2016年2月上旬
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雪国で疥癬タヌキの散歩を追跡すると…【前編】
疥癬の軽症例と疑われる野生ホンドタヌキ(Nyctereutes viverrinus)を追いかけて私も慌てて車道に戻りました。
先回りして待ち構えていると、タヌキが雪原からのこのこと出てきて、暖冬で雪の無い車道に飛び降りました。
タヌキのロードキルを路上でよく見かけるので、通りかかる車に轢かれるのではないかと案じましたが、このタヌキはパニックにはならず車道の右端を歩いてくれて一安心。
私はビデオカメラで撮りながら歩いてタヌキを尾行します。
タヌキのすぐ横を車が通りすぎた際はさすがに少し怖がって、道端の雪の壁に引き返し登ろうとしました。
車もタヌキに気づいて少し徐行してくれたようです。
やがてタヌキは右折し、民家の敷地(駐車場)へ入りました。
車庫の入り口隅に開けられたキャットドアに迷いなく向かうと、頭から潜り込んだので、意外な結末に衝撃を受けました。
「それではドロンします♪」と昼間からタヌキに化かされたような気がしました。
勝手に侵入して居候しているのかな?
それとも、ここで餌付けされたり飼われたりしている個体なのでしょうか?
首輪こそ付けてなかったですけど、このタヌキの行動を振り返ると、まるで躾の良いお利口な飼い犬が独りで日課の散歩をしているような風情でした。
※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。
【追記】
中嶋捷恵『我が家にはいろんな動物がやって来る』という本によると、疥癬タヌキが回復する事例もあるそうです。
最近ではダニがタヌキに寄生して疥癬による皮膚病を引き起こし、それが次々と他のタヌキに伝染して多くのタヌキが死んでいった。症状が現れ始めるのは10月〜11月で、末期(1月〜3月)になるとほとんど毛が抜け落ちて丸裸の状態になる。直接の死因は寒さかもしれない。ところが、この時期を何とか乗り切り、6月の雨季を迎える頃まで生き長らえば、余命いくばくもないように見えていても何故か毛が蘇り、真夏にはすっかり回復して元気なタヌキに戻るのである。この皮膚病は温度や湿度、あるいは食べ物と何らかの関係があるのだろうか。同じ例がここ2年続いている。(p8より引用)
筆者は自宅の裏庭に現れる野生動物を餌付けして、タヌキを毎日のように長年観察しています。
個体識別もできているので、信頼できそうな情報です。
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