2023年6月上旬・午前8:12・気温20℃
朝からニホンアナグマ(Meles anakuma)が林縁で巣材を集め始めました。
明るい時間帯の巣材集めは初見です。
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これまでは林床の落ち葉を掻き集めて寝床(敷きわら)としていたのですが、営巣地(セット)の周辺ではもはや落ち葉が枯渇したようです。
細い蔓を咥えて後ろに引っ張り、引きちぎろうとしています。
緑の木の葉などを前足で手前に掻き寄せながら素早く後退し、そのまま左奥の巣穴Lに入りました。
同じ巣穴Lから外にすぐ出てくると、さっきと同じ場所(林縁)に戻り、前足で立木に手を掛けながら後足で立ち上がりました。
高い位置にある横枝に前足が届くようになったので、その枝葉を落とし、そのまま巣材とするようです。
セット(営巣地)周辺の灌木で小枝がすっきり剪定されている理由がこれで分かりました。
夜の林内でアナグマが後足で立ち上がる行動は暗視動画で何度か撮れていたのですが、何をしているのか暗くてはっきり分かりませんでした。
今回ようやく巣材集めの決定的な証拠映像が撮れました。
おそらく♀ではないかと思うのですが、今回はアナグマの性別を見分けられませんでした。
別アングルに設置したトレイルカメラで同時に撮れてなかったのが残念でなりません。
今回のポイントは次の3つです。
- アナグマは明るい時間帯でも巣材が必要になれば巣の外に出て集める。 (昼行性になることもある。)
- 林床の落ち葉や枯葉、枯草が無くなれば、臨機応変に緑の生葉を集めるようになる。
- 後足で立ち上がって高所の枝葉を採集することができる。
アナグマが巣材として採取した植物の種類までは映像から見分けられませんでした。
植物質の物で肌触りが柔らかければ何でも良いのかも知れません。
もしかすると、防虫効果やアロマ効果などの薬効を狙って特定の種類の植物(薬草やハーブなど)を集めていたとしたら面白いですね。
例えば猛禽類は、防虫や殺菌用の巣材として針葉樹の枝を緑の葉を付けたまま持ち込むことが知られています。
宮崎学『ワシ・タカの巣 (森の写真動物記 3)』によると、
樹上に巣をつくるワシ・タカはみな、殺菌作用のある青葉を巣に運びます。えさがくさって、菌が広がるのをふせぐためです。 (p24より引用)
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