2026/08/12

春の林内で排水溝に貯まった雪解け水を飲むキジバト(野鳥)

 

2025年4月中旬・午後13:00頃・晴れ 

春の林内で素掘りの排水溝(幅は2m弱)に雪解け水がなみなみと貯まっています。 
久しぶりに現場入りした私が、そこに設置していたトレイルカメラの保守作業をしていると、飛来したキジバトStreptopelia orientalis)が近くに舞い降りました。 

水際まで土手を降りると、水を飲み始めました。 
岸の手前に生えたシダ(種名不詳)の葉が邪魔で、肝心の口元が見えないのが残念です。 
他の鳥と違ってハト類は頭を下げたままゴクゴクと水を飲めるはずなのに、このキジバト個体が頻繁に頭を上げているのは、周囲を警戒しているのでしょう。 
体をねじって無理な体勢で隠し撮りしている私の存在に気づいているのかもしれません。 

春風で水面が軽く波打っています。 
小川に見えるかもしれませんが、流水ではなく止水です。 

続けて水浴びもするかと期待したのですが、喉の乾きを癒やすとキジバトは方向転換して土手を登り、春の林床をトコトコ歩き去りました。 
キジバトの羽根の模様は、林床の落ち葉や落枝に紛れて見事な保護色になっています。 
パタパタと羽音を立てて林床から飛び去るシーンは撮り損ねました。


つづく→

2026/08/11

林内の排水溝に貯まった雪解け水を飲む春のホンドタヌキ【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2025年4月中旬・午前5:05頃・気温8℃・日の出時刻は午前5:06 

春の林内で雪解け水が貯まった排水溝を自動センサーカメラで見張っています。 
小川に見えるかもしれませんが、流水ではなく止水です。 
左に見えるスギ植林地の水はけを良くしないと、根腐れするのでしょう。
やがて雪解け水は干上がってただの溝になり、野生動物が往来する獣道となります。

ちょうど日の出直前にホンドタヌキNyctereutes viverrinus)のペアがやって来ました。 
先行個体が水際まで降り、舌を出し入れして水を飲んでいます。 
1.5倍に拡大した映像をまずご覧いただき、次にオリジナルの等倍でリプレイ。
音量を上げてもピチャピチャという水音は聞き取れませんでした。 
タヌキは喉を潤すと、ぐるっと手前に回り込んで対岸に向かいました。 

後続個体は渡河地点を探しながら岸辺を歩いてきました。 
排水溝を対岸に跳び越えるには幅が広すぎるようです。 
先行個体と同様に、迂回するようです。 


関連記事(1、2、4年前の撮影)▶ 


つづく→

アセビの花蜜を吸うセグロアシナガバチ創設女王

 

2025年4月中旬・午後12:20頃・晴れ 

民家の庭に植栽されたアセビセグロアシナガバチ♀(Polistes jokahamae)が訪花していました。 
正当訪花で吸蜜しています。 
この時期の♀はまだワーカーではなく、越冬後の創設女王ですね。 

春風が吹いて馬酔木の花序が揺れ続け、虫撮りには不向きの条件でした。 
風が止むまで待っていたら、セグロアシナガバチ♀は奥の花序に回り込んでしまい、姿が見えなくなりました。 
他の訪花昆虫も飛び回っていたのに、じっくり撮影できず残念でした。


【考察】
ツツジ科のアセビには、ジテルペノイドのグラヤノトキシン類(アセボトキシン)という有毒成分が含まれています。
花蜜にも含まれるので、それを摂取した訪花昆虫への毒性が心配になります。
Perplexity AIに訊いてみました。

Q: グラヤノトキシンは昆虫などの無脊椎動物に対しても有毒か?

