2016年1月中旬
この冬の目標の一つは、カラスの集団塒の位置を突き止めることです。
この日の日の入り時刻は午後16:41、月齢は5.1(三日月)。
日没直後から追跡開始。
郊外にある鎮守の森の上空を夕方になるとカラスの群れが続々と飛んで行きます。
カラスの向かった先へ少し追いかけると、農地(畑や林)の上空を乱舞していました。
携帯電話のアンテナ塔で群れの一部が一休みしました。
群れは鳴きながら更に移動しています。
ちなみに、このときの照度は9ルクスでした。
カラスの群れを更に追いかけると…。
つづく→高圧線の鉄塔に就塒前集合するカラスの群れ(冬の野鳥)
『Birder 2012年8月号 特集:鳥たちの夜の世界』p36-37 中村純夫「カラスはねぐらで何をしているのか?」より
平安時代の昔から、カラスのねぐら入り行動は知られていた。清少納言は『枕草子』の中で「秋は夕暮れ、夕日のさして、山の端いと近うなりたるに、烏の寝所へ行くとて、三つ四つ二つ三つなど、飛び急ぐさへ、あわれなり」と、烏の帰塒行動を詠んでいる。
暗い条件では望遠レンズが使えず、カラスの種類を見分けられませんでした。
普段(昼間に観察すると)この辺りはハシブトガラスよりもハシボソガラスが圧倒的に多いです(優占種)。
日本海側の穀倉地帯や積雪地帯という風土とハシボソガラスの生態とが、どのように関係しているのか、興味ある問題である。(『ネオン街に眠る鳥たち:夜鳥生態学入門』p85より)
ハシブトガラスとハシボソガラスとでは、日中の採餌の場所や習性は微妙に異なっているのに、夜の塒は同じ場所を利用することが多い。(混合集団塒:同書p170より)
2015年12月上旬
コガタスズメバチ巣の定点観察@祠・軒下#5
▼前回の記事
コガタスズメバチの古巣で集団越冬するフタモンアシナガバチ新女王
採集してきたコガタスズメバチ(Vespa analis insularis)の古巣の外被を更に壊すと、単独で越冬していた別個体のフタモンアシナガバチ(Polistes chinensis antennalis)新女王が見つかりました。
覚醒して触角が動いています。
やがて、壊した外被上をゆっくり歩き回り、化粧を始めました。
身繕いで前脚と触角を綺麗にしています。
計4匹のフタモンアシナガバチ新女王を別のプラスチック容器に閉じ込め、屋根裏部屋で越冬させることにしました。
容器に移す際に蜂をピンセットで摘み上げたら毒針で刺そうとしました。(映像なし)
ところが残念ながら室内越冬の試みは失敗してしまい、春には全滅していました。
室内ではなくしっかりと冷たい外気に晒した方がむしろ越冬生存率が高かったかもしれません。
今季は異常なくらい暖冬だったので、蜂が季節外れに覚醒してしまい容器内で消耗して春を待たずに死んでしまったのでしょう。
つづく→#6:コガタスズメバチの古巣で越冬していたキアシブトコバチ
2015年11月中旬
▼前回の記事マダラスジハエトリ幼体(蜘蛛)同士の対決
石灯籠の雪囲いで見つけたマダラスジハエトリ(Plexippoides annulipedis)。
支柱の上下に♀タイプの幼体2匹(a, b)が居るものの、横棒に阻まれてお互いに見えていません。
共に丸々と太った個体です。
♀aは支柱をどんどん登って行きます。
柱の天辺付近で方向転換すると、今度は歩いて降り始めました。
櫓を組むもう一本の支柱と交差する部分に隠れてしまいました。
日当たりの良い南面なので、日光浴なのですかね?
実は撮影直前に♀aの近くにトンボが止まっていて、狩りをするかと期待したのですけど、先にトンボが飛び立ってしまいました。