2025/09/21

給餌場からオニグルミ堅果を持ち去って貯食する野ネズミ:7月上旬【トレイルカメラ:暗視映像】

 



2024年7月上旬 

シーン1:7/1・午後20:47〜午後23:54(@0:00〜) 
前年に拾い集めておいたオニグルミ の堅果を餌箱に30個入れて、朽ちたスギ倒木の端に設置しました。 
果皮はすでに取り除いてあります。 
無人センサーカメラで餌箱を監視すると、昼行性のリスが来て欲しかったのに、来るのは夜行性の野ネズミ(ノネズミ)ばかりでした。 

晩になって倒木を探索する野ネズミが早速餌箱を見つけたのに、野ネズミは初めかなり警戒していました。 
監視カメラが起動する度に驚いて逃げています。 
しばらくして慣れてくると、野ネズミは倒木からおそるおそる餌箱に入りました。 
オニグルミ堅果の匂いを嗅ぎ回るだけで、なぜか倒木に戻って右往左往しています。 
空荷のまま倒木から右へ降りてしまいました。 

何度か餌箱に試しに入って安全を確認してから、野ネズミはようやく適当なクルミを選ぶと、口に咥えて運び出しました。 
その後は、巣穴と餌箱を頻繁に往復して、オニグルミ堅果を1個ずつ持ち去るようになりました。 
クルミ堅果は優れた保存食になりますから、巣穴に餌を貯食しているのでしょう。 

しばらくすると戻ってきて、クルミの搬出作業に戻りました。 


シーン2:7/2・午前後・気温(@4:17〜) 
日付が変わった深夜にも、野ネズミはせっせとオニグルミを搬出しています。 
餌箱は初めオニグルミ堅果で一杯だったのですが、数が減ってくると、深い容器に入った野ネズミの姿が姿が見えなくなりました。

後半になると、野ネズミが餌箱に入っても、空荷で出てくることが増えました。 
もう咥えにくい(大きな)クルミしか残っていないのかもしれません。 
ようやく選んだクルミを餌箱から搬出しましたが、いかにも重そうです。 
倒木の途中で何度も立ち止まって、クルミを咥え直したり休んだりしています。 

深夜2時を過ぎると、小雨がぱらつき始めたようです。 
それでも野ネズミは餌箱に通ってきます。 
最後に餌箱に来たのは午前2:23で、空荷で帰りました。 

野ネズミは夜行性なので、昼間は巣穴で寝ているようです。 
晩遅くの22:32に、野ネズミがようやく現れました。 
餌箱に入って中を調べてから空荷で飛び出し、倒木を右に走り去りました。 

餌箱にクルミはまだ残っているのに、これを最後に野ネズミは餌箱に来なくなりました。 
残っているのは栄養価の低い「しいな」あるいは虫食いクルミなのでしょうか? 
この山森にはフクロウやテンが暮らしているので、野ネズミは捕食者に狩られてしまったのかもしれません。 




【考察】 
これまで野ネズミの貯食行動を秋に観察してきましたが、夏にも給餌すれば(余剰の餌を見つければ)貯食することが分かりました。 

餌箱に通ってきた野ネズミがアカネズミなのかヒメネズミなのか、私には見分けられません。 
ヒメネズミは木登りが得意らしいのですが、今回餌箱を設置した倒木(朽木)は地面から斜めに緩やかなスロープを作っているだけなので、高度な木登り能力は必要ありません。
(アカネズミでも登ってくれるはず) 


【おまけの記事】 

山中の湿地帯で大群落を形成したキツネノボタンの謎

2024年6月下旬 

里山にある湿地帯が野生動物や野鳥の水場となっているので、トレイルカメラを設置して見張っています。 
梅雨の頃、その湿地帯に自生する下草に黄色い花が咲き乱れました。

見慣れない草本植物だったので、写真に撮ってPerplexity AIに画像認識してもらうと、キンポウゲ科のキツネノボタンであるとたちどころに教えてもらいました。 
やや湿った所に生えるらしく、全草に毒が含まれるそうです。 
主な毒性成分としては、
・プロトアネモニン(protoanemonin) 生の茎や葉などを傷つけることで生成される刺激性の化合物で、皮膚に付着すると炎症や水疱、口腔・消化器から摂取すると胃腸炎や下痢、吐血、重症の場合は心臓毒性で心停止も報告されています。 
・ラヌンクリン(ranunculin) プロトアネモニンの前駆体であり、植物組織を壊すことで酵素反応によりプロトアネモニンに変化します。

トレイルカメラを設置した結果、この湿地帯にはニホンカモシカCapricornis crispus)がときどき現れて、水溜りから水を飲んだり、下草や灌木の葉を食べたりしていることが分かっています。 
他の草食獣としては、ノウサギも稀に現れます。
多雪地帯の当地では、北進を続けるニホンジカがまだ定着できていません。

カモシカの採食圧があるにも関わらず、この湿地帯にキツネノボタンの大群落が形成されたということは、カモシカが有毒植物を忌避した結果であることを示唆しています。
ただし、カモシカの食べ方は単独行動で歩きながらあちこちでつまみ食いする(道草を食う)程度なので、群れで採食するシカほどの強い採食圧を下層植生に与えていないかもしれません。


カモシカやシカなどの草食動物は、キツネノボタン(有毒植物)を基本的に忌避する傾向があります。多くの反芻動物(シカ、カモシカなど)は、強い苦味や毒成分(プロトアネモニンなど)を持つ植物を本能的に避ける能力が高く、野生下ではほとんど摂食対象としません。pref.nagano+1

