2023年6月上旬
ニホンアナグマ♀(Meles anakuma) が巣外で幼獣4頭と過ごしています。
ある一夜の様子をまとめました。
私の見る限り、ヘルパー♂は子育てに関与せず、母親♀独りで幼獣4頭の世話をしています。
(ヘルパー♂の個体識別がしっかりできてないかもしれない、という不安が私には常につきまといます。)
シーン1:6/10・午後18:56・気温23℃・日の入り時刻は午後19:04。
日没直前の夕方から♀が巣外活動を始めました。
2つの巣口LRの中間地点で佇んでいます。
身震いしてから手前の巣穴Lに入りました。
シーン2:6/10・午後18:56(@0:18〜)
別アングルで設置したトレイルカメラが起動したときには、なぜか暗視モードではなく自然光下での撮影になっていました。
ほぼ真っ暗で何も見えませんが、強引に明るく加工すると、♀が巣穴Lに出入りしていました。
巣口Lで周囲を警戒しています。
シーン3:6/10・午後19:21・気温23℃(@0:34〜)
♀が1頭の幼獣を巣L外のアクセストレンチに連れ出していました。
自分で毛繕いしてから、前足で幼獣を引き寄せ、尻の辺りを舐めてやります。
続けてもう2頭の幼獣が続々と自力で巣外に這い出てきました。
♀が自分の体を掻くために仰向けになると、近くにいた幼獣2頭が乳首に吸い付こうと集まってきます。
シーン4:6/10・午後19:26・気温23℃(@1:34〜)
計4頭の幼獣が覚束ない足取りで巣外をうろついています。
そのうち1頭の上に♀が軽く座ったのは、アロマーキング(臭腺による匂い付け)の行動でしょうか?(@1:59〜)
ところが、別個体の幼獣が♀の股の間をくぐったときには、アロマーキングしませんでした。
シーン5:6/10・午後19:25(@2:34〜)
別アングルの広角映像に切り替えます。
5倍速の早回し映像で見ると、♀は林床で餌を探しながら、幼獣を引き連れて少しずつ右奥の林縁に移動していることが分かります。
幼獣たちを営巣地(セット)周辺の環境に少しずつ慣らしているようです。
幼獣3頭は♀について歩くのですけど、残る1頭の幼獣が巣口Lに取り残されたままです。
ようやく自力で♀の元へ向かいました。
シーン6:6/10・午後19:25(@3:22〜)
もしかすると♀は幼獣4頭を引き連れてそのまま別の巣穴へ引っ越しするのではないか?と思ったのですが、しばらくするとアナグマ母子の群れはセットに戻ってきました。
♀は4頭の幼獣を引率して巣口Lに帰ろうとしています。
シーン7:6/10・午後19:33・気温27℃(@3:22〜)
別アングルの監視映像に切り替えます。
幼獣4頭が互いにもつれ合うように遊んでいる間に、♀が後ろ向きで入巣Lしました。
直後に巣内から幼獣を呼ぶ鳴き声を発しました。(ジェジェジェビーム♪@4:39〜)
それを聞いたからと言って、幼獣たちはおとなしく従って自発的に帰巣する訳ではありませんでした。
シーン8:6/10・午後19:35・(@4:46〜)
再び巣外に出てきた♀が1頭の幼獣を捕まえて首筋を咥えると、引きずるようにアクセストレンチを後退し、強引に巣穴Lへ連れ戻しました。
この行動は初見です。
幼獣がもっと小さかった頃は、幼獣の首筋を咥えた♀が頭から入巣していました。
遊び足りない幼獣3頭はまだ広場に残ったままです。
シーン9:6/10・午後19:36・(@5:05〜)
♀が左の巣穴Lから顔を出すと、辺りを見渡してからすぐ巣内に引っ込みました。
カメラ目線になった時に右目が左目よりも少し小さいので、♀と分かります。
シーン10:6/10・午後19:36・(@5:20〜)
♀が巣口Lから顔だけだして辺りを見渡し、迷子の幼獣がいないか確認しています。
その後は出巣Lして左に向かいます。
シーン11:6/10・午後19:42・(@5:51〜)
採餌のため、♀単独で二次林内を右に向かいます。
シーン12:6/10・午後21:56・気温20℃(@5:51〜)
採食から戻ってきた♀が巣口Lで身震いしてから入巣L。
シーン13:6/10・午後21:55(@6:20〜)
同じ帰巣Lシーンを別アングルの広角ショットでご覧ください。
シーン14:6/10・午後21:57(@6:33〜)
巣口Lに出て来た2頭の幼獣に♀が対他毛繕いしてやっています。
そのまま一緒に入巣Lしました。
シーン15:6/10・午後22:59(@6:44〜)
巣穴Lから伸びるアクセストレンチに座って自分の体を掻いている♀の方へ幼獣1頭が登って行きます。
♀が出迎えて幼獣の体を舐めてやっている間に、 次の幼獣が巣口Lから登ってきました。
シーン16:6/10・午後23:18・気温23℃(@7:08〜)
単独で出巣Lした♀が身震いしてから、獣道を左へ向かいました。
その様子を別アングルの広角ショットでもご覧ください。
※ 動画の一部は編集時に自動色調補正を施しています。
※ 鳴き声が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。
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