2011/01/23

ヒメベッコウ♀bの成長



2009年6月下旬〜7月下旬

育房bから採集したヒメクモバチ(旧名ヒメベッコウ;Auplopus carbonarius)幼虫の飼育記録です。
カリバチの仲間の幼虫は、歩き回る足も餌を見つける眼も退化してしまい、蛆虫のような姿をしています※。
闇クモ画像掲示板で質問すると、母蜂が貯食してくれた獲物はハマキフクログモClubiona japonicola)♀成体の可能性が高いと教えて頂きました。
これを一匹平らげると、丸々と太った幼虫は白い糸を吐いて薄い繭を作り始めました。
プラスチック容器のままではうまく造繭できないようなので、付箋紙を丸めて囲いを作ってやりました。
蜂の子は幼虫時代には排泄せず、蛹になる前に初めて脱糞します。
無事に♀bが羽化しました。
つづく



※ 参考: 『カリバチ観察事典』 偕成社 p8
 

ヒメベッコウ幼虫aの成長記録



2009年7月上旬〜中旬

ススキの葉裏に営巣していたヒメクモバチ(旧名ヒメベッコウ;Auplopus carbonarius)の泥巣を採集し、各育房を開けてみました。
6つの育房が互いに接していました。
便宜的に育房a-fと呼ぶことにしましたが、造られた順番は不明です。


育房a-cに貯食されたフクログモ♀の外雌器

採集してすぐに育房を暴いてみれば卵の時期から観察できたはずですけど、忙しくて3日後になってしまいました。
一番最後に作られた育房a内の幼虫aは獲物のクモを食べ尽くしたものの、人工育房内で正常に繭を作れないまま蛹化不全で死亡しました。
原因は不明です。
他の幼虫も同様に飼育してみました。
つづく
 


竹筒内のオオフタオビドロバチ前蛹R3acおよび貯食物




2010年8月中旬
(承前)
次の竹筒R3を割ってみると、入口(内径7mm)は閉鎖済みで、泥の隔壁は巣口も含めて6枚。
寄生者対策の空室(EVCおよびEIC)が多く、実質の独房は3室(奥からa-c)でした。 

独房a,cでは蜂の子が貯食物を食べ終え、前蛹になっていました。
前蛹の頭は入口側を向いています。

独房bには貯食された青虫が残されていました。
なぜか蜂の卵や幼虫は見当たりません。
青虫は自ら排泄した糞で汚れています(蜂の子は脱糞しないはず。)
独房bに運び込まれた5匹の青虫のうち一匹が、死んで腐敗しています。
貯食物の異常に気づいた蜂が産卵を諦め、独房を閉鎖したのだろうか。
しかしオオフタオビドロバチ♀は狩猟に先立って独房壁に産卵するはずなので、その可能性はありません。
卵がカビなどに感染して孵化できなかったのだろうか。
独房bに詰め込まれた青虫は互いに軽く癒着していました。
青虫の頭の向きはまちまちです。
残る4匹の青虫は蜂の毒針によって麻痺しているだけで生きており、ピンセットで触れると蠕動します。
緑の青虫に混じって白っぽいイモムシが一匹います。
オオフタオビドロバチAnterhynchium flavomarginatumはメイガやハマキガなどの幼虫を狩るとされていますが、これだけ種類が違うのだろうか。
白っぽい個体は触れても反応が鈍いので、死にかけで変色しているのかも。
このまま飼い続けて麻酔下の寿命を調べようか迷いましたが、夏の高温でカビ感染が拡がる恐れがあるため撮影後に捨てました。
新鮮な獲物を腐らせないで保存するために毒針による麻酔手術を編み出したはずですが、 狩り蜂もたまには失敗することもあるようです。
つづく

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