2020年10月下旬・午後15:30頃・くもり
農村部でカキノキの熟柿が路上に落ちていました。
ヒメスズメバチ♀(Vespa ducalis)が甘い果汁を舐めています。
時期的に、ワーカー♀ではなく新女王かもしれません。
胸背がなぜか白っぽい土埃(?)でひどく汚れていて、最初は見慣れない新種の蜂と思ったぐらいです。
また、前翅の黒い前縁が目を引きました。
変異個体かと思いきや、画像検索すると本種では普通と分かりました。
私は蜂が好きでも採集や標本作りをする余力が無いため、今回まじまじと見るまでは体の細部まで特徴を知りませんでした。
路上を徘徊するヒメスズメバチ♀を仰向けにひっくり返すと、自力ではなかなか起き上がれませんでした。
動きも緩慢で、どうやら酔っ払っているようです。
おそらく発酵した熟柿の果汁を飲み過ぎたのでしょう。
指で蜂に触れても飛ぶ力がないようで、逃げませんでした。
触角に触れると前脚を持ち上げて威嚇してきます。
※ 動画編集時に素材の順序を入れ替えました。
実際は、路上で弱っていた蜂を先に撮り、近くの路肩に落ちていた熟柿の上に戻して吸汁シーンを後で撮ったのです。
わざわざ告白しなければ、真相はバレなかったでしょう。
ストーリーを分かりやすくするために編集してみたのですが、「酩酊の原因はおそらく熟柿だろう」という推測を元にした安直なやらせ演出です。
動物ドキュメンタリーの制作現場では、撮影時間に余裕が無くてこういう演出(絵作り)をしたくなる誘惑が多いのだろうな、と番組を見ていてときどき思います。
今回も、蜂が弱っていたのは、もしかすると熟柿とは全く無関係の別な理由があったのかもしれません。
例えば、近所のヒトに殺虫剤をかけられた神経障害の可能性はどうでしょう?
もし酩酊状態?のヒメスズメバチ♀を保護して持ち帰り、経過観察すれば酔いが醒めて蜂の運動機能は回復したかな?
しかし、この日の私は蜂を入れて安全に持ち帰る容器が無かったので、確かめることができませんでした。
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