2023年6月上旬・午後12:43・気温19℃
ニホンアナグマ(Meles anakuma)の営巣地(セット)で珍しく明るい昼間から成獣2頭が巣外で活動しています。
どちらが♀でどちらがヘルパー♂なのか、日中は個体識別できませんでした。
左奥の巣穴Lから外に出てきた個体aがそのまま歩いて、右手前の巣穴Rに入りました。
その一方、林縁にいた別個体bが巣口Lに歩み寄り、前足で地面を掘り始めました。
巣口Lから右に向かってなだらかな傾斜(アクセストレンチ)を作り始めたようです。
地中の浅いところから灌木の根っこを引っ張り出しました。
アナグマの巣穴周辺に落葉灌木(マルバゴマキ)の細い灌木が自生しています。
夏になったらその葉が生い茂ってアナグマの巣穴を隠蔽し、撮影しにくくなるのではないかと懸念していました。
ところがアナグマの巣穴周辺だけきわめて生育が悪くて枯死しそうです。
これには以下のような複合的な理由がありそうです。
- 毎年冬に深い積雪の圧力で細い幹が捻じ曲げられる。
- 夏になっても林冠ギャップがほとんど無くて日照不足。
- 地中の根っこが頻繁にアナグマに痛めつけられている。
アナグマがアクセストレンチを掘る作業を別アングルの監視カメラでも同時に撮れていないのが残念でした。
造巣の穴掘りはヘルパー♂の仕事とされているらしいので、個体bがきっとヘルパー♂(1年仔の若い息子)なのでしょう。
幼獣4頭を育てる子供部屋が手狭になってきたとか、造巣の必要性や細かい指示を母親♀から受けているように見えないのですが、ヘルパー♂自身の判断でセットの巣穴やアクセストレンチが少しずつ拡張されているようです。
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