休耕地にあるホンドタヌキ♀♂(Nyctereutes viverrinus)の営巣地をトレイルカメラで定点監視しています。
休耕地から隣接する二次林には獣道が形成されています。
春になって二次林の下生えでノイバラが若葉を開いて育ち始めました。
トレイルカメラの保守管理のために私が現場入りすると、ノイバラの棘だらけの茎に白っぽい獣毛が引っかかっていました。
獣道を往来するホンドタヌキの抜け毛と思われます。
山形県で5月中旬はホンドタヌキの換毛期に当たるので、特に冬毛(ふわふわしたアンダーコート)が抜け落ちやすくなっていたのでしょう。
毛が生え変わり終わると、ノイバラの藪をタヌキが通っても、あまり抜け毛が引っかかることはなくなるらしい。
つまり、ノイバラの棘にタヌキの抜け毛がよく引っかかるのは主に換毛期特有の現象であり、換毛が終わればそのような抜け毛の痕跡はほとんど見られなくなるそうです。
付近に設置したトレイルカメラに写る映像から、タヌキ以外にもアナグマやキツネなど他の野生動物(あるいは近所のイエネコ)の可能性もありそうです。
ただし、トレイルカメラに写る頻度が最も高いのはタヌキです。
DNA鑑定しないと同定するのは無理ですかね?
念のために、ノイバラの茎ごと採取して持ち帰りました。
この件について、いつものようにPerplexity AIとブレインストーミングしてみました。
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ノイバラの棘に引っかかったふわふわのアンダーコート(抜け毛)に毛根が含まれている可能性は低いです。 換毛期に自然に抜け落ちる毛(特にアンダーコート)は、通常「自然脱落毛」と呼ばれ、これは毛根(毛球や毛乳頭)が付かずに抜け落ちることが多いです。毛根は皮膚にしっかりと埋まっており、動物が強く引っ張られた場合や、何らかの力で無理に抜けた場合には毛根が付着することがありますが、自然な換毛や摩擦による脱落では毛幹部だけが残ることが一般的です。 DNA検査で高い確率で個体識別や種判定を行うには、毛根が付いた毛が必要です。毛幹部(毛根なしの毛)からも微量のDNA(主にミトコンドリアDNA)は抽出可能ですが、成功率は低くなります。特に野外で自然に抜け落ちたアンダーコートの場合、毛根が付いていることは稀です。 したがって、ノイバラの棘に引っかかったタヌキの抜け毛でDNA検査を確実に行いたい場合、毛根が付いているかどうかを顕微鏡などで確認する必要があり、ほとんどの場合は毛根が付いていないと考えられます。
余談ですが、トレイルカメラで撮れた映像を見ると、タヌキやアナグマなどがときどき痛々しく跛行しているときがあります。
しばらく日数が経つと、その症状は自然に回復しています。
獣道を歩く際にノイバラなど棘の鋭い植物を誤って踏んでしまい、足の裏に棘が刺さって痛むのではないかと推測しています。
ノイバラの藪が繁茂すると、野生動物は痛い棘を嫌って自然と迂回するようになるはずです。 (獣道の変更)
ノイバラの花には様々な昆虫が集まりますし、赤い果実は野鳥が食べます。
このように、ノイバラと野生動物との関わりにも様々な局面があるのです。
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