2011/01/17

イオウイロハシリグモ♀(蜘蛛):食卵した卵嚢の保護・放棄



2009年9月上旬

飼育中のイオウイロハシリグモ♀(Dolomedes sulfueus)は3個目の卵嚢を完成直後に自ら噛み裂き食卵してしまいました。
卵嚢は噛み裂かれた跡があり、空の袋になっています。
それでも一応、卵嚢の残りを2日間ほど惰性で持ち歩いていました。
やがて壁面に卵嚢を放棄して床に下りました。
産卵から卵嚢放棄までの期間が回を追うごとにどんどん短くなっている点も興味深く思いました。
♂と交接していないので無精卵を産み続けることになり、すっかり投げ遣りになっているのだろうか。
それとも老化なのだろうか。

イオウイロハシリグモ♀の食卵




2009年9月上旬

飼育を続けているイオウイロハシリグモ♀(Dolomedes sulfueus)が3個目の卵嚢を作りました。
「どうせ前と同じ行動の繰返しだろう」とろくに観察もせずに油断していたら、吃驚することが起きました。
なんと産卵直後の♀が卵嚢を噛み破り、中の卵を食べていたのです。
噛み切られた卵嚢の半分は下に落ちていました。
産卵中にまた卵を下に落としてしまったことをきっかけに卵嚢作りを中断して食卵を始めたのではなくて、卵嚢を完成させた後に噛み破ったと考えられます。
途中の過程を見過ごしたこともあり、食卵の理由は不明です。
今回は空腹(産卵後の消耗)が激しかったのだろうか。
この♀は未交接なので3回目の産卵ともなると無精卵であることを自覚・学習し(当然、幼体が孵化してこない)、無駄な投資を直ちに回収しようとしたのだろうか。
色々と考えられますけど答えは出ません。
しかし受精の有無に関わらず、クモが飼育下のストレスなどで食卵するのは結構よくあることだそうです。
(つづく)


《追記》
闇クモ画像掲示板にて情報提供して頂いたのですが、 ハエトリグモやコモリグモの一部には、産卵期になると交尾してもしなくても、一定日数をおいて卵のうを造り産卵する種がいるそうです。
交尾していないメスが生んだ卵を含む卵のうや卵を含んでいない卵のうを「偽卵のう」と呼び、偽卵のうを造ると、クモはそれを食べてしまうという。(吉倉眞『クモの生物学』」より)
 




【追記2】
コモリグモとイオウイロハシリグモは違う科ですけど、忘備録。
『クモのはなしI:小さな狩人たちの進化のなぞを探る』藤井靖浩 第8章「コモリグモの母子のきずな」 p63より
 飼育されているコモリグモの♀は交尾の機会を与えられなくても産卵し、未受精卵の入ったぶよぶよの卵嚢をつくりますが、すぐこの異常にきづいて一日以内にはこれを食べてしまいます。しかしこのほかの異常※にはほとんど無頓着です。
※卵嚢交換実験をしたときや、寄生蜂に産卵されて卵嚢が変形したとき。

2011/01/16

シダクロスズメバチ♂の飲水および身繕い行動



2010年11月上旬

この日は林道を歩くとクロスズメバチの仲間の活発な活動が見られました。
道端のクローバーにクロスズメバチの仲間が止まり、葉から朝露を舐めています。
やがて身繕いすると飛び去りました。
触角が長く、腹部が7節あることから♂と判明。
近縁種を見分ける識別点である頭楯が正面から確認できませんでしたが、側面から見た複眼の上にあるS字の黄色紋が細かったのでおそらくシダクロスズメバチ(Vespula shidai)だろう。
映像に登場する個体は捕り逃したものの、少し先に行った地点で同種の別個体♂を採集しました。
体長15mm 。

♂は腹部7節

♂は触角13節
複眼の上に接するS字の黄色紋がシダクロスズメバチの特徴です。
お洒落にカットされた眉毛のようです。
本種の頭楯の黒班は下縁に達するが、♂では達しない個体もいるらしい。

繁殖期の筈ですが、新女王と交尾中のペアは見つけられませんでした。 


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