A: はい。**グラヤノトキシンは昆虫にも毒性を示し得ます**。ただし、毒性の強さは昆虫種・グラヤノトキシンの同族体・摂取量によって大きく異なり、「無脊椎動物全般に一様に有毒」という意味ではありません。

## 昆虫での実証例

- **セイヨウミツバチ(Apis mellifera)**  
  *Rhododendron ponticum* の花蜜に相当する濃度のグラヤノトキシンI(GTX I)を摂取させた実験では、摂取後6時間以内に急性死亡が生じました。24時間LC50は約 \(0.212\ \mu\mathrm{g/mg}\) と報告されています。グラヤノトキシンIII(GTX III)単独では、同じ条件で明瞭な毒性は確認されませんでした。cite [pure.royalholloway.ac](https://pure.royalholloway.ac.uk/files/25583400/Tiedeken_et_al_2015_F_Ecology_authors_version.docx)
- **単独性ハナバチ(Andrena carantonica)**  
  死亡率への明瞭な影響は検出されなかった一方、過剰なグルーミングや麻痺様の行動など、**亜致死的な悪影響**が増加しました。cite [pure.royalholloway.ac](https://pure.royalholloway.ac.uk/files/25583400/Tiedeken_et_al_2015_F_Ecology_authors_version.docx)
- **マルハナバチ(Bombus terrestris)**  
  同じ実験では、生存率・行動ともにほとんど影響を受けず、比較的高い耐性を示しました。したがって、ハナバチ類の中でも応答は種特異的です。cite [pure.royalholloway.ac](https://pure.royalholloway.ac.uk/files/25583400/Tiedeken_et_al_2015_F_Ecology_authors_version.docx)
- **植食性昆虫**  
  ツツジ科植物のグラヤノイド系ジテルペンには、昆虫に対する摂食阻害・殺虫作用が報告されており、グラヤノトキシンIはツツジ科植物を食害するアザミウマ類にも毒性・忌避性を示すとされています。cite [pubmed.ncbi.nlm.nih](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37149121/)

## 作用機序

グラヤノトキシンは、神経や筋肉の**電位依存性ナトリウムチャネル**に作用します。通常なら活動電位の後にチャネルは不活性化しますが、グラヤノトキシンはその不活性化を妨げ、ナトリウム流入と脱分極を持続させます。結果として、神経・筋の異常興奮、運動失調、麻痺、場合によっては死亡につながります。cite [pmc.ncbi.nlm.nih](https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC3404272/)

昆虫の電位依存性ナトリウムチャネルも脊椎動物のものと基本的によく似ているため、標的が存在すること自体は合理的です。実際、イカやザリガニの軸索を用いた電気生理学的研究でも、グラヤノトキシンによるナトリウムチャネルの持続的な活性化が示されています。cite [pubmed.ncbi.nlm.nih](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/6286960/)

## ただし「昆虫に有毒」の解釈には注意

重要なのは、以下の要因で感受性がかなり変わることです。

1. **同族体の違い**  
   GTX Iはミツバチに強い毒性を示しましたが、GTX IIIでは同じ作用が明瞭でない場合があります。

2. **昆虫種の違い**  
   セイヨウミツバチや一部の単独性ハナバチには有害でも、マルハナバチでは耐性が見られました。ナトリウムチャネルの構造差、吸収・代謝、解毒能力などが関与すると考えられます。cite [pure.royalholloway.ac](https://pure.royalholloway.ac.uk/files/25583400/Tiedeken_et_al_2015_F_Ecology_authors_version.docx)

3. **摂取経路と濃度**  
   花蜜として経口摂取した場合と、注射・局所投与・細胞外からの曝露では毒性が異なります。自然花蜜濃度で影響が出る昆虫がいる一方、葉を食べる植食者では、組織中濃度や摂食量が重要になります。

4. **昆虫以外の無脊椎動物についてはデータが少ない**  
   クモ、ダニ、甲殻類、軟体動物、環形動物などについて、グラヤノトキシンの種別LC50や野外での影響を体系的に調べた研究は、昆虫ほど蓄積していません。したがって、**「昆虫には毒性が実証されているが、無脊椎動物全般については不明な部分が大きい」**というのが妥当です。

なお、ツツジ科植物の花蜜中グラヤノトキシンは、植物にとっては植食者防御物質である一方、送粉者にも影響し得るため、植物—送粉者間の選択圧や耐性進化に関係する可能性があります。*Rhododendron* の葉では花蜜や花弁より高濃度で検出される傾向も報告されています。cite [pubmed.ncbi.nlm.nih](https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/37149121/)

**結論としては、グラヤノトキシンは昆虫、特に一部のハナバチや植食性昆虫に対して有毒または忌避的に作用します。しかし、毒性は分類群・種・化学型・曝露量に強く依存し、他の無脊椎動物群への影響はまだ十分には解明されていません。**



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