2024/02/06

クリの雄花に集まり花粉を食べるクロハナムグリとコアオハナムグリの混群

 

2023年6月上旬・午前11:30頃・晴れ 

初夏になり、あちこちでクリ(栗)の花が咲き始めました。 
山道の横で育つクリの木で コアオハナムグリGametis jucunda)とクロハナムグリGlycyphana fulvistemma)がブンブン飛び回り、花穂に群がっていました。 
クロハナムグリとクリの組合せは初見です。 

関連記事(9年前の撮影)▶ 栗の花とコアオハナムグリ 


栗の木の白くて細長い花序は雄花なのだそうです。(雌花は雄花の基部に小さく咲く。) 
多数派のコアオハナムグリと少数派のクロハナムグリは、花穂を歩き回って花粉や花蜜を食べています。
コアオハナムグリの中には、少数ながら赤銅型も混じっていました。 

よく晴れて気温が高いせいか、ハナムグリたちはハエのような羽音を立てて元気にブンブン♪飛び回ります。 
※ 虫の羽音が聞き取れるように、動画編集時に音声を正規化して音量を強制的に上げています。 


私はハナムグリの性別の見分け方を知りませんが、クリの雄花で2匹のコアオハナムグリがニアミスしても、求愛行動や争いはまったく見られませんでした。 
交尾中の♀♂ペアも見当たりません。 

最後に花穂の風揺れを止めようと手で摘みながら動画撮影しようとしたら、異変に気づいたハナムグリたちは警戒して一斉に飛び去ってしまいました。 (映像は割愛)

田中肇『昆虫の集まる花ハンドブック』でクリの送粉生態学について調べると、
風媒花から虫媒花に進化の舵を切り変えた花。 雄花は蜜を出し、雌花は蜜を分泌しないので昆虫はまれに触れるだけ。(p63より引用)
クリが風媒花だとすると無駄なぐらい大量の花粉を放出しますから、毎年初夏にクリの花粉症になるヒトがいても不思議ではありません。
クロハナムグリ(左下)とコアオハナムグリ
緑型と赤銅型のコアオハナムグリ

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