2012/07/15

メガネアサヒハエトリ♂同士の喧嘩(威嚇誇示)



2012年6月上旬

湿地帯の欄干で見つけた2匹のメガネアサヒハエトリ♂Phintella lineaが出会い頭に喧嘩していました。
手前の♂が目の前の相手を認めると第一脚を万歳のように高く振り上げ、威嚇姿勢になりました。
マクロレンズで接写したので被写界深度が浅く、奥にいる♂の様子はピンボケでよく分かりません。
特に闘争時の触肢の動きを観察する絶好のチャンスだったのですが残念でした。
派手な接近戦に発展することなく、軽い威嚇誇示だけで両雄は別れました。
この時期がメガネアサヒハエトリの繁殖期なのだろうか。
余裕があればマクロレンズを外し、被写界深度の深い広角のマクロモードで撮るべきでした…。
前の記事「メガネアサヒハエトリ♂の徘徊、身繕い(蜘蛛)」は喧嘩別れした2匹を追いかけて撮影しました。

現場で2匹の♂を採集し、しばらく飼育していました。
体長は同サイズで約4.5mm。


♂a@方眼紙

♂a@方眼紙(体長~4.5mm)

♂a@方眼紙

♂a側面@方眼紙

♂b@方眼紙


円筒容器に同居させても飼育下で明瞭な闘争行動は再現できませんでした。
これほど小さなハエトリグモを上手く飼育した経験が無く、小さな口に合うような生き餌は何を与えれば良いのか困りました。
たまたま近所のイタヤカエデの葉裏で発生した有翅型の黒いアブラムシのコロニーを葉ごと採集して、試しにせっせと与えてみました。
しかし忙しくて捕食シーンを観察する暇がありませんでした。
2匹は共食いすることなく、16日間も生きていたことからおそらく自力で獲物を捕食していたと思われます。




葉裏に小さな住居網を別々に張って潜んでいました。※
いよいよ飼育の手が回らなくなり、梅雨時で容器内にカビが生えてきました。
花嫁の♀も見つけてやれなかったため、採集から16日後に解放してやりました。


※ 『クモ生理生態事典 2011』によると、「本属(Phintella)の仲間は夜間に樹木の葉や枝からぶら下がって寝ていることが多い」らしいのですが、飼育中は気づきませんでした。

飼育下でも第一脚腿節のメタリックブルーがひときわ美しい。





ヤマキヒゲナガ♂?(蛾)の飛び立ちハイスピード動画



2012年6月上旬

一頭のヒゲナガガを追いかけて、草むらから飛び立つ瞬間をハイスピード動画(220 fps)に撮ってみました。
ヤマキヒゲナガまたはその近縁種(Nemophora属)の♂だと思います。

スローモーションでも羽ばたきを堪能する前にすぐにフレームアウとしてしまいました。
離陸では脚の跳躍力が大きいようです。


わざわざこんな長い触角を付けて飛ぶのは空気抵抗も大きいはずで理解に苦しむのですが、軽い小蛾だと逆に滞空時間を稼げるのかもしれません。
♂だけが特に長い触角を持つのらしいので、性淘汰のハンディキャップ説ランナウェイ説でも説明できそうです。
『日本動物大百科9昆虫II』p25によると、
ヒゲナガガ類の♂では極端に長くなっていて、前翅長の2〜3倍の長さがある。これは群飛のときバランスをとるのに役立つのかもしれない。




2012/07/14

メガネアサヒハエトリ♂の徘徊、身繕い(蜘蛛)



2012年6月上旬

湿地帯に流れ込む用水路の欄干に、初めて見る美しいハエトリグモが2匹居ました。
とても小さなハエトリグモですが、たぶんメガネアサヒハエトリ♂(Phintella linea)だと思います。
欄干で徘徊、跳躍する二匹を特に区別せず接写しました。

首を傾げてレンズを凝視する様子が可愛らしいですね。
歩脚の先を舐めて身繕いする際に、大顎の牙が見えます。
触肢の先だけ黒いのもお洒落。
ストロボを焚いて撮った写真では第1脚の腿節に美しいコバルトブルーの条が目立ちます。
メガネアサヒハエトリ♂第一脚の美しい金属光沢や触肢の白黒ツートンカラーは♀には見られず性的二型のようです。
ハエトリグモの♂が♀に求愛誇示する際は第一脚や触肢を振り動かすことが多いので、これで同種の♀を誘惑するのかもしれません。
いつか実際に配偶行動を観察してみたいものです。

(つづく→♂同士の闘争





【追記】

『野外観察ハンドブック:校庭のクモ』p67によると、
クモの同定は生殖器の形態で行うが、その外雌器(♀の生殖器)が眼鏡の形をしているのでメガネアサヒハエトリと名づけられた

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