2016/05/10

台風の大雨を巣で凌ぐキアシナガバチ♀



2015年9月上旬

キアシナガバチ巣の定点観察@軒下#5


台風18号が日本列島を横断中の日で、大雨が降り続いています。
ここまで順調に育ったキアシナガバチPolistes rothneyi)のコロニーはどんな様子か気になって見に行くと、多数の蜂が在巣でした。
巣上のあちこちで身繕いしている個体がいる一方で、残りはじっと静止しています。
期待した排水行動は見られませんでした。
濡れた巣からの排水行動は雨上がりにやるのでしょうか?
育房内にもう蜂の子が居ないので、排水行動はもうやらないのかな?

傘を差しながら撮っても激しい雨の雫で望遠レンズが濡れてしまいました。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

つづく→#6:♀♀成虫間で栄養交換するコロニー末期のキアシナガバチ



2016/05/09

雪国で疥癬タヌキの散歩を追跡すると…【後編】



2016年2月上旬


▼前回の記事
雪国で疥癬タヌキの散歩を追跡すると…【前編】

疥癬の軽症例と疑われる野生ホンドタヌキNyctereutes viverrinus)を追いかけて私も慌てて車道に戻りました。
先回りして待ち構えていると、タヌキが雪原からのこのこと出てきて、暖冬で雪の無い車道に飛び降りました。
タヌキのロードキルを路上でよく見かけるので、通りかかる車に轢かれるのではないかと案じましたが、このタヌキはパニックにはならず車道の右端を歩いてくれて一安心。
私はビデオカメラで撮りながら歩いてタヌキを尾行します。
タヌキのすぐ横を車が通りすぎた際はさすがに少し怖がって、道端の雪の壁に引き返し登ろうとしました。
車もタヌキに気づいて少し徐行してくれたようです。

やがてタヌキは右折し、民家の敷地(駐車場)へ入りました。
車庫の入り口隅に開けられたキャットドアに迷いなく向かうと、頭から潜り込んだので、意外な結末に衝撃を受けました。
「それではドロンします♪」と昼間からタヌキに化かされたような気がしました。
勝手に侵入して居候しているのかな?
それとも、ここで餌付けされたり飼われたりしている個体なのでしょうか?
首輪こそ付けてなかったですけど、このタヌキの行動を振り返ると、まるで躾の良いお利口な飼い犬が独りで日課の散歩をしているような風情でした。

※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。


【追記】
中嶋捷恵『我が家にはいろんな動物がやって来る』という本によると、疥癬タヌキが回復する事例もあるそうです。
 最近ではダニがタヌキに寄生して疥癬による皮膚病を引き起こし、それが次々と他のタヌキに伝染して多くのタヌキが死んでいった。症状が現れ始めるのは10月〜11月で、末期(1月〜3月)になるとほとんど毛が抜け落ちて丸裸の状態になる。直接の死因は寒さかもしれない。
 ところが、この時期を何とか乗り切り、6月の雨季を迎える頃まで生き長らえば、余命いくばくもないように見えていても何故か毛が蘇り、真夏にはすっかり回復して元気なタヌキに戻るのである。この皮膚病は温度や湿度、あるいは食べ物と何らかの関係があるのだろうか。同じ例がここ2年続いている。(p8より引用)

 

筆者は自宅の裏庭に現れる野生動物を餌付けして、タヌキを毎日のように長年観察しています。
個体識別もできているので、信頼できそうな情報です。


ナガコガネグモ(蜘蛛)の卵嚢



2015年11月上旬

最上川に注ぐ小さな水門の隅にナガコガネグモArgiope bruennichi)の卵嚢を見つけました。
卵嚢の上端が開いているのは正常なのかな?(出嚢後の古い卵嚢である可能性は?)
採寸代わりに右手の人差し指を並べて映し込みます。
卵嚢を周囲に固定する糸には粘着性がありませんでした。

越冬後に採集して飼育下で幼体の出嚢を観察するつもりでしたが、春になったら卵嚢は無くなっていました。
卵は卵嚢内で秋のうちに孵化し、そのまま越冬して、翌春に一回目の脱皮をした後に分散する[4]。(wikipediaより)
一度雪に埋もれて溶けた際に卵嚢も一緒に落ちてしまったのか、あるいは鳥が捕食したのでしょうか?


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