  • キツネノボタンやキンポウゲ科の草本は生育地で広く見られるにもかかわらず、シカやカモシカの大規模な食害例は報告されていません。rarememory.sakura

  • 一部の報告では、毒性植物(例えばハシリドコロ、ヤマトリカブトなど)と同様、強い苦味や刺激臭・成分を感じて忌避が行われていると考えられています。rarememory.sakura

  • ただし、極端な食糧不足や若い個体などが誤食して中毒を起こす事例が完全に皆無というわけではありませんが、ごく稀です。pref.nagano+1

したがって、キツネノボタンはシカやカモシカにとって「食べられにくい有毒植物」であり、普通は野生草食獣の忌避対象となっています。カモシカやシカなどの野生草食動物は、キツネノボタンのような強い毒性成分(プロトアネモニンとラヌンクリン)を含む有毒植物を本能的に忌避する傾向があります。pref.nagano+1

草食動物と有毒植物の関係

  • キツネノボタンやキンポウゲ科の植物は苦味や刺激成分が強く、シカやカモシカのような反芻動物は通常これらを避けて食べません。rarememory.sakura+1

  • シカやカモシカの食性研究でも、これらの有毒草本の大規模食害や好んで食べる例はほぼ報告されていません。rarememory.sakura

  • ただし、極端な食料不足時や幼獣の誤食による中毒例が完全に皆無というわけではありませんが、非常に稀です。pref.nagano

このように、キツネノボタンは野生のシカやカモシカにとって、日常的には食べられにくい忌避植物です。


ところで、キツネノボタンには他の植物の生育を阻害するアレロパシーがあることも知られているそうです。 

具体的には、キツネノボタンの持つ毒性成分(例えばプロトアネモニンなど)が土壌や周囲の環境に影響を及ぼし、他の植物の種子発芽や苗の生育を妨げることが考えられています。このため、湿地や田んぼの畦などでキツネノボタンが群生すると、その周辺の植生構造にも影響を与える可能性があります。

したがって、キツネノボタンは草食動物の食害に対抗する毒性だけでなく、他の植物に対する毒性を通じても競争に勝ち、大群落を形成したのでしょう。



【追記】

キツネノボタンの種子散布についてもPerplexityに質問してみました。

キツネノボタンの種子散布は主に自力散布と動物散布の複合的な形式で広がっています。

種子散布の特徴

  • キツネノボタンの果実は小さなトゲ状の集合果で、これが動物の毛や羽に引っかかって広がる(付着散布)ことが多いです。biodiversity.pref.fukuoka+1

  • また、小さな種子は周囲に自然に散る(自力散布)とともに、湿地や水辺の場合は水によって流されて分布を拡大する(水散布)の要素も持っています。biodiversity.pref.fukuoka

  • 動物散布に関しては、種子を含む果実が動物に付着するタイプの「ひっつき虫」として知られており、これが移動距離を伸ばしています。city+1

このようにキツネノボタンは、集落近くや湿地内での局所的な自力散布と、動物の移動を利用した付着による種子散布の両方の方法で分布を広げる特徴があります。キツネノボタンの種子散布は主に自力散布と動物付着散布の組み合わせで広がります。果実は小さなトゲ状の集合果で、動物の毛や羽に付着して運ばれることが多いです。また、自力で自然に散るほか、水辺や湿地では水散布も補助的に行われています。city+1

アンズ落果の周囲を昼間に飛び回るコウカアブ?の群れ【トレイルカメラ】

 

2024年7月上旬〜中旬

シーン0:7/5(@0:00〜) 
アンズ(杏)の木の下で拾い集めた落果を1箇所にまとめて置き、自動センサーカメラで見張っています。 

明るい昼間はスズメバチ類がアンズの熟果を食べに来るのではないかと期待したのですが、予想は外れました。 


シーン1:7/7(@0:03〜) 
数匹の黒くてやや大きな昆虫が低く飛び回っています。 
しばらくすると、近くの下草に留まりました。 
おそらくコウカアブPtecticus tenebrifer)ではないかと推測しています。 


シーン2:7/8(@0:41〜) 
アンズ落果の表面には、微小なアリやショウジョウバエの他に、ハネカクシらしき黒っぽい甲虫もうろついていました。 
ハネカクシは肉食性で、腐果に発生するウジ虫(ハエの幼虫)などを捕食しているはずです。 
ハネカクシ同士が互いに出会うと、尻尾をくねらせて牽制していました。 

 一方コウカアブ?は、落果の山の周囲を飛び回るだけなので、熟果の吸汁が目的ではないようです。 
コウカアブ2〜3匹の飛翔を群飛と呼ぶには個体数が少な過ぎます。 
おそらくアンズ落果に産卵に来る♀と交尾しようと♂たちが待ち伏せしているのでしょう。 
周囲で飛び回る者には何にでも反応して即座に飛び立って追いかける(迎撃)ので、縄張りの占有行動に見えます。 
実際に同種のライバル♂を追い払っているかどうかまでは、映像では分かりませんでした。 

関連記事(1、4年前の撮影)▶  


シーン3:7/9(@2:29〜) 


シーン4:7/11・午前後(@3:40〜) 


※ 動画編集時に自動色調補正を施しています。

昆虫は変温動物ですから、本来トレイルカメラの熱源センサーは反応しないはずです。 
風揺れなどのせいで監視カメラが頻繁に誤作動して、たまたま撮れたのでしょう。 

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