがヒメネズミApodemus argenteus)またはアカネズミApodemus speciosus)のどちらなのか、映像で見分けられる方がいらっしゃいましたら教えてください。 
同一個体が繰り返し写っているのか、それとも複数個体が生息している(野ネズミの個体密度が高い)のかも分かりません。
カメラが少し遠いので、その点は改善の余地がありそうです。 
しかしカメラを近づけると、監視できる画角の範囲が狭くなる、というトレードオフの関係にあります。 


シーン1:11/17・午後18:48・気温1℃ 
林床をチョロチョロと歩き回ります。 


シーン2:11/17・午後20:21・気温2℃ 
同一個体が戻って来た? 別個体? 
溜め糞の上の落枝を渡りました。 


シーン3:11/18・午前1:50・気温6℃ (@2:21) 
溜め糞の上の落枝を渡って行きました。 


シーン4:11/18・午前1:57・気温1℃ 


シーン5:11/18・午後17:20・気温5℃ 
霧が立ち込める夜明け前とは違って、夕方になると(晴れて)画面がクリアになります。 
救急車のサイレン♪がかすかに聞こえます。 
野ネズミが突然、大ジャンプしました!(@5:25) 
何かに驚いて隠れたのかと思いきや、すぐに元居た場所に戻りました。 
野ネズミが大跳躍したシーンを1/3倍速のスローモーションでリプレイ。(@5:32) 


シーン6:11/18・午後19:36・気温0℃ 
画面右のニセアカシアの木陰から登場。 
なぜかUターンして右に走り去りました。 


シーン6:11/18・午後22:35・気温2℃ 
珍しく左の溜め糞の近くで長居しました。 


シーン7:11/19・午後23:40・気温9℃ (@7:57) 


シーン8:11/20・午後18:12・気温2℃ (@8:16) 
こちらを向いてじっとしている時間が長い。 


シーン9:11/20・午後18:14・気温11℃(カメラのオーバーヒートによる異常値) 
珍しく右の溜め糞に興味を示しました。 
左の溜め糞の近くにも移動。 


シーン10:11/20・午後18:29・気温4℃ 


シーン11:11/20・午後18:45・気温4℃ 


シーン12:11/20・午後18:51・気温7℃ 
画面奥から登場。(倒木の陰) 
溜め糞Rを一回りしてから左下隅へ立ち去りました。 



※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 
特に、霧が立ち込めた夜の映像には有効です。


2022/02/27

小雨が降る明け方に河畔林の溜め糞で排便するホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 

2021年12月上旬・午前5:30・小雨(日の出時刻は午前6:42) 

河畔林の溜め糞をトレイルカメラ(無人センサーカメラ)で監視していると、小雨がポツポツと降る明け方にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)が単独で登場しました。 
タヌキの毛皮が雨でぐっしょり濡れています。 
ニセアカシアの樹の下で排便しながらふと見上げると、カメラの存在に気付いたようです。 
最後は画面の左下に立ち去りました。 

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。 

2022/02/26

交尾中に連結飛翔で逃げるミドリヒョウモン♀♂

 

2021年9月中旬・午後15:05頃・晴れ 

日当たり良好の山道を私が汗水たらして登っていると、ミドリヒョウモン♀♂(Argynnis paphia)の交尾ペアが驚いて私に向かって飛んで来ました。 
邪魔されずに落ち着いて交尾できる場所を求めて飛び去りました。
約1/6倍速(15%)のスローモーションでリプレイすると、今回は♀が主導権を握る連結飛翔(←♀+♂)でした。 

古い資料(1972)ですが、保育社『原色日本昆虫生態図鑑IIIチョウ編』には「交尾中における飛翔習性」と題した章があります(p88〜89)。
(ミドリヒョウモンの)交尾飛翔は←♂+♀、←♀+♂の両型。(p214より引用)
この表記に従うと、今回の事例では♀が飛翔し、♂は交尾したまま♀に連行され飛翔しなかったので、←♀+♂となります。 

関連記事(1、7年前の撮影)▶  
交尾中に連結飛翔するミドリヒョウモン♀♂ 
交尾中のミドリヒョウモン♀♂:←♂+♀タイプの連結飛翔


これでミドリヒョウモン両タイプの交尾飛翔(←♂+♀、←♀+♂)2タイプの実例を動画で記録することが出来ました。

交尾中に危険に気づいた方が先に飛び立ち、そのまま主導権を握り、パートナーを連れて飛び去るのでしょう。 

チョウの種類によっては交尾飛翔の主導権を握る性が決まっているのだそうです。(逆の例は見られない)

 Donzel (1837) は「交尾中の飛翔形式は一つの属のすべての種類について一定しており、従って属の限界を決定する重要な特徴となり得る」と強調しており、後世これはDonzel説と言われている。

 日本では、1948年、白水隆が詳しい総説を発表したことがあるが、その後観察例が多く追加されたが、まだ交尾飛翔例がまったく観察されていない属も少なくない。(同書p89より引用)

近年出版されたチョウ関連の書籍でこのトピックが扱われている本を知らないのですが、この説は廃れてしまったのですかね? 

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