2024/11/11

若いニホンザルがオニグルミ堅果を割ろうと力任せに噛んでも歯が立たない

 

2023年12月中旬・午後15:25頃・くもり(日の入り時刻は午後16:24) 

夕方の山麓で野生ニホンザルMacaca fuscata fuscata)の群れと遭遇しました。 
林縁の土手に座っていた若い個体が立ち上がると、私に向かって土手を斜めに走り下りました。 
オニグルミ大木の下まで来ると、目の前に垂れ下がっているスギの横枝に跳び移りました。 
スギの枝葉にぶら下がって少しブランコ遊びをしてから地上に飛び降り、スギ植林地の林縁に達しました。 
ちなみに、遊動する群れの仲間はこのスギ林に続々と集まってきていて、おそらく塒入りするようです。 

スギの木の下に座り込んだ若いニホンザルは、オニグルミの落果を拾って口に入れました。
土手の途中に自生するオニグルミの木から熟した果実が落ちて、斜面を転がり落ちてきたのです。 
このオニグルミ落果はすでに果皮が腐り落ちた状態ですが、猿は両手を使って堅果表面の泥汚れを丹念に払い落としました。 
(表面が黒く見えるのはタンニンかもしれません。)
オニグルミの殻の中に美味しい仁が含まれていることを知っているらしく、堅果を口に咥えて犬歯で噛み割ろうとしています。 
しかし、若いニホンザルは顎の筋力がまだ弱いようで、力任せに噛んでもオニグルミの硬くて大きい殻を割ることができません。 
左右対称の殻のつなぎ目に歯を立てて割るというコツを知らないのかもしれません。
諦めてオニグルミ堅果をその場に捨てました。 
右後脚で痒い体を掻いてから立ち上がると、群れの仲間を追いかけて暗いスギ林の中に入って行きました。 

この個体の性別が私には分かりません。 
股間に睾丸は見えず、胸に細長い乳首も見えませんでした。 
素人目には若い♀ではないかと思うのですが、どうでしょうか? 
猿の歯型と唾液が付いたオニグルミ堅果を撮影直後に拾って回収すれば、DNA鑑定で性別も分かったはずです。 

前年よりも間近で撮影できて感動しました! 

ニホンザルの成獣になると顎の筋力が増し、オニグルミ堅果の殻を噛み割って中の仁を食べるコツを学んだ個体がでてくるらしいです。 
つまりニホンザルはオニグルミの種子捕食者ということになります。 
私はまだその様子を観察したことがありません。 


※ 最後は動画編集時に自動色調補正を施しています。

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