キアシナガバチ巣の定点観察@軒下#7
冬になりコロニーが解散したキアシナガバチ(Polistes rothneyi)の古巣を軒下から採集しました。
寄生蛾の幼虫に食害された形跡は無く、珍しく綺麗な状態で大きく育っていました。
育房を数えると72室。
この古巣を密閉容器に保管して室内に放置していたら、年が明けたある日(2016年1月下旬)、容器内に小さな蜂が死んでいることに気づきました。
寄生蜂が季節外れに羽化したのなら面白いのですが、写真に撮ってみるとキアシブトコバチ(Brachymeria lasus)でした。
本種の寄主はアシナガバチではなく鱗翅目で、樹皮下などで成虫越冬するそうです(『ハチハンドブック』p25より)。
冬越しのためにアシナガバチの古巣に潜り込んでいたとしても不思議ではありません。
古巣を採集したときに、もっとしっかり育房内を調べるべきでしたね。
腹面から見ると腹端に産卵管のようなものがあるので♀ですかね?
腹端の黄色い水滴?は糞が乾いた物かな?
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その後、春になってもキアシナガバチの古巣から寄生蛾の成虫は羽化してこなかったので、やはりこのコロニーは珍しく寄生を免れたようです。
シリーズ完